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子どもの中耳炎|急性・滲出性の違い、治療・受診目安と家庭対応

Pediatrics / Otitis media

子どもの中耳炎
急性・滲出性の症状と治療

耳の痛みが強い急性中耳炎と、聞こえに影響する滲出性中耳炎を分け、年齢と重症度に合う対応を示します。

最終更新 2026.09.04医学レビュー 2026.09.04
PAINまず痛みを和らげる
EARDRUM鼓膜を見て診断
HEARING長引けば聴力確認
結論から

急性中耳炎は急な耳痛・発熱・不機嫌などと鼓膜の炎症、滲出性中耳炎は急性炎症が乏しく中耳に液が残り聞こえへ影響する状態です。耳を触るだけでは診断できず、鼓膜を確認します。急性ではまず鎮痛し、年齢・重症度・両側性・耳だれなどで抗菌薬を選びます。滲出性では経過と聴力を追い、長引く場合に耳鼻咽喉科で治療を検討します。[1][2]

まず30秒で緊急度を確認

病名を当てる前に、呼吸・顔色・反応・水分・痛みの強さを確認します。

今すぐ救急受診・119番

呼吸が明らかに苦しい、唇が青紫、呼びかけへの反応が乏しい、けいれん、立てないほどぐったり、強い胸痛、急速に悪化する。

今日中に医療機関へ相談

強い耳痛や高熱、耳だれ、乳児の激しい不機嫌、痛みで眠れない、抗菌薬開始後も悪化、耳の後ろが赤く腫れて耳が外へ押し出される、顔の動きに左右差がある。

自宅で観察しやすい

呼吸が楽で顔色と反応が普段に近く、水分と尿が保たれ、痛みを調整でき、症状が全体として改善方向にある。

耳だれ
鼓膜穿孔や外耳炎などで液が出る状態。色・量・においを記録。
聞こえの変化
呼びかけへの反応、聞き返し、テレビ音量、言葉の発達。
乳児のサイン
耳を触るだけでなく、哺乳低下、眠れない、不機嫌を組み合わせる。

受診時に伝えるメモ:発症日、体温の経過、安静時の呼吸、飲水量と最後の尿、痛む場所、周囲の流行、予防接種歴、使用薬と時刻。緊急時は記録より受診を優先します。

01

急性中耳炎と滲出性中耳炎を分けて考える

急性中耳炎と滲出性中耳炎の違い
比較急性中耳炎滲出性中耳炎
主な症状急な耳痛、発熱、不機嫌、耳だれ聞こえにくい、聞き返し、無症状も
鼓膜膨隆・発赤・膿性貯留など液体貯留、可動性低下
治療鎮痛、選択例で抗菌薬経過・聴力評価、長期例で処置
小児科医が幼児の耳を耳鏡で診察し、中耳の構造を示す医療イラスト
図1|中耳炎は症状だけでなく鼓膜所見で判断 図は観察と受診判断の要点を示すもので、家庭だけで診断するためのものではありません。
診察室から

日々の小児科診療では、耳を触る回数より、夜に痛みで起きるか、解熱鎮痛薬で眠れるか、聞き返しやテレビ音量が増えたかを確認します。診察では耳垢を含め鼓膜が十分見える条件を整え、症状と所見を一致させます。

02

耳の後ろの腫れ・顔面の動き・全身状態悪化は急ぐ

耳介後部が赤く腫れ、耳が外へ押し出される、強い頭痛、繰り返す嘔吐、顔の動きの左右差、反応低下は乳様突起炎などの合併症を考え、救急評価が必要です。合併症はまれですが、系統的レビューでも重症化リスクの評価が整理されています。[5]

03

鼓膜の膨らみ・動き・中耳貯留を確認する

耳鏡や顕微鏡で鼓膜を見て、膨隆、発赤、耳だれ、中耳液を確認します。滲出性中耳炎ではティンパノメトリーや聴力検査を組み合わせます。耳痛だけなら外耳炎、咽頭炎、歯・顎の痛みなども考えます。

04

急性中耳炎は鎮痛を優先し、抗菌薬を選択的に使う

痛みを和らげることが重要で、年齢・体重に合う解熱鎮痛薬を使用します。抗菌薬は重症度、年齢、両側性、耳だれ、基礎疾患、確実な再診が可能かを考えて使います。Cochraneレビューでは多くの小児が自然に改善する一方、抗菌薬は一部の痛みを減らしますが、嘔吐・下痢・発疹などの有害事象も増えました。[2][4]

個人データのメタ解析では、2歳未満の両側例や耳だれを伴う例で抗菌薬の利益が大きい傾向が示されています。全員へ同じ治療ではなく、利益が見込まれる子を選びます。[3]

05

滲出性中耳炎は聴力と言葉の発達を含めて経過を追う

かぜや急性中耳炎後に液が残っても自然に改善することがあります。抗菌薬を漫然と続けず、持続期間、両側性、聴力、言葉・学習、アデノイド、口蓋裂や発達上のリスクを確認します。長引く難聴や構造変化があれば耳鼻咽喉科で鼓膜換気チューブなどを検討します。

聞こえの家庭サイン呼びかけへの反応が弱い、聞き返す、テレビ音量が上がる、発音や言葉の伸びが気になる場合は、痛みがなくても相談してください。
06

痛み・発熱・耳だれ・聞こえを時系列で記録する

痛み

眠れるか、鎮痛薬の前後で変わるか。

耳だれ

色、量、におい。耳の奥へ綿棒を入れない。

発熱

改善後に再発熱していないか。

聞こえ

呼びかけ、聞き返し、テレビ、言葉。

日々の小児科診療で確認していること抗菌薬を使わず経過を見る場合は、「何日待つか」だけでなく、痛みが強くなる、耳だれが出る、熱が続く、元気が落ちる時は予定を待たず再診するよう共有します。再診可能性まで含めて観察方針を選びます。
FAQ

よくある質問

耳をよく触ると中耳炎ですか?

歯ぐずり、眠気、癖などでも触ります。耳痛、発熱、不機嫌、耳だれと鼓膜所見を組み合わせて診断します。

中耳炎は全員に抗菌薬が必要ですか?

必要ではありません。年齢、重症度、両側性、耳だれ、確実に再診できるかで、経過観察か抗菌薬かを選びます。

お風呂で耳に水が入ると悪化しますか?

鼓膜が保たれていれば通常の入浴で中耳へ水は入りません。耳だれ、チューブ、処置後などは主治医の指示に従い、綿棒を奥へ入れないでください。

滲出性中耳炎は痛くないなら放置できますか?

聞こえや言葉に影響することがあります。呼びかけ反応や聞き返しを見て、長引く・両側・発達上の心配がある場合は聴力評価を受けます。

REF

参考文献