- ✓ 肺がんの主な原因は喫煙ですが、非喫煙者でも発症するリスク因子が存在します。
- ✓ 早期発見が難しいため、定期的な検診と症状への注意が重要であり、多様な治療法が進化しています。
- ✓ 最新の診断技術や治療法が次々と開発されており、個別化医療への期待が高まっています。
肺がんの原因とリスク因子とは?

肺がんは、肺の細胞が異常に増殖することで発生する悪性腫瘍であり、その発症には複数の原因とリスク因子が関与しています。これらの因子を理解することは、予防や早期発見に繋がる重要なステップです。
肺がんの最も主要な原因として挙げられるのが喫煙です。たばこの煙には、発がん性物質が多数含まれており、これらが肺の細胞のDNAを損傷することでがんを引き起こすと考えられています。喫煙者は非喫煙者に比べて肺がんの発症リスクが約4.5倍から20倍以上高まると報告されています[1]。また、受動喫煙も肺がんのリスク因子であり、非喫煙者であっても、家庭や職場でたばこの煙に曝露されることでリスクが上昇します。
喫煙が肺がんを引き起こすメカニズム
喫煙によって肺がんが発生するメカニズムは複雑ですが、主に以下の点が指摘されています。
- DNA損傷: たばこに含まれるベンゾピレンなどの発がん性物質が、肺細胞のDNAに直接結合し、遺伝子変異を引き起こします。特に、がん抑制遺伝子やがん遺伝子に変異が生じると、細胞の増殖制御が破綻し、がん化が進みます。
- 炎症反応: たばこの煙は肺に慢性的な炎症を引き起こし、これが細胞の再生を促進し、遺伝子変異の蓄積を助長する可能性があります。
- 免疫機能の低下: 喫煙は免疫機能を低下させ、がん細胞を排除する体の能力を弱めることも指摘されています。
非喫煙者の肺がんリスク因子
喫煙歴がないにも関わらず肺がんを発症するケースも少なくありません。日常診療では、「たばこを吸わないのに、なぜ肺がんになったのか」と相談される方が少なくありません。非喫煙者の肺がんには、以下のようなリスク因子が関与していると考えられています。
- 受動喫煙: 喫煙者の家族や同僚がいる環境では、受動喫煙によるリスクが高まります。
- アスベスト曝露: 過去にアスベストに曝露された経験がある場合、特に中皮腫だけでなく肺がんのリスクも上昇します。
- ラドンガス: 地中から発生する自然放射性物質であるラドンガスは、建物の地下室などに蓄積しやすく、吸入することで肺がんのリスクを高めることが知られています。
- 大気汚染: PM2.5などの微小粒子状物質やディーゼル排気ガスなどの大気汚染物質も、肺がんリスクを上昇させる要因とされています。
- 遺伝的要因: 家族に肺がんの既往がある場合、遺伝的な素因が関与している可能性も指摘されています。特定の遺伝子変異が肺がんの発症リスクを高めることがあります。
- 既往歴のある肺疾患: 肺結核や慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの既往がある場合も、肺がんのリスクが高まることが知られています。
これらのリスク因子は単独で作用するだけでなく、複合的に影響し合うこともあります。例えば、喫煙とアスベスト曝露が重なると、肺がんのリスクはさらに高まります。筆者の臨床経験では、喫煙歴がなくても、家族歴や過去の職業歴(アスベスト曝露の可能性など)を詳細に問診することで、見過ごされがちなリスク因子が明らかになるケースをよく経験します。
肺がんの症状とステージとは?
肺がんは、初期段階では自覚症状がほとんど現れないことが多く、進行してから症状が出ることが一般的です。そのため、早期発見が難しいがんの一つとされています。しかし、症状に気づき、早期に医療機関を受診することが、治療の成功率を高める上で非常に重要です。
肺がんの主な症状
肺がんの症状は、がんの発生部位、大きさ、進行度によって異なります。初期には無症状であることが多いため、定期的な健康診断や肺ドックの重要性が強調されます。外来診療では、「咳が長引いているが、風邪だと思っていた」と訴えて受診される患者さんが増えています。主な症状には以下のようなものがあります。
- 長引く咳: 2週間以上続く咳や、これまでとは異なる咳の性状(痰が絡む、乾いた咳など)は注意が必要です。
- 血痰・喀血: 痰に血が混じる、あるいは血を吐く場合は、すぐに医療機関を受診すべき症状です。
- 胸の痛み: 持続的な胸の痛みや、深呼吸や咳で悪化する痛みは、がんが胸壁に広がっている可能性を示唆します。
- 息切れ・呼吸困難: がんが気道を圧迫したり、胸水が貯留したりすることで息切れが生じることがあります。
- 声のかすれ: がんが声帯を支配する神経(反回神経)を圧迫すると、声がかすれることがあります。
- 体重減少・倦怠感: がんが進行すると、全身症状として原因不明の体重減少や倦怠感が現れることがあります。
- 発熱: 肺炎を併発したり、がん自体が発熱の原因となることがあります。
これらの症状は肺がん以外の病気でも見られるため、自己判断せずに専門医の診察を受けることが重要です。
肺がんのステージ分類(病期分類)
肺がんの進行度合いを示すために、国際的にTNM分類というステージ分類が用いられます。これは、がんの大きさ(T)、リンパ節転移の有無(N)、遠隔転移の有無(M)の3つの要素を組み合わせて病期を決定するものです。ステージ分類は、治療方針の決定や予後の予測に不可欠な情報となります。
- TNM分類
- がんの進行度を評価するための国際的な分類法。T(腫瘍の大きさ・進展度)、N(所属リンパ節への転移の有無・程度)、M(遠隔臓器への転移の有無)の3つの要素に基づいて病期(ステージ)を決定します。
| ステージ | 特徴 | 治療の選択肢(一般的な傾向) |
|---|---|---|
| ステージ0 | ごく早期のがんで、がん細胞が上皮内にとどまっている状態(上皮内がん)。 | 外科手術(切除)が主な治療法。 |
| ステージI | がんは肺に限局しており、リンパ節や他の臓器への転移がない状態。 | 外科手術が中心。場合により術後補助化学療法。 |
| ステージII | がんは肺に限局しているが、大きさが大きくなったり、近くのリンパ節に転移が見られる状態。 | 外科手術+術後補助化学療法が一般的。 |
| ステージIII | がんがさらに大きくなり、胸壁や縦隔などの近くの組織に広がったり、より広範囲のリンパ節に転移が見られる状態。 | 化学療法と放射線療法を組み合わせた治療が中心。手術可能な場合もある。 |
| ステージIV | がんが肺以外の遠隔臓器(脳、骨、肝臓など)に転移している状態。 | 薬物療法(化学療法、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬)が中心。症状緩和のための治療も重要。 |
ステージ分類は、非小細胞肺がんと小細胞肺がんで評価方法が一部異なります。小細胞肺がんは進行が速いため、「限局型」と「進展型」という独自の分類が用いられることもあります。臨床現場では、患者さんの全身状態や合併症なども考慮し、個別の治療計画を立てていきます。正確なステージ診断のためには、CT、PET-CT、MRIなどの画像検査や、組織検査が不可欠です。
肺がんの種類(組織型)とは?

肺がんは、その組織学的特徴によっていくつかの種類に分類されます。この組織型は、治療法の選択や予後予測において非常に重要な情報となります。大きく分けて、非小細胞肺がんと小細胞肺がんの2種類があり、さらにそれぞれが細かく分類されます。
非小細胞肺がん (NSCLC)
非小細胞肺がんは、肺がん全体の約85%を占める最も一般的なタイプです。比較的ゆっくりと進行する傾向があり、早期に発見されれば手術による根治が期待できます。非小細胞肺がんは、さらに以下の組織型に分類されます。
- 腺がん (Adenocarcinoma): 最も頻度が高く、特に非喫煙者や女性に多く見られるタイプです。肺の末梢部に発生することが多く、近年増加傾向にあります。特定の遺伝子変異(EGFR変異、ALK融合遺伝子など)を持つことがあり、これらが分子標的薬の対象となることがあります。
- 扁平上皮がん (Squamous cell carcinoma): 喫煙との関連が強く、肺の中心部(気管支の太い部分)に発生することが多いタイプです。男性に多く見られます。
- 大細胞がん (Large cell carcinoma): がん細胞の形が大きく、特定の分化を示さないタイプです。進行が速い傾向があります。
これらの組織型は、病理医ががん組織を顕微鏡で観察することで診断されます。実臨床では、組織型だけでなく、遺伝子変異の有無を調べることで、より個別化された治療法を選択できるようになっています。
小細胞肺がん (SCLC)
小細胞肺がんは、肺がん全体の約10〜15%を占めるタイプです。喫煙との関連が非常に強く、進行が速く、早期からリンパ節や他の臓器への転移を起こしやすい特徴があります。そのため、診断時にはすでに広範囲に病変が及んでいる「進展型」であることが多いです。
- 神経内分泌腫瘍としての特徴: 小細胞肺がんは、神経内分泌細胞に由来すると考えられており、神経内分泌腫瘍の一種として分類されることもあります[2]。ホルモンを産生する性質を持つことがあり、これによって特異な症状(傍腫瘍症候群)を引き起こすこともあります。
- 治療への反応性: 化学療法や放射線療法によく反応しますが、再発しやすい傾向があります。
小細胞肺がんは、非小細胞肺がんとは異なる治療戦略が選択されるため、正確な組織診断が極めて重要です。筆者の臨床経験では、小細胞肺がんの患者さんでは、診断時にすでに脳転移が見つかるケースも少なくなく、頭部MRI検査の重要性を痛感しています。
その他の稀な組織型
上記以外にも、肺がんには以下のような稀な組織型が存在します。
- カルチノイド腫瘍: 比較的悪性度が低い神経内分泌腫瘍で、ゆっくりと進行します。
- 腺様嚢胞がん、粘表皮がん: 唾液腺タイプのがんで、気管や太い気管支に発生することがあります。
これらの稀な組織型は、専門的な診断と治療経験が必要となるため、呼吸器専門医や腫瘍内科医との連携が不可欠です。
肺がんの検査と診断とは?
肺がんの診断は、自覚症状の有無に関わらず、複数の検査を組み合わせて行われます。正確な診断は、適切な治療方針を決定するために不可欠です。特に早期発見は、治療成績を大きく左右するため、疑わしい症状がある場合は速やかに医療機関を受診することが推奨されます。
初期スクリーニングと画像検査
肺がんの診断は、まず問診と身体診察から始まります。その後、以下のような画像検査が実施されます。
- 胸部X線検査: 肺がん検診の一次スクリーニングとして広く用いられます。比較的安価で簡便ですが、小さながんや心臓の裏に隠れたがんは見つけにくいことがあります。
- 胸部CT検査: X線検査よりも詳細な画像が得られ、小さながんやリンパ節転移の有無、がんの広がりを評価するのに優れています。低線量CTは、高リスク者(喫煙者など)の肺がんスクリーニングとして有効性が報告されています[4]。
- PET-CT検査: がん細胞はブドウ糖を多く取り込む性質を利用し、全身のがんの有無や転移を一度に評価できる検査です。診断だけでなく、治療効果の判定にも用いられます。
- MRI検査: 特に脳転移の評価や、がんが血管や神経にどの程度浸潤しているかを評価する際に有用です。
臨床現場では、胸部X線で異常影が見つかった場合、すぐにCT検査に進むことが一般的です。特に、喫煙歴のある患者さんで「影がある」と診断された場合、その後の精密検査の進め方について詳しく説明し、不安を軽減するように努めています。
確定診断のための組織学的検査
画像検査でがんが疑われた場合、確定診断のためには、病変の一部を採取して病理組織学的に診断する必要があります。これにより、がんの種類(組織型)や悪性度を特定し、適切な治療法を選択します。
- 気管支鏡検査: 細い内視鏡を気管支に挿入し、直接病変を観察したり、組織を採取(生検)したり、細胞を採取(擦過細胞診、気管支肺胞洗浄)する検査です。
- 経皮的肺生検: 体外から針を刺して肺の病変組織を採取する方法です。CTガイド下に行われることが多く、気管支鏡では届きにくい末梢の病変に対して行われます。
- リンパ節生検(EBUS-TBNAなど): 縦隔や肺門部のリンパ節転移が疑われる場合に、超音波気管支鏡下穿刺吸引生検(EBUS-TBNA)などで組織を採取します。
- 外科的生検: 上記の方法で診断が困難な場合や、より多くの組織が必要な場合に、胸腔鏡手術などによって病変の一部または全体を切除して診断します。
これらの検査は、患者さんの負担を考慮しつつ、最も安全で確実な方法が選択されます。実際の診療では、患者さんの状態や病変の部位によって、どの検査が最適かを慎重に判断します。例えば、末梢の小さながんに対しては、CTガイド下経皮的肺生検が有効なことが多いです。
病理診断と遺伝子検査
採取された組織は病理医によって顕微鏡で詳細に検査され、がんの組織型が確定されます。さらに、非小細胞肺がんの場合、EGFR遺伝子変異、ALK融合遺伝子、ROS1融合遺伝子、BRAF変異などの遺伝子異常の有無を調べる遺伝子検査が行われます。これらの遺伝子異常が見つかった場合、分子標的薬という、がん細胞の特定の分子を狙い撃ちする治療薬が有効である可能性があります。
肺がんの診断は、複数の専門医(呼吸器内科医、呼吸器外科医、放射線科医、病理医など)が連携して行う集学的治療が基本です。患者さん自身も、診断過程や治療方針について十分に理解し、疑問があれば積極的に質問することが大切です。
肺がんの治療法とは?
肺がんの治療法は、がんの組織型、進行度(ステージ)、患者さんの全身状態、年齢、合併症の有無などを総合的に考慮して決定されます。近年、治療法の進歩は目覚ましく、個別化された治療戦略が重要視されています。
外科手術
外科手術は、早期の非小細胞肺がんに対する最も根治的な治療法です。がんのある肺葉を切除する「肺葉切除術」が標準的ですが、がんの大きさや位置によっては、より広範囲を切除する「肺全摘術」や、一部を切除する「区域切除術」「楔状切除術」が行われることもあります。同時に、がんが転移している可能性のあるリンパ節も切除します。
- 胸腔鏡手術: 近年では、小さな傷で手術を行う胸腔鏡手術が広く行われており、患者さんの身体的負担の軽減、術後の回復期間の短縮に寄与しています。
- ロボット支援手術: さらに精密な操作が可能なロボット支援手術も導入され、複雑な症例にも対応できるようになっています。
手術の適応は、がんのステージだけでなく、患者さんの肺機能や心臓機能なども考慮して慎重に判断されます。実臨床では、手術後に「以前よりも息切れがする」といった症状を訴える患者さんもいらっしゃいますが、術後のリハビリテーションや呼吸器ケアによって、多くの方が日常生活を取り戻されています。
放射線療法
放射線療法は、高エネルギーのX線などをがんに照射し、がん細胞のDNAを損傷させて死滅させる治療法です。手術が困難な場合や、手術後の補助療法として、また転移巣の症状緩和目的など、様々な状況で用いられます。
- 根治的放射線療法: 手術ができない早期肺がんや、局所進行肺がんに対して、放射線単独で根治を目指す治療です。
- 定位放射線治療 (SBRT): 小さながんに対して、高線量の放射線を多方向から集中して照射する治療法です。周囲の正常組織へのダメージを抑えつつ、高い治療効果が期待できます。
- 緩和的放射線療法: 骨転移による痛みや、脳転移による神経症状など、がんによる症状を和らげる目的で行われます。
薬物療法(化学療法、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬)
進行した肺がんや、手術ができない肺がんに対しては、薬物療法が治療の中心となります。近年、薬物療法の選択肢は大きく広がっています。
- 化学療法: 従来の抗がん剤治療で、がん細胞の増殖を抑える薬を使用します。副作用として吐き気、脱毛、骨髄抑制などが見られることがありますが、近年は副作用を軽減する支持療法も進歩しています。
- 分子標的薬: 特定の遺伝子変異を持つがん細胞のみを標的とする薬剤です。非小細胞肺がんの腺がんなどで、EGFR変異やALK融合遺伝子などが見つかった場合に高い効果が期待できます。副作用は従来の抗がん剤とは異なる傾向があります。
- 免疫チェックポイント阻害薬: 免疫細胞ががん細胞を攻撃する力を回復させることで、がんを治療する新しいタイプの薬剤です。PD-1/PD-L1阻害薬などが肺がん治療に導入され、長期的な効果が期待できる患者さんもいます。
筆者の臨床経験では、分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬の登場により、進行肺がんの患者さんの予後が著しく改善するケースを数多く経験しています。特に、診断時に遺伝子検査を行い、適切な薬剤を選択することが、治療成績向上の重要な鍵となります。
最新コラム・症例報告

肺がん治療の分野は日進月歩であり、新たな診断技術や治療法が次々と開発されています。ここでは、肺がんに関する最新の話題や、臨床現場で経験する症例から得られる知見についてご紹介します。
リキッドバイオプシーによる診断の進歩
近年注目されているのが「リキッドバイオプシー」です。これは、血液中に存在するがん細胞由来のDNA(ctDNA: circulating tumor DNA)などを解析することで、がんの診断や遺伝子変異の検出を行う技術です。従来の組織生検に比べて患者さんの負担が少なく、繰り返し検査できるため、治療効果のモニタリングや再発の早期発見に役立つと期待されています。
- メリット: 侵襲性が低い、複数回の検査が可能、組織生検が困難な症例でも情報が得られる。
- 課題: 検出感度、偽陰性の可能性、保険適用範囲など。
実臨床では、組織生検が難しい進行肺がんの患者さんにおいて、リキッドバイオプシーで遺伝子変異を検出し、分子標的薬の適応を判断するケースが増えています。これにより、より迅速に適切な治療を開始できる可能性があります。
個別化医療の進展と多職種連携
肺がん治療は、患者さん一人ひとりの病状や体質に合わせた「個別化医療」へと大きくシフトしています。遺伝子検査の結果に基づいて最適な分子標的薬を選択したり、免疫チェックポイント阻害薬の有効性を予測するバイオマーカーの研究も進んでいます。このような複雑な治療選択を適切に行うためには、呼吸器内科医、呼吸器外科医、放射線治療医、病理医、薬剤師、看護師など、多職種が連携する「キャンサーボード」が不可欠です。
筆者の臨床経験では、キャンサーボードで様々な専門家の意見を出し合うことで、患者さんにとって最善の治療方針を導き出せると実感しています。ある進行肺がんの患者さんでは、当初化学療法が提案されていましたが、キャンサーボードで遺伝子検査の結果を再評価したところ、稀な遺伝子変異が見つかり、分子標的薬への変更で劇的な効果が得られた症例を経験しました。このようなケースは、多職種連携の重要性を示しています。
小細胞肺がん治療の新たな展開
小細胞肺がんは、これまで化学療法と放射線療法が中心でしたが、近年では免疫チェックポイント阻害薬が併用されることで、治療成績の向上が期待されています[2]。特に進展型小細胞肺がんに対して、化学療法に免疫チェックポイント阻害薬を追加することで、生存期間の延長が報告されています。これは、これまで治療選択肢が限られていた小細胞肺がんの患者さんにとって、大きな希望となるでしょう。
また、神経内分泌腫瘍としての特性を活かした新たな治療法の開発も進められています[2]。これらの研究成果が、今後の治療ガイドラインに反映され、より多くの患者さんに恩恵をもたらすことが期待されます。
まとめ
肺がんは、喫煙を主たる原因としながらも、非喫煙者にも発症リスクのある重要な呼吸器疾患です。早期発見が難しいため、長引く咳や血痰などの症状には注意し、定期的な検診が推奨されます。診断には画像検査と組織検査が不可欠であり、がんの組織型や遺伝子変異の有無を特定することで、最適な治療法が選択されます。治療法は、手術、放射線療法、化学療法、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬など多岐にわたり、がんのステージや患者さんの状態に応じて個別化された治療計画が立てられます。近年は、リキッドバイオプシーや免疫チェックポイント阻害薬の登場により、治療成績は大きく向上しており、今後もさらなる進歩が期待されます。
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- Herb Brody. Lung cancer.. Nature. 2021. PMID: 33208969. DOI: 10.1038/d41586-020-03152-0
- Katsuhiko Naoki. [Ⅲ. Latest Topics of Lung Neuroendocrine Neoplasms].. Gan to kagaku ryoho. Cancer & chemotherapy. 2024. PMID: 39191710
- L Pawlicka. [Lung neoplasms].. Polski przeglad radiologii. 1985. PMID: 6398440
- . Cancer of the Lung.. JAMA. 2021. PMID: 33687456. DOI: 10.1001/jama.2020.17834
- トリメブチンマレイン酸塩(モニタリン)添付文書(JAPIC)

