ORTHOPEDICS · PATIENT GUIDE

股関節が急に痛くなったときの受診と対応

強い痛みを体操で確かめず、安全に受診することを先に考えます。けがの有無、歩けるか、全身の変化を伝えてください。

監修日:2026年9月24日更新日:
歩いて確かめない体重を無理にかけない
発熱がなくても感染を否定できない
最初のX線だけで判断しない続く症状は再相談
最初に押さえたいこと

転倒後に股関節が強く痛み、立てない・体重をかけられない場合は、骨折などを調べるためすぐに医療機関へ連絡してください。けががなくても、突然の強い痛みや熱感・発熱は当日中の相談が必要です。安全に移動できないほどの痛み、意識の変化、息苦しさがある場合は119番へ連絡します。

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意識・呼吸の変化や、安全に動けない状態は119番へ

救急対応が必要なとき

意識がおかしい、息苦しい、胸痛を伴う場合は119番へ連絡してください。転倒後の強い股関節痛で立てず、安全に移動できない場合も、無理に車へ乗せず救急要請を考えます。[6][5]

救急車を呼ぶときは、救急であること、住所、誰がいつどうなったかを順に伝えます。意識や呼吸の状態、転倒の有無、年齢、手術歴などは分かる範囲で構いません。指令員からの質問と指示に従ってください。[6]

移動の手段がないという理由だけと、強い痛みやけがのため安全に動けない状態は分けて考えます。緊急性の判断に迷う場合は、地域の救急相談窓口へ。#7119は実施地域で利用できますが、意識や呼吸に異常があるときは相談窓口を経由せず119番へ連絡してください。

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けががなくても、突然の強い痛みは当日中に相談

転倒・衝突の後立てない・体重をかけられない

大腿骨の付け根などの骨折を調べます。痛い側の脚に無理に体重をかけません。

けががない場合急な強い痛み・熱感・発熱

感染や急な関節の炎症などを確認します。原因を自宅で決めず相談します。

人工関節・手術後新しい強い痛み・動かせない

脱臼、感染、骨折などを確認する必要があります。手術した施設へ速やかに連絡します。

症状が突然強くなった、普段できる移動ができなくなった場合は、通常の予約日まで待たないでください。外見の腫れが目立たなくても、深い場所にある股関節の問題は自宅で判断しにくいことがあります。[5]

股関節付近の痛みとともに、足先が冷たい・色が悪い、感覚が鈍いなどの新しい変化がある場合も、すぐ医療機関へ連絡します。強い痛みを我慢して長時間運転したり、一人で階段を降りたりすることは避けてください。

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転倒後の痛みでは、骨折を見逃さないことが大切

大腿骨頚部骨折は、太ももの骨の付け根の部分の骨折です。骨が弱くなっている人では、比較的軽い転倒でも起こり、足の付け根の痛みや立てない・歩けない状態につながります。[1]

少し歩ける、脚の形が大きく変わっていないという理由だけで、骨折がないとは言えません。診察だけで確実に除外することは難しく、必要な画像検査を組み合わせます。[2]

転倒していなくても、負担が繰り返しかかった場合や骨が弱い場合など、骨の問題を調べることがあります。運動量の変化、骨粗しょう症、過去の骨折や服薬も伝えてください。痛みの原因を筋肉痛と決めてストレッチを続ける前に相談します。

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発熱がないだけでは、関節の感染を否定できない

関節の感染は、急な強い痛み、熱感や腫れ、動かしにくさなどで疑います。発熱がない場合もあり、熱が出るまで待ってよいとは言えません。感染が疑われるときは、血液検査や関節液の検査などを医療機関で検討します。[4]

糖尿病、免疫に影響する病気や薬、最近の注射・手術、皮膚の傷などの情報も伝えてください。これらがあれば必ず感染しているという意味ではありませんが、診察で確認する材料になります。

人工関節に起こる感染と、自分の関節の感染では検査や治療の進め方が異なります。過去の手術の時期と施設、人工関節のある側を最初に伝えます。自分の関節を対象にした感染のガイドラインを、人工関節の治療へそのまま当てはめることはできません。[4]

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最初のX線が正常でも、歩けない状態が続けば再評価

外傷後はX線が最初の画像検査として使われます。ただし、骨折線などが明らかに写らない場合があります。痛みと画像の説明が合わず、立てない・体重をかけられない状態が続けば、MRIやCTで追加評価することがあります。[2]

X線で分かりにくい股関節周囲の骨折の検出には、MRIが役立つことが複数の研究をまとめた報告で示されています。「異常なしと言われたから、痛くても歩かなければ」と考える必要はありません。[3]

受診した施設へ、検査後も歩けないことや悪化を伝え、再受診と移動の方法を相談します。検査の種類と目的は股関節のX線・MRI・CT検査で詳しく説明しています。追加検査がある場合も、受けるまでの動作の制限を確認してください。

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受診まで、無理に歩かせたり脚をひねったりしない

  • 痛みが強い姿勢や体重をかける動作を避け、楽な姿勢で待つ
  • 脚を引っ張る、強く曲げる、関節を戻そうとする操作をしない
  • 痛みを確かめる片脚立ち、開脚、深いしゃがみ込みをしない
  • 一人で歩かせず、移動の方法を受診先や救急隊に確認する
  • 薬を追加する前に、服薬状況や持病を医療者へ伝える

この画像は、動かすことを勧める手順ではありません。すでに楽な姿勢で待っている場面のイメージです。転倒した場所から動けない人を無理にソファやベッドへ移す必要はなく、危険が迫っていなければ救急隊などの指示を受けてください。

温める、冷やす、痛み止めを飲むことで一時的に楽になっても、骨折や感染などを除外したことにはなりません。受診が必要な状態で、家庭での対処の効果を見るために連絡を遅らせないようにします。[5]

楽な姿勢で横になる女性のそばで家族が電話相談している説明用イラスト
無理に脚を動かさず、連絡して対応を確認する場面です。動けない人をこの姿勢へ移す手順を示した画像ではありません。
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連絡時は、始まり方・歩行・手術歴・薬を伝える

  1. 始まった時刻と出来事

    何時ごろ、転倒・衝突・運動があったか、どちら側かを伝えます。

  2. 今できないこと

    立てない、体重をかけられない、寝返りも難しいなど、普段との差を伝えます。

  3. 全身と脚の変化

    発熱、悪寒、息苦しさ、意識の変化、足先の色や感覚も共有します。

  4. 背景の情報

    人工関節、最近の注射・手術、骨粗しょう症、服薬と過去の検査を伝えます。

マイナ保険証または資格確認書、診察券、お薬手帳を、無理なく手に取れる範囲で用意します。資料を探すために連絡を遅らせる必要はありません。家族が連絡する場合は、本人の反応や呼吸など分かる状態をそのまま伝えてください。[6]

受診後に帰宅できた場合も、どこまで動いてよいか、次の受診日、どんな変化があれば再連絡するかを確認します。普段から続く痛みの治療は股関節の痛みの原因と治療で整理できますが、急な変化への対応を先にしてください。

診察室から

急な股関節痛の診察では、今の痛みだけでなく「転ぶ前はいつも通り歩けていたか」「最初の受診後に何が変わったか」を伺います。骨折などを疑う手掛かりや、再検査の必要性を考えるためです。少し歩けたという情報だけでは安全と判断せず、経過と診察を合わせて確認します。

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よくある質問

少し歩けるなら骨折ではありませんか?

少し歩けることだけでは骨折を否定できません。転倒後の痛みが強い、体重をかけにくい、症状が続く場合は医療機関で評価を受け、無理に歩いて確かめないでください。

熱が出るまで待ってもよいですか?

急な強い痛みや関節の熱感がある場合は、発熱を待たず相談してください。関節の感染は発熱がない場合もあり、自宅で症状だけから否定できません。

痛み止めで楽になったら受診しなくてよいですか?

一時的に痛みが減っても、骨折や感染がないことにはなりません。転倒後に歩けない、急な強い痛みなどがあれば、薬の効果だけで判断せず医療機関へ連絡します。

夜間に救急車を呼ぶか迷ったらどうしますか?

意識の変化や息苦しさ、強い痛みで安全に移動できない状態では119番へ。緊急性の判断に迷い、状態が落ち着いている場合は、地域の救急相談窓口や実施地域の#7119に相談できます。

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参考文献

本記事は一般的な医療情報であり、個別の診断・治療に代わるものではありません。症状、既往歴、服薬、妊娠などによって適切な対応は異なります。転倒後に立てない・歩けない、急に強い痛みや熱が出た場合は通常の予約を待たず医療機関へ連絡してください。意識の変化、息苦しさ、安全に移動できない状態では119番へ連絡してください。