NIPTで分かること
結果と検査の限界
NIPTの対象となる3つの染色体の病気と、陽性・陰性・判定保留の意味を解説します。検査精度と陽性的中率の違い、確定的検査が必要な理由、結果後の相談と健診の続け方を整理します。
NIPTは、母体の血液中にある胎盤由来のDNA断片から、特定の染色体の病気の可能性を調べる検査です。認証施設での対象は21・18・13トリソミーで、症状の重さやすべての病気は分かりません。陽性は確定診断ではなく、陰性も赤ちゃんの健康全体を保証しないため、結果は遺伝カウンセリングで確認します。[1][2]
NIPTが調べる3つの染色体の病気
染色体は遺伝情報を持つ構造です。トリソミーは、通常2本の染色体が3本ある状態を指します。日本の認証制度でNIPTの対象となるのは、21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー、13トリソミーです。[2]
採血で分析するDNAには胎盤由来のものが含まれます。胎盤と胎児の情報が常に完全に同じとは限らず、NIPTは胎児の細胞を直接調べる確定的検査とは位置づけが異なります。採血による検査であっても、結果の解釈には専門的な説明が必要です。[2][1]
検査の対象を増やすサービスがあっても、病気ごとの精度や検査後の確認方法が十分に確立しているかは別に検討する必要があります。認証制度が対象とする3疾患と、追加の検査項目をひとまとめに考えないようにします。[1]
分からないことを先に確認する
- 対象の病気がある場合の、症状の程度や出生後に必要となる支援の全体。
- 対象外の染色体や遺伝子に関する病気、体の形や臓器の病気のすべて。
- 将来の発達、学び方、性格や生活の様子のすべて。
陰性という結果は、検査対象についての情報です。「すべて正常」「今後の検査が不要」という意味ではありません。通常の健診や超音波検査で別の所見が見つかったときは、NIPTが陰性でも、その所見について改めて相談します。[3][2]
「精度が高い」と「陽性なら病気がある」は違う
感度は病気がある人のうち検査で陽性になる割合、特異度は病気がない人のうち陰性になる割合です。一方、陽性的中率は陽性と判定された人のうち実際に病気がある割合です。同じ「精度」という言葉だけで比較すると、何の数字なのか分からなくなります。[2]
陽性的中率は検査の性能だけでなく、対象の病気や、検査前にその病気がある可能性によって変わります。広告の「99%」などを、自分が陽性だったときの確率としてそのまま受け取らないでください。説明では、対象の病気と自分の状況に合った数字を確認します。[2]
結果の説明では、「陽性だった」という言葉から、すでに診断が決まったと受け止めていないかを確認します。結果票の対象疾患、検査前の説明との違い、追加検査を待つ間の不安を分けて整理することが、次の相談につながります。ただし、本人の反応や年齢だけから、結果の確かさや選びたい対応を推測することはできません。
3つの結果と次の確認
陽性の場合、診断を確かめるには羊水検査などの確定的検査が必要です。受ける検査は週数や超音波所見などを踏まえて相談します。NIPTの結果だけを根拠に、妊娠に関する重大な判断をしないでください。[2][1]
判定保留は「問題がない」という結果ではありません。再採血でも必ず結果が出るとは限らないため、結果待ちの時間を含めて次の方針を確認します。陰性でも、新たな超音波所見や心配があれば担当医へ伝えます。[2]
結果説明で聞いておきたいこと
- どの病気について、どの結果が出たのか。
- 結果の確かさを、どの条件に基づいて説明しているのか。
- 追加検査を受ける場合と受けない場合の見通し。
- 予約先、説明日、費用、結果を待つ間の連絡先。
- 診断がついた場合に、出産後の医療や生活を相談できる相手。

結果票は、可能であれば写しを受け取って次の受診へ持参します。結果の数字だけで気持ちが整理できるとは限りません。遺伝医療の専門職や小児科、地域の支援につながる相談を続けられます。[4][3]
予約の前に整理したい場合は、NIPTの時期・費用と予約時の確認点も参考にしてください。
よくある質問
NIPTが陽性なら、もう一度NIPTを受ければ確定しますか?
NIPTは非確定的検査であり、繰り返すだけで確定診断にはなりません。診断を確認する検査とその時期について、遺伝カウンセリングで相談してください。
陰性なら超音波検査を受けなくてよいですか?
いいえ。NIPTと超音波検査では調べる内容が異なります。通常の妊婦健診を続け、超音波などで別の所見があれば改めて相談します。
判定保留は陽性という意味ですか?
陽性でも陰性でもなく、結果を出せなかったという意味です。再採血や別の検査などの選択肢を、妊娠週数と状況に合わせて相談します。
参考文献
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