救急車が来るまでにすることは?応急手当・持ち物・引き継ぎの準備
通報後は、観察と応急手当を先に。持ち物や玄関の準備は、余裕がある人が行います。
救急車を待つ間は、119番の指示を聞き、本人の反応と呼吸を観察し、必要な応急手当を最優先します。反応がなく普段どおりの呼吸がない・分からない場合は胸骨圧迫を始めます。持ち物や玄関の準備は手当を妨げない範囲で行い、通報後に悪化したら119番へすぐ伝えてください。[1][3]
最初は持ち物より、119番の指示と本人の観察
119番通報を終えた後も、本人の状態は変わることがあります。担当者から指示があれば、その内容に沿って観察や応急手当を続けてください。可能なら電話をスピーカーにして両手を使えるようにし、呼びかけへの反応と普段どおりの呼吸があるかを確かめます。[1][3]
複数人いる場合は、「本人のそばで手当をする人」「電話をする人」「玄関や持ち物を準備する人」を分けると動きやすくなります。一人の場合は、本人から長く離れず、応急手当を優先してください。すべてをそろえてから救急隊を迎える必要はありません。
準備中に反応がなくなった、呼吸が悪くなった、出血が増えたなどの変化があれば、準備を止めて伝えます。通話中ならその場で担当者へ、すでに切っているなら119番へ再び連絡してください。何時ごろ、どのように変わったかを知らせます。[1][3]
反応がなく、普段どおりに息をしていなければ胸骨圧迫
呼びかけや軽い刺激への反応がなく、普段どおりの呼吸がない、または判断できない場合は、胸骨圧迫を始めます。胸やお腹の動きを見る時間は10秒以内を目安にし、しゃくり上げるような不規則な呼吸を正常と考えないでください。脈を探して開始を遅らせる必要はありません。[3]
成人では胸の真ん中を、約5cm沈む深さ、1分間に100〜120回の速さで、強く速く絶え間なく押します。胸が元の高さに戻るようにし、可能な限り中断を短くします。やり方に自信がなくても、119番で指示を受けながら進めてください。[3]
近くに人がいればAEDを持ってきてもらい、届いたら電源を入れ、音声案内に従います。子どもや乳児では体格に応じた方法が必要なため、年齢を担当者に伝えて指示を受けます。人工呼吸の訓練を受けて実施できる人は胸骨圧迫と組み合わせます。特に子どもや、溺水・窒息による心停止では人工呼吸の併用が望まれますが、難しい場合も胸骨圧迫を続けます。[3]
呼吸がある場合も、そばで見守り、むやみに歩かせない
反応があり呼吸もある場合は、本人が楽な姿勢を保てるようにして、変化を観察します。反応がなくても普段どおりの呼吸がある場合は、気道を保ち、状態を繰り返し確認します。吐いた物でのどが詰まるおそれがある場合などは横向きの姿勢を検討し、けがの可能性を含めて119番の指示を受けてください。[3]
けいれんがあるときは、周囲の硬い物をどけ、体を無理に押さえつけないでください。口に指やタオルなどを入れず、始まった時刻と持続時間を確認します。けいれんが止まった後も反応と呼吸を確かめ、変化を担当者に伝えます。[4]
玄関まで歩かせたり、車に乗せ直したりする前に、本人の状態を説明して指示を受けます。特に大きな事故や転落では頭や首を不用意に動かさず、現場の危険も含めて担当者へ相談します。追加の薬や飲食についても、行う前に指示を受けてください。[3]
玄関と通り道は、手当を妨げない範囲で確保する
手の空いている人がいれば、玄関の鍵を開け、オートロックや入口の場所を救急隊に知らせます。集合住宅では建物名、入口、階、部屋番号が伝わっているか確かめてください。余裕があれば玄関から本人までの通り道の物をよけます。[1][2]
道路や建物の入口で救急隊を案内する役は、本人のそばに別の人が残れる場合に分担します。一人で付き添っている場合は、遠くまで迎えに出ず、手当と観察を優先してください。玄関が開けられない、入口が分かりにくい場合は、その事情を電話で伝えます。
病院へ一緒に向かう人がいる場合も、本人の状態を知る人が救急隊へ説明できるようにします。靴や上着、帰宅用の持ち物は用意できる範囲で構いません。火元や戸締まりへの対応も、応急手当や搬送を止めないよう、家族などと分担してください。[1][2]

薬の情報と本人確認に使う物を、すぐ取れる範囲で用意
準備できる場合は、マイナ保険証または資格確認書、診察券、お薬手帳や今飲んでいる薬、本人や家族の連絡先をまとめます。乳幼児なら母子健康手帳、おむつなども候補です。これらが手元になくても、119番や応急手当を待つ理由にはなりません。[1]
- 受診・薬の情報:かかりつけ、持病、薬の名前、薬のアレルギーなど。
- すぐ使う物:携帯電話、靴、必要な眼鏡や補聴器など。
- 子どもに必要な物:母子健康手帳、おむつ、タオルなど。
薬をすべて覚えていなくても、お薬手帳や薬の袋があれば情報を伝えやすくなります。探し回らず、分かる範囲で用意してください。薬をすでに使った場合は、薬名、使った時刻、量を伝えます。事故や誤飲では、原因になった物の容器などを安全に確保できれば、救急隊に見せてください。[1][2]
救急隊には、起きたこと・変化・行った手当を渡す
救急隊が到着したら、本人に何が起きたか、いつ始まったか、到着までにどのように変わったか、どんな手当をしたかを伝えます。持病、使っている薬、かかりつけの医療機関なども、分かる範囲で補ってください。観察した事実と、推測している原因は分けて説明します。[1]
メモする余裕があれば、時刻と変化を短く残すと引き継ぎに使えます。たとえば「食事中に突然話しにくくなった」「何時からけいれんし、何時に止まった」「何時に薬を使った」といった情報です。正確な時刻が不明なら、不明と伝えれば構いません。
胸骨圧迫などの手当をしている場合は、救急隊が来たという理由だけで中断せず、引き継ぎの指示に従います。搬送先の希望やかかりつけがあれば伝えられますが、本人の状態と受け入れ体制に応じて調整されるため、希望どおりになるとは限りません。[3][5]
よくある質問
救急車が遅いと感じたら、迎えに出た方がよいですか?
本人を一人にして遠くまで迎えに出ることは避けてください。別の人がいるなら案内を分担できます。状態が変わった、入口の説明が足りなかったなどの新しい情報は119番へ伝え、指示を受けてください。
症状が軽くなったので、救急車を断ってよいですか?
自己判断で連絡を絶たず、119番へ症状の変化を伝えて相談してください。いったん軽くなっても緊急の評価が必要な場合があります。救急隊が到着したら、最初の症状から現在までの経過を説明します。
資格確認書や財布が見つからない場合はどうしますか?
探し物で応急手当や搬送を遅らせず、見つからないことを救急隊へ伝えてください。手元にある診察券や薬の情報、本人や家族の連絡先を用意できれば渡します。後からの持参などは医療機関の案内に従います。
参考文献
本記事は一般的な医療情報を目的とし、個別の診断や治療に代わるものではありません。症状や対応は医師・救急隊・通信指令員の指示に従ってください。執筆:Xmedia編集部。
TOCグループ
医療法人御照会を中心に、対面診療・オンライン診療・医療情報・医療機関支援を行うグループです。
