髄膜炎菌ワクチン|子どもの適応・留学前の接種と費用

保護者と学生が留学先と寮生活の予定を確認する場面
Pediatrics / Meningococcal vaccine

髄膜炎菌ワクチン
子どもの適応・留学前の接種と費用

留学先や寮の条件、持病に合わせて検討する接種です。まず必要なワクチンの種類と接種日の条件を確かめます。

最終更新 2026.09.06
DESTINATION渡航先の条件を読む
TYPEACWYとBを区別
RECORD製剤名と接種日を確認
結論から

髄膜炎菌ワクチンは、留学・寮生活、流行地域への渡航、特定の持病や治療などに応じて相談する接種です。国内のメンクアッドフィは2歳以上で使うACWYワクチンで、B群には対応しません。学校の必要条件と過去の接種記録を持参し、接種時期・追加接種・費用を確認してください。[1][2][3]

接種後、急いで受診するのはどんなとき?

接種後に起きた症状でも、原因がワクチンとは限りません。呼吸・顔色・反応に急な変化があれば受診を優先します。[2][3][5]

今すぐ119番

息が苦しい、唇が青紫、呼びかけに反応しない、けいれんが続く。全身のじんましんに息苦しさなどを伴う場合も救急対応が必要です。

早めに医療機関へ

高熱と強い頭痛、首の動かしづらさ、繰り返す嘔吐など。髄膜炎菌の患者さんとの接触や、補体阻害薬による治療がある場合は、そのことを伝えて速やかに受診します。

軽い症状は経過を確認

接種部位の軽い痛みなどだけで、呼吸・顔色・反応が普段どおり、水分が取れている場合。悪化する、長引く、判断に迷うときは相談します。

接種日時、ワクチン名、症状が始まった時刻、薬を伝えてください。夜間などに判断に迷う場合は子ども医療電話相談 #8000も利用できます。緊急時は記録や電話相談より119番を優先します。

01

重い髄膜炎菌感染症を防ぐためのワクチン

髄膜炎菌は、脳や脊髄を包む膜に炎症を起こす髄膜炎や、血液に菌が入り全身に影響する感染症の原因になります。頻度は高くありませんが急速に重くなることがあるため、リスクに応じた予防と、症状が出たときの早い受診が大切です。[4][5]

保護者と学生が留学先と寮生活の予定を確認する場面
留学や寮生活が決まったら、出発日だけでなく学校の接種証明の条件を確認します。(イメージイラスト)

国内のメンクアッドフィはA・C・W・Yの4群に対する結合型ワクチンです。B群用のワクチンとは別で、Hibや肺炎球菌など別の細菌による髄膜炎をまとめて防ぐものでもありません。[2]

02

国内製剤は2歳以上。追加接種は条件を確認

髄膜炎菌ワクチンの国内製剤と個別に確認する条件
項目国内製剤の目安個別に確認すること
対象年齢メンクアッドフィは2歳以上2歳未満の有効性・安全性は確立していないため専門医へ相談
通常の投与0.5mLを1回、筋肉内に注射持病や治療、過去の製剤と接種日を提示
追加接種全員に一律の追加予定は置かないリスクが続く期間、前回接種、渡航先・学校の要件で相談

渡航用のワクチンは、出発日が近づく前から計画します。接種証明書に「何歳以降に接種」「何年以内の接種」などの条件がある場合は、過去に受けていても追加が必要か確認してください。米国などの年齢別スケジュールが、そのまま日本の全員の予定になるわけではありません。[1][2]

03

留学先の条件と、持病による必要性を分けて相談

留学・寮生活では、渡航先の流行状況だけでなく、学校や寮が求めるワクチンの種類と期限を確認します。「ACWY」「MenB」などの記載を省略せず、案内をそのまま接種医へ見せると取り違えを防げます。[1]

補体という免疫の働きを抑える薬で治療している方は、髄膜炎菌感染症のリスクが高くなります。ワクチンを受けても十分には防げないため、主治医が接種時期や予防薬、症状が出たときの対応を含めて計画します。ほかに免疫に関わる持病がある場合も、主治医から接種相談につないでもらいましょう。[3]

費用が保険で扱われる例外があります渡航などで受ける場合は通常、自費です。一方、特定の補体阻害薬による治療を受ける方などでは、メンクアッドフィが保険給付の対象となる条件があります。すべての持病に適用されるわけではないため、薬の名前と治療予定を主治医・医療機関へ確認してください。[6]
04

副反応を知り、接種後も感染症のサインに注意

接種部位の痛み、筋肉痛、頭痛、だるさ、発熱などが報告されています。重いアレルギー反応や、注射に伴う失神に備え、接種後は医療機関の指示に従って座って観察します。発熱・重い急性の病気、成分でアナフィラキシーを起こしたことがある場合などは接種前に相談が必要です。[2]

接種済みでも、急な悪化は救急対応を発熱や頭痛に加えて、呼びかけへの反応が乏しい、急にぐったりするなどの変化があれば119番を考えます。髄膜炎菌感染症では典型的な症状がすべてそろうとは限りません。特に補体阻害薬の使用中は、軽く見える症状でも速やかに医療機関へ連絡してください。[3][5]

患者さんとの濃厚な接触が分かったときは、ワクチンを予約するだけで待たず、医療機関や保健所へ相談してください。予防的な抗菌薬が必要かを判断します。[4]

05

学校の案内と接種記録を、同じ診察に持参する

予約時には年齢、出発日、滞在先、寮に住む予定、持病と薬を伝えます。接種歴がある場合は製剤名と日付が必要です。証明書の提出期限、英文での発行、文書料、ワクチンの取り寄せ日数も確認すると、出発間際の手続きに追われにくくなります。[1]

診察室から|相談のポイント

「髄膜炎菌のワクチンが必要」と言われたら、学校からのメールや書式を持参しましょう。必要な型、接種日、証明書の書き方まで一緒に確認できます。持病のために受ける場合は、渡航の相談とは別に、治療を担当する医師と計画を共有することが大切です。[1][3]

公的資料をもとに編集部が整理した相談のヒントです。医師本人の診療経験や発言の引用ではありません。

06

重い感染症の予防と、保菌を減らす効果は別

複数の研究をまとめた評価では、ACWYなどのワクチンによる重い髄膜炎菌感染症の減少が評価されています。一方、のどに菌を持つ状態を減らす効果は、ワクチンの種類などによって結果が異なります。接種すれば周囲に絶対にうつさない、とはいえません。[7]

4種類の菌に対応するワクチンを比べた試験をまとめた研究では、主に抗体の増え方と安全性が調べられています。抗体の上昇は予防効果を考える手がかりですが、個々の人が感染しない確率そのものではありません。免疫を抑える特定の治療中には、接種後も注意が必要です。[8][3]

FAQ

よくある質問

健康な子どもは全員受けるべきですか?

日本で全員が同じ年齢に受ける定期接種ではありません。渡航先、寮生活、学校の条件、持病などに合わせて必要性を相談します。

Hibや肺炎球菌ワクチンを受けていれば代わりになりますか?

代わりにはなりません。髄膜炎を起こす細菌の種類が異なります。またACWYワクチンは髄膜炎菌のB群に対応するものではありません。

留学先からMenBの接種を求められました。

国内のメンクアッドフィはACWY用で、MenBとは別です。学校の案内を渡航外来などへ提示し、必要な種類、国内での対応、証明書の条件を確認してください。

髄膜炎菌の患者と接触しました。今から接種すれば大丈夫ですか?

ワクチンだけで対応を済ませず、速やかに医療機関や保健所へ相談してください。接触状況から予防的な抗菌薬が必要かを判断します。症状がある場合は受診を急いでください。

REF

参考文献