ORTHOPEDICS · PATIENT GUIDE

足が痛いときの靴・インソールの選び方

靴のサイズ表示や中敷きの価格だけで選ばず、足の症状と履いたときの状態から考えます。受診を先にしたい症状も確認しましょう。

受診を急ぐ症状を先に確認する →
監修医師:木内瑛大更新日:
確認する両足で試し履きする
過信しない高価でも効果の保証はない
中止する痛み・しびれ・傷が増えたとき
最初に押さえたいこと

足が痛いときは、靴の長さだけでなく、幅・甲・かかとの収まりと痛む場所を確認します。インソールは靴の中へ入れる中敷きで、症状によって治療の補助になりますが、すべての足の痛みに有効とは限りません。けが後に歩けない、急に腫れた、傷や感覚低下がある場合は、買い替えより診察を優先しましょう。

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靴選びより、診察を先にしたい状態

けが後に歩けない、強い痛みや急な腫れがある

靴を変えて様子を見る前に、当日中に医療機関へ相談してください。急に痛くなり歩きにくい、けがで変形した、赤く熱を持って腫れた場合も診察が必要です。発熱や傷を伴うときは受付や相談窓口に伝えてください。[6]

糖尿病、足の感覚の低下、血流の病気がある方は、痛みが軽くても傷を見逃さないようにします。新しい傷・赤み・腫れがあれば、速やかに主治医や足の診療を行う医療機関へ連絡してください。痛みが弱いことだけで安全とは判断できません。[8]

緊急の症状がなくても、足の痛みが仕事や歩行を妨げる、繰り返す、悪化する場合は整形外科へ。走る量を増やした後などの続く痛みは、靴の問題だけと決めないことが大切です。運動後の痛みと疲労骨折の検査を確認する

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試し履きで確認するのは、長さ・幅・甲・かかと

靴のサイズ表示は出発点です。同じ表示でも、メーカーや靴の形によって履き心地は変わります。普段使う靴下と、使用中の装具があれば持参し、両足で試してください。足の変形が強い方や治療中の方は、購入前に医療機関で適した条件を相談しましょう。[1]

  • つま先:指が押しつぶされず、立ったときにも窮屈さや当たりがないか。
  • 幅・甲:横を締めつけないか、甲が圧迫されないか。ひもやベルトで無理なく調整できるか。
  • かかと:歩くたびに大きく浮いたり、靴の中で足が前へ滑ったりしないか。
  • 歩いた感触:安全に試し歩きをして、縫い目の当たりや痛み、左右差がないか。

幅広なら必ずよいわけではありません。ゆるすぎて足が前へ動くと、つま先が当たることもあります。今使っている「楽な靴」と「痛い靴」を比べると、自分に合う条件を整理できます。[1]

外反母趾は足の親指が小指側へ曲がる状態です。親指の付け根が靴に当たる場合は、先端の細い靴など圧迫する形を避けます。靴選びや装具は痛みへの対応の一部で、変形が必ず元に戻るという意味ではありません。[2]

診察室から

足の痛みを診るときは、痛む位置だけでなく、普段の靴と中敷き、履き口の当たり、歩いた後の皮膚の赤みを確かめます。本人が「ゆったりしている」と感じる靴でも、かかとがずれて前足部に負担がかかっている可能性を考えます。ただし、靴の減り方だけで痛みの原因や必要な装具は決めません。

椅子に座って靴のかかとのフィットを確かめる人と、靴に入れる中敷き
図1|かかと・甲・つま先を合わせて確認します。中敷きを入れた後も、靴の中が狭くなっていないか試し履きが必要です。AI生成の説明用イラストです。
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市販の中敷きと治療用の足底装具はどう違う?

選択肢を比較

靴の調整・買い替え

対象
長さ・幅・甲などが合っていない場合
根拠・役割
足が収まる空間と固定のしかたを整える基本です。[1]
注意・限界
中敷きを厚くすると靴の中が狭くなることがあります。先に靴の適合を確認します。
選択肢を比較

市販のインソール

対象
靴に入れてクッションや支えを調整したい場合
根拠・役割
中敷きの形や材質はさまざまです。目的と履いた感触を確認します。
注意・限界
「足にいい」「姿勢改善」といった表示だけで適合や治療効果は分かりません。すべての足の痛みに有効ではありません。[3]
選択肢を比較

治療用の足底装具

対象
診察で治療の補助として必要と判断された場合
根拠・役割
足底装具とは、足裏に当てて体重のかかり方や支えを調整する治療用具です。診断と目的に合わせて選択します。[4]
注意・限界
作って終わりではなく、靴に入れた適合や症状を再評価します。オーダーメイドが常に優れるとは限りません。[3]

足型の測定だけで必要な治療は決まりません。どこが痛むのか、いつ痛むのか、どの動作が難しいか、傷や感覚の変化があるかも判断材料です。すでに処方された装具がある場合は、自己流で大きく削る前に製作先や処方医へ相談しましょう。

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インソールの効果は、病気と評価する時期で違う

成人の足裏側のかかとの痛みを対象にした19試験・1,660人のレビューでは、装具は7〜12週で比較用の中敷きより痛みを少し軽くしました。ただし、その差が日常生活で十分実感できる大きさかは不確かで、機能の改善は明確ではありませんでした。短期・長期の結果にも不確実性があります。[3]

同じレビューでは、既製品とオーダーメイドで効果の明確な差は示されませんでした。これは主に成人のかかとの痛みの研究で、足の変形、糖尿病に伴う傷、子どもの足などへそのまま当てはめることはできません。[3]

中敷きだけに治療を任せない

足底腱膜炎は、足裏で土踏まずを支える組織に関係する、かかとの痛みの原因の一つです。米国の2023年ガイドラインは、短期間の痛み対策として装具だけを使うことを勧めず、必要に応じてほかの治療と組み合わせる位置づけとしています。[4]

腰痛予防については、別のレビューで中敷きの有効性は明確ではありません。足に合って歩きやすいことと、腰・膝を含む全身の痛みを治すことは別の評価です。説明を聞くときは、どの症状への効果を期待しているのか確認しましょう。[7]

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使い始めた後は、痛みと皮膚の変化を確認する

  1. 使う目的を決める

    「通勤で歩くときのかかとの痛み」など、どの場面を楽にしたいかを具体化します。

  2. 靴との組み合わせを確認する

    中敷きを入れても指・甲が圧迫されず、かかとが収まるか試します。重ねて入れる前に製品や処方の指示を確認します。

  3. 痛み・しびれ・皮膚を確かめる

    使用時間は製品・処方の指示に従います。履いた後に新たな痛みやしびれ、強い赤み、傷がないか見ます。

  4. 合わなければ中止して相談する

    「慣れるまで我慢」と決めず使用を中断し、処方医や製作先へ連絡します。もとの症状が続く場合も、評価時期を決めて再診します。

再診には、靴と中敷き、使った時間、痛みが出た位置のメモを持参すると役立ちます。写真は皮膚の経過を伝える補助ですが、傷や腫れが急に出たときは写真を撮り続けて受診を遅らせないでください。

整形外科では、足の形だけでなく、痛む位置、関節の動き、感覚や歩き方などを確認します。画像検査は疑う病気に応じて検討します。見た目だけで中敷きの高さを一律に決めることはできません。

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治療用装具の費用は、購入前に確認する

店頭で自分で買う中敷きと、医師の指示で製作・装着する治療用装具では費用の扱いが異なります。協会けんぽでは、足底装具などは要件を満たす場合に、いったん支払った費用について療養費を申請する仕組みがあります。[5]

医師の証明書と内訳のある領収書などが必要で、支給額には算定の基準があります。支払った全額が戻るわけではありません。市販の中敷きを自己判断で買えば自動的に対象になる、という制度でもありません。[5]

  • 製作前に:治療の目的、既製品も候補になるか、総額と支払い方法を聞く。
  • 申請前に:加入する健康保険へ、対象条件と必要書類を確認する。
  • 使用後に:調整の窓口、再診時期、調整費や作り替えの扱いを確認する。

靴と中敷きの工夫に加えて、立ち続ける時間や仕事量を見直すことも大切です。仕事中の腰・肩・足の負担を減らす工夫を見る

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よくある質問

足型測定で「アーチが低い」と言われたら買うべきですか?

測定結果だけで購入を決める必要はありません。痛みや生活への支障、靴の適合を確認し、症状がある場合は診断と中敷きを使う目的を医療機関で相談しましょう。

中敷きは左右とも同じものを入れますか?

市販品は製品の説明に、治療用は処方・製作時の指示に従ってください。左右差が気になる場合も自己判断で高さを大きく変えず、靴と一緒に確認してもらいましょう。

何か月ごとに交換すればよいですか?

素材、使う時間、変形や摩耗の状態で異なり、一律の交換時期は決められません。破損や履き心地の変化、痛みの再発があれば、製品の案内や製作先に確認してください。

診察には新しい靴だけ持っていけばよいですか?

可能なら、普段よく使う靴と中敷きも持参してください。どの組み合わせで、どれくらい歩くと痛むかを伝えると、調整すべき点を相談しやすくなります。

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参考文献

本記事は一般的な医療情報であり、個別の診断・治療に代わるものではありません。症状、既往歴、服薬、妊娠などによって適切な対応は異なります。急な強い痛み、けが後に歩けない、新たな筋力低下や排尿の異常、傷や腫れがある場合は、セルフケアだけで様子を見ず医療機関へ相談してください。安全に移動できない緊急時は119番へ連絡してください。