泌尿器科の
受診ガイド
血尿、頻尿、尿漏れ、排尿時痛、腰・わき腹や陰のうの痛み。まず緊急性を確かめ、症状に合う解説、初診の検査、治療や生活上の注意へ進むための案内です。
泌尿器科では、血尿、頻尿、尿漏れ、排尿時の痛み、尿が出にくい、腰・わき腹や陰のうの痛み、男性機能や妊孕性の悩みを相談できます。まず緊急性を確認し、次に症状の経過と服薬を整理します。診察では尿検査を入口に、必要な検査だけを選び、原因と生活への影響を踏まえて治療を相談します。
最初に、急いで受診する症状を確認する
次の症状は、通常の予約日を待たず、当日中に医療機関へ連絡してください。重症感がある、意識がおかしい、自力で移動できない場合は救急要請も検討します。
時間を空けない症状
- 尿意があるのに尿が出ず、下腹部が張る・強く痛む
- 片側の陰のうが突然強く痛み、腫れや吐き気を伴う
- 高熱・悪寒と、腰やわき腹の痛み、嘔吐、ぐったり感がある
- 血の塊が出て尿が通りにくい、出血が多い
放置せず調べる症状
- 痛みがなくても、目で見て分かる血尿が一度でもあった
- 排尿時痛、残尿感、頻尿、尿漏れが続く・繰り返す
- 陰のうに痛みのないしこりや左右差を感じる
- 健診で尿潜血、PSA、腎・副腎の異常を指摘された
急性尿閉は速やかな解除が必要になることがあり、急な陰のう痛では精巣捻転のように時間が治療結果へ影響する病気があります。発熱とわき腹痛を伴う尿路感染も重症化し得ます。痛みのない血尿も、消えたから安全とは判断できません。[1][4][5][6][7]
症状・知りたいことから詳しい解説を選ぶ
病名を自己判断するのではなく、いま困っている症状や受診目的に最も近い入口を選んでください。
症状・病気から探す
初診から治療方針を決めるまでの5段階
検査は多いほどよいわけではありません。緊急性と症状から、結果が判断を変える検査を順に選びます。
尿閉、感染、出血、急な陰のう痛を先に除外します。
いつから、どの場面で、痛み・発熱・血尿があるか確認します。
血液、炎症、細菌などを確認し、次の検査を絞ります。
残尿測定、超音波、採血、CT、内視鏡などを目的別に選びます。
経過観察、生活調整、薬、処置、手術と見直す時期を決めます。
診察で「トイレが近い」と伺ったときは、回数だけでなく、急に我慢できない尿意があるか、夜に何回起きるか、尿漏れ・勢いの低下・残尿感を伴うかを分けて確認します。同じ言葉でも原因や優先する検査が異なるためです。受診前の2〜3日、排尿した時刻とおおよその量、漏れや強い尿意をメモしておくと、困っている場面を共有しやすくなります。[2]

保険診療と自由診療は目的で分けて確認する
症状や病気の診断・治療
血尿、排尿障害、痛み、感染などがあり、医師が必要と判断した検査や標準治療は、保険診療になることが一般的です。紹介状や施設基準が必要な検査・治療もあります。
健診・希望による検査や一部治療
症状のない健診、医学的必要性を超えた希望による検査、性機能・妊孕性に関する一部の診療などは自由診療になる場合があります。
同じ検査名でも目的や診断、治療法、医療機関の体制により扱いが異なります。予約時または診察時に、保険適用の条件、自己負担、追加検査の可能性を確認してください。
症状や検査結果だけでは原因を一つに決められない
泌尿器科の症状は複数の病気で重なります。記事は受診の入口を作るもので、診断を確定するものではありません。
感染、結石、腫瘍、腎臓の病気などを年齢・経過・検査と合わせます。
飲水、薬、睡眠、代謝性疾患、前立腺、骨盤底なども確認します。
放射線、造影剤、内視鏡の負担と、結果が方針を変えるかを比べます。
結石の種類、腎機能、心疾患などにより水分や薬の助言は異なります。
たとえば結石再発予防では飲水や食事、薬物療法を検討しますが、研究の確実性や対象には限界があります。単一の検査値や一般的な生活情報だけで一律に決めず、既往歴と検査結果に合わせます。[3][8]
初診前に準備すると伝わりやすい6項目
血尿、痛み、頻尿、尿漏れ、出にくさなど優先する一つを伝えます。
突然か徐々か、続くか繰り返すか、悪化する時間帯をメモします。
尿の色や血の塊、痛む場所、体温は可能な範囲で記録します。
お薬手帳、市販薬、過去の手術・結石・感染の治療歴を準備します。
尿潜血、PSA、腎機能、超音波などの結果があれば持参します。
検査や薬、手術の選択に関わるため、該当する場合は伝えます。
よくある質問
痛くない血尿でも泌尿器科を受診したほうがよいですか?
はい。目で見て分かる血尿は、痛みがなく一度だけでも尿路の病気を調べるきっかけになります。血尿が消えていても、色、血の塊、痛み、発熱、服薬を伝えて受診してください。血の塊で尿が出にくい場合は急いで受診します。
女性や子どもも泌尿器科を受診できますか?
受診できます。女性の膀胱炎、尿漏れ、血尿、子どもの尿路感染、おねしょ、陰のうや包皮の症状も泌尿器科の対象です。妊娠中、強い腹痛、婦人科症状を伴う場合などは、産婦人科や小児科と連携して診療します。
初診ではどのような検査をしますか?
まず症状、服薬、既往歴を確認し、尿検査を行うことが一般的です。必要に応じて採血、残尿測定、超音波、尿流測定、CT、内視鏡などを追加します。全員に同じ検査を行うわけではなく、目的と負担を説明して決めます。
尿が出ないときは予約日まで待ってもよいですか?
尿意があるのにほとんど尿が出ず、下腹部が張る・痛む場合は、急性尿閉の可能性があります。予約日を待たず、当日中に医療機関へ連絡してください。発熱、強い痛み、血の塊、嘔吐、意識の変化を伴う場合は救急受診を検討します。
参考文献
- 血尿診断ガイドライン改訂委員会:血尿診断ガイドライン2023(Mindsガイドラインライブラリ)
- 日本排尿機能学会・日本泌尿器科学会:過活動膀胱診療ガイドライン[第3版]. 2022.
- 日本泌尿器科学会ほか:尿路結石症診療ガイドライン第3版. 2023.
- 厚生労働省:重篤副作用疾患別対応マニュアル「尿閉・排尿困難」(令和3年4月改定)
- Jubber I, et al. Systematic Review of the Incidence of and Risk Factors for Urothelial Cancers and Renal Cell Carcinoma Among Patients with Haematuria. Eur Urol. 2022. PMID: 35393159
- Mellick LB, et al. A Systematic Review of Testicle Survival Time After a Torsion Event. Pediatr Emerg Care. 2019. PMID: 28953100
- Kranz J, et al. European Association of Urology Guidelines on Urological Infections: Summary of the 2024 Guidelines. Eur Urol. 2024. PMID: 38714379
- Fink HA, et al. Prevention of Recurrent Nephrolithiasis in Adults and Children: A Systematic Review. Ann Intern Med. 2026. PMID: 41871357
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