PMSの月経日記のつけ方|症状・生活への影響を記録する方法

女性が自宅でノートを開き、その日の体調を振り返る説明用イラスト
産婦人科 / 月経前の不調

PMSの月経日記のつけ方

PMS・PMDDの相談に役立つ月経日記を、短いメモから始める方法。月経日、気分・体の症状、生活への影響、薬の変化を毎日残し、症状のない日や書き忘れた日をどう扱うか、受診時の見せ方も説明します。

更新日 2026-09-28監修日 2026-09-28
POINT 1症状が軽い日も毎日残す
POINT 2点数に生活の具体例を添える
POINT 3書けない日があっても相談できる
結論から

月経日記は、月経日とその日の気分・体の症状、生活への影響を毎日短く記録するものです。症状のない日も残すと、月経前後の違いを確認できます。少なくとも2周期の記録が診断に役立ちますが、つらいときは完成を待たず受診してください。紙でもアプリでも、続けやすい方法で始められます。[1]

01

月経前だけでなく、軽くなる時期も確かめる

月経日記は「つらかったことを書き集める」だけのものではありません。月経前に悪化し、月経後に軽くなるか、あるいは症状が一か月を通して続くかを確認するための記録です。PMS・PMDDと、ほかの病気の月経前増悪を見分ける手がかりになります。[1]

あとから一か月をまとめて思い出すと、最もつらかった日の印象が強く残ることがあります。その日の状態を毎日短く残すことで、時期と強さの変化を伝えやすくなります。診断の評価には、少なくとも2周期の前向きな記録が推奨されます。[2]

ただし、記録すること自体が治療の条件ではありません。生活への支障が強い、自分を傷つけそう、症状が急に悪くなった場合は、2周期を待たず相談してください。初診の時点で日記がなくても、困っていることを伝えて支援を受けられます。

02

1日分は5つの項目に絞って始める

初めは長文にせず、続けられる範囲で記録します。診察先から用紙や記録方法を指定されている場合は、その方法に合わせてください。下の項目は相談のための簡単なメモの例で、正式な診断尺度ではありません。[1]

日付・出血
日付、月経が始まった日、出血の有無。月経と違う少量出血があれば、そのまま区別して残します。
気分
落ち込み、怒り、不安、気分の揺れなど、困る症状を少数選んで毎日同じ項目を見ます。
体の症状
頭痛、乳房の張り、むくみ、だるさなど。症状のない日も「なし」と残します。
生活への影響
学校・仕事・家事・人間関係への支障。休んだ、予定を減らした、普段どおりできたなどを一言添えます。
薬・睡眠など
薬やサプリの開始・変更、睡眠、強いストレスがあった出来事など、経過を考える手がかりを残します。

症状の強さは「なし・軽い・中くらい・強い」のように、自分の中で毎日同じ基準を使うと比較しやすくなります。この簡単な段階づけは診断用の点数ではなく、ほかの人との重さを比べるものでもありません。

気分と体の症状を一つの点数にまとめるより、困る症状を分けておくと、何が改善したかを見やすくなります。多すぎて続かない場合は、特に困る2〜3項目から始めて受診時に相談できます。

03

その日のうちに、無理のない時間に書く

寝る前など、思い出しやすい時間を一つ決めると続けやすくなります。夜勤など生活時間が異なる場合は、自分の生活に合わせて構いません。翌日以降にまとめて書くより、当日中の短い記録を優先します。[1]

症状がない日は空欄にせず「なし」「普段どおり」などと残します。記録の空白と症状がなかった日を区別できると、月経後に楽になる期間の評価に役立ちます。月経が始まった後も止めず、周期全体を通して見ます。[2]

女性が自宅でノートを開き、その日の体調を振り返る説明用イラスト
症状の強い日だけでなく、普段どおり過ごせた日も記録の手がかりになります。説明用の生成イラストで、実際の患者や記録ではありません。
記入の例:架空のサンプル

「出血なし/イライラ中くらい、頭痛軽い/会議の後に休憩が必要だった/昨夜は寝不足、薬の変更なし」。このような短い記録で構いません。実際の患者の記録ではなく、書き方を示す例です。

書き忘れた日は、覚えていない内容を推測で埋めないようにします。空欄や「記録できず」と残して、書ける日から再開してください。記録が抜けた理由が強い不調であれば、そのこと自体も受診で伝えられます。

04

紙・アプリ・DRSPをどう選ぶか

紙のノート、スマートフォンのメモ、月経管理アプリのどれでも始められます。日付順に症状と出血を一緒に見られ、診察時に持参または提示できる方法を選びます。アプリの月経予測日は予測なので、実際に出血した日とは分けて記録します。[1]

医療や研究では、DRSP(Daily Record of Severity of Problems)という毎日の症状評価票が使われることがあります。症状と生活への影響を評価する道具として信頼性・妥当性が検討されています。自己流のメモと正式な尺度の点数は同じものではなく、診断の判断は医師と行います。[3]

アプリを選ぶ場合は、画面の見やすさだけでなく、データの保存先、共有設定、削除や書き出しの方法も確認しましょう。月経や気分の記録は個人的な情報です。家族や勤務先にどこまで見せるかは本人が選んでよく、診察用の記録をそのまま共有する必要はありません。

記録すると不安が強くなる、何度も点数を見直してしまうなど負担が増える場合は、そのことを相談してください。記録量や頻度、用紙を調整し、診察のために生活全体が記録に追われないようにします。

05

診察では「いつ」「何が」「どれくらい」を見る

持参した日記では、月経前に強くなる症状、月経後に軽くなる時期、症状が少ない期間、生活への影響を一緒に確認します。薬や生活の変更があれば、その前後も見ます。一日だけの強い症状や合計点だけでPMS・PMDDと決めるものではありません。[1][2]

月経後も症状が続く場合は、それを隠さず見せてください。記録が「PMSらしい形」にならなくても失敗ではなく、別の病気や複数の問題を考えるための重要な情報です。受診時に症状が軽くても、記録から困っている時期を伝えられます。

診察室から

診察では、点数が高い日に何が難しかったかと、点数が低い日に普段どおり過ごせたかを合わせて見ます。空欄があっても記録を持参してもらい、分かる範囲から経過を整理します。記録は診断名を当てるためではなく、必要な支援や治療を考える手がかりです。

次回まで何を残すかは、診察で確認できます。症状を減らす目標だけでなく、「仕事中に休憩すれば続けられた」など生活上の目標を共有すると、治療の意味を見直しやすくなります。[4]

06

治療開始後も、同じ項目で変化を追う

薬や心理療法、生活調整を始めた後も、同じ項目を記録すると比較ができます。薬の開始・変更日、副作用と思う症状、飲み忘れなども一緒に残してください。気になる症状が出た場合は、次回まで我慢して記録するのではなく処方医に連絡します。[4]

記録中に、眠れない状態が続く、気分の落ち込みが強まる、月経と無関係な不調がはっきりするなどの変化があれば、診察で共有します。記録の量を増やすより、必要な評価や支援を早く受けることを優先します。

症状の見分けはPMSの原因・症状、診断と治療全体はPMS・PMDDの治療の選び方にまとめています。日記は診療を助ける道具であり、受診できるかを判定するテストではありません。

安全を保てないときは記録より支援を

自分を傷つけそうなときや一人で過ごすのが危険なときは、近くの人に助けを求め、切迫していれば119や救急医療につながってください。2周期を記録し終えるまで待つ必要はありません。

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よくある質問

途中から記録を始めてもよいですか?

はい。月経開始日まで待たず、その日から始められます。最後に月経が始まった日が分かれば併記し、分からなければそのまま伝えます。実際の出血日と症状を続けて残してください。

紙を忘れた場合は受診できませんか?

受診できます。覚えている困りごとを伝え、後日どのように記録を共有するか相談してください。アプリの場合も、診察中に見せたい画面を事前に開けるようにしておくと伝えやすくなります。

薬を始める前の記録がありません。どうすればよいですか?

記録のために自己判断で薬を中止しないでください。現在の処方と開始時期を残し、その状態での症状を記録して、今後の評価方法を処方医と相談します。

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参考文献