おたふくかぜワクチン
2回目の時期・効果・副反応
1回目だけで終わらせず、小学校入学前の2回目まで確認します。ほほの腫れだけでなく、合併症への備えも大切です。
おたふくかぜワクチンは、1歳で1回目、小学校入学前の1年間に2回目を受けることが推奨されています。おたふくかぜは難聴などを伴うことがあり、自然にかかるのを待つのではなく接種で備えます。2026年9月時点では任意接種です。打ち忘れや費用・助成は、記録を持って接種医と自治体に確認してください。[1][3][5]
接種後、急いで受診するのはどんなとき?
接種後に起きた症状でも、原因がワクチンとは限りません。呼吸・顔色・反応に急な変化があれば受診を優先します。[2]
息が苦しい、唇が青紫、呼びかけに反応しない、けいれんが続く。全身のじんましんに息苦しさなどを伴う場合も救急対応が必要です。
強い頭痛、繰り返す嘔吐、首が動かしづらい、高熱が続く、聞こえ方が変わった場合。接種から数週間たっていても接種日を伝えます。
接種部位の軽い痛みなどだけで、呼吸・顔色・反応が普段どおり、水分が取れている場合。悪化する、長引く、判断に迷うときは相談します。
接種日時、ワクチン名、症状が始まった時刻、薬を伝えてください。夜間などに判断に迷う場合は子ども医療電話相談 #8000も利用できます。緊急時は記録や電話相談より119番を優先します。
ほほの腫れだけでなく、難聴などにも備える
おたふくかぜはムンプスウイルスによる感染症です。耳の下が腫れ、熱や痛みが出るだけでなく、髄膜炎や難聴などを伴うことがあります。国内の保険請求データを使った研究でも、おたふくかぜ後の難聴が確認されています。[5]

ワクチンは病気にかかる前の予防に使います。海外の研究をまとめたCochraneレビューでは、おたふくかぜを含むワクチンの発症予防効果が示されています。ただし接種後も感染することがあり、ほほの腫れや発熱があれば接種済みでも相談が必要です。[4]
1歳と小学校入学前に、2回の接種を確認
| 区分 | 時期の目安 | 確認すること |
|---|---|---|
| 1回目 | 1歳になったら早めに | MRや水痘など、1歳のほかの接種も一緒に相談 |
| 2回目 | 5歳以上7歳未満で、小学校入学前の1年間 | 年長の年度に接種済みの日付を確認 |
| 予定より遅れた | 気づいた時点で相談 | 過去の実施日・感染の診断歴を持参し、不足分を計画 |
日本小児科学会は2回接種を推奨しています。すでに1回受けている場合は、その日付を接種医に伝えてください。過去の記録が見つからないときも、まず以前の医療機関や自治体に確認する方法を相談できます。[1]
2026年は任意接種。費用・助成は予約前に確認
2026年9月6日時点で、おたふくかぜの接種は任意接種です。費用は医療機関に確認し、自治体の助成があれば、対象年齢・回数・指定医療機関・申請時期も調べます。助成の有無と医学的な接種の必要性は、別々に確認してください。[1][2]
これから受ける接種を、将来の制度だけを理由に自己判断で先延ばしにする必要はありません。お子さんの年齢、接種歴、地域の流行状況を踏まえて相談しましょう。
数週間後の発熱・腫れも、接種日と一緒に伝える
注射した場所の赤み・腫れ・痛みのほか、接種から2~3週間ごろに発熱や耳の下の腫れが出ることがあります。強い頭痛や繰り返す嘔吐などがあれば、まれな無菌性髄膜炎を含めて診察が必要です。聞こえ方の変化も早めに相談してください。[2]
生ワクチンのため、免疫機能に異常がある方や免疫を抑える治療中の方、妊娠中の方などは接種できません。明らかな発熱・重い急性の病気、成分によるアナフィラキシー歴がある場合も事前の確認が必要です。薬は自己判断で休まず、処方内容を接種医に伝えます。[2]
「かかったかも」と「診断された」を分けて相談
ほほが腫れる原因はおたふくかぜだけではありません。以前に感染したか不明な場合は、診断された医療機関や検査の記録があれば持参してください。輸血や免疫グロブリンの治療を受けたことがある場合も、接種時期に影響するため日付を伝えます。[2]
海外のMMRと国内製剤の違いを踏まえて読む
Cochraneレビューは、おたふくかぜを含むワクチンについて1回接種と2回接種の予防効果を整理しています。一方、研究の多くは海外のMMR製剤によるものです。国内の単独ワクチンとはウイルス株などが異なるため、副反応の頻度まで同じとはいえません。[4]
難聴の国内研究は、保険請求記録から集団の傾向を調べたものです。診断の記録方法や対象となった保険加入者に限界があり、数字をそのまま一人のお子さんの確率にはできません。接種の判断には、国内の添付文書と学会の接種予定も合わせて用います。[5][1][2]
よくある質問
2回目は必ず受ける必要がありますか?
日本小児科学会は2回接種を推奨しています。1回目が済んでいても、小学校入学前の1年間に2回目を確認します。感染の診断歴や接種できない条件がある場合は個別に相談してください。
小学生ですが、2回目を忘れていました。
接種記録を持って接種医へ相談してください。学年だけで接種できないとは限りません。不足分の時期と、自治体の助成の対象かをそれぞれ確認します。
MRワクチンを受けていれば、おたふくかぜも予防できますか?
MRは麻疹と風疹のワクチンで、おたふくかぜは含みません。おたふくかぜを含むMMRとは異なります。母子健康手帳で接種した製剤を確認してください。
接種後に耳の下が腫れました。様子を見てよいですか?
接種後の反応のほか、自然の感染なども考えられます。接種日と症状を医療機関へ伝えてください。強い頭痛、繰り返す嘔吐、聞こえの変化がある場合は早めに受診します。
参考文献
- 日本小児科学会:推奨する予防接種スケジュール(2026年4月版)
- PMDA:おたふくかぜ生ワクチン「第一三共」電子添文(2026年1月改訂)
- 厚生労働省:第35回ワクチン評価に関する小委員会 議事録(2026年・おたふくかぜワクチンの制度検討)
- Di Pietrantonj C, et al. Vaccines for measles, mumps, rubella, and varicella in children. Cochrane Database Syst Rev. 2021. 系統的レビュー・メタ解析. PMID: 34806766
- Takagi A, et al. Incidence of Mumps Deafness in Japan, 2005–2017: Analysis of Japanese Insurance Claims Database. J Epidemiol. 2022. 保険請求データ研究. PMID: 33100297
- Annual trends in adverse events following mumps vaccination in Japan: A retrospective study. 2022. 国内の副反応報告を用いた後方視的研究. PMID: 35058077
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