- ✓ 関節痛は変形性関節症や関節リウマチなど様々な原因で発生し、適切な診断が重要です。
- ✓ 症状に応じた市販薬や医療機関での治療法があり、生活習慣の改善も治し方として有効です。
- ✓ 関節痛に加えて発熱や皮疹など他の症状がある場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。
関節痛は、関節の炎症や損傷によって引き起こされる痛みであり、日常生活に大きな影響を与えることがあります。その原因は多岐にわたり、適切な診断と治療が重要です。
膝・股関節・肩などの大きな関節の痛みとは?

膝、股関節、肩といった大きな関節の痛みは、体重負荷や繰り返しの動作が原因となることが多く、特に変形性関節症や関節の使いすぎによる炎症が主な要因です。
変形性関節症が膝・股関節・肩などの大きな関節の痛みの原因となる?
変形性関節症は、関節軟骨がすり減り、骨が変形することで痛みや炎症が生じる疾患です。特に膝関節や股関節に多く見られ、加齢や肥満、過度な運動などがリスク因子となります[1]。初期には動作開始時の痛みやこわばりが現れ、進行すると安静時にも痛みを感じるようになります。薬局での服薬指導の際、「膝が痛くて階段の昇り降りがつらい」といった相談を受けることが多く、特に高齢の患者さんに多い印象です。
- 変形性関節症(Osteoarthritis)
- 関節軟骨の変性・摩耗により、関節の痛みや機能障害が生じる疾患。加齢とともに発症リスクが高まる。
肩関節の痛み(五十肩・腱板損傷)の治し方は?
肩関節の痛みは、五十肩(肩関節周囲炎)や腱板損傷などが主な原因です。五十肩は、肩関節の周囲組織に炎症が起こり、痛みと可動域制限が生じる疾患で、特に40〜60代に多く見られます[3]。腱板損傷は、肩を動かす腱が断裂することで、痛みや筋力低下が起こります。実際の処方パターンとして、五十肩の初期段階では非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や温熱療法、リハビリテーションが一般的です。薬局での経験上、肩の痛みで来局される患者さんには、痛みの種類や可動域の制限について詳しく伺い、適切な受診勧奨を行うように注意が必要です。
大きな関節の痛みの治療法と市販薬は?
大きな関節の痛みに対する治療法は、原因疾患によって異なります。変形性関節症の場合、初期には保存療法として、鎮痛剤(NSAIDsなど)の内服や外用薬、ヒアルロン酸の関節内注射、運動療法、装具療法などが行われます。進行した場合には手術(人工関節置換術など)も検討されます。市販薬としては、イブプロフェンやロキソプロフェンを主成分とする内服薬や、フェルビナク、インドメタシンなどを配合した湿布や塗り薬が利用可能です。これらの市販薬は一時的な痛みの緩和に役立ちますが、症状が続く場合は医療機関を受診することが重要です。
手指・全身の複数の関節の痛みとは?
手指や全身の複数の関節に痛みが生じる場合、関節リウマチや膠原病といった自己免疫疾患の可能性があり、早期発見と専門的な治療が求められます。
関節リウマチが手指・全身の複数の関節の痛みの原因となる?
関節リウマチは、自己免疫疾患の一つで、免疫系が誤って自身の関節を攻撃し、炎症を引き起こすことで痛み、腫れ、変形が生じる病気です。特に手指や足の指の関節に左右対称に痛みやこわばりが現れることが特徴です。朝のこわばりが30分以上続く場合や、複数の関節に痛みが広がる場合は、関節リウマチの可能性を考慮し、専門医の診察を受ける必要があります。調剤の現場では、関節リウマチの患者さんから、免疫抑制剤や生物学的製剤に関する質問を受けることが多く、これらの薬剤は効果が高い一方で、感染症のリスク管理が重要であることをお伝えしています。
| 特徴 | 変形性関節症 | 関節リウマチ |
|---|---|---|
| 主な原因 | 関節軟骨の摩耗、加齢 | 自己免疫反応 |
| 好発部位 | 膝、股関節、脊椎、手指(DIP関節) | 手指(PIP, MCP関節)、足指、手首など全身の関節 |
| 対称性 | 非対称性が多い | 対称性が多い |
| 朝のこわばり | 短時間(数分程度) | 長時間(30分以上) |
| 全身症状 | ほとんどなし | 倦怠感、微熱、食欲不振など |
その他の全身性関節痛の原因と治し方は?
全身の関節痛は、関節リウマチ以外にも様々な膠原病(全身性エリテマトーデス、強皮症、多発性筋炎など)や、ウイルス感染症、痛風、偽痛風、乾癬性関節炎などによっても引き起こされます。これらの疾患は、それぞれ特徴的な症状や検査所見を伴うため、専門医による鑑別診断が不可欠です。治療は、原因疾患に応じた薬物療法(免疫抑制剤、ステロイド、非ステロイド性抗炎症薬など)が中心となります。手指・全身の複数の関節の痛みに関する治療では、痛みのコントロールだけでなく、病気の進行を抑えることが重要です。
関節痛の応急処置・市販薬・受診先とは?

関節痛に突然襲われた際の応急処置や、症状に応じた市販薬の選び方、そして適切な医療機関の受診タイミングについて理解しておくことは、痛みの管理において非常に重要です。
関節痛の応急処置と日常生活での治し方は?
急な関節痛に対しては、まず安静にすることが基本です。炎症を伴う場合は、患部を冷やすことで痛みが和らぐことがあります。痛みが慢性的な場合は、温めることで血行を促進し、筋肉の緊張を和らげることが有効な場合もあります。また、関節に負担をかけないような姿勢や動作を心がけ、適切な運動で関節周囲の筋力を維持することも重要です。服薬指導の際に「どのような時に痛みますか?」と質問される患者さんが多くいらっしゃいますが、痛みの状況に応じて、冷やすか温めるかをアドバイスすることがあります。炎症が強い急性期には冷やす、慢性的な痛みには温める、というのが基本的な考え方です。
関節痛に効く市販薬の選び方と注意点は?
市販薬には、内服薬と外用薬があります。内服薬では、イブプロフェンやロキソプロフェンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が痛みを抑える効果を期待できます。これらの薬剤にはジェネリック医薬品も存在し、薬局で購入可能です。外用薬としては、湿布や塗り薬があり、フェルビナク、インドメタシン、ジクロフェナクナトリウムなどが配合されています。これらの市販薬は、用法・用量を守って使用することが大切です。添付文書の記載に準拠し、例えばロキソプロフェンナトリウム水和物(内服薬)の場合、通常、成人には1回60mgを1日2回まで、頓用として1回60mgを1日2回まで服用とされています。ただし、原則として1日2回までとし、再度症状が現れた場合には服用間隔を4時間以上あける必要があります。また、胃腸障害やアレルギー反応などの副作用に注意し、症状が改善しない場合や悪化する場合は速やかに医療機関を受診してください。
市販薬はあくまで一時的な症状緩和を目的としており、根本的な治療にはなりません。特に、痛みが強い、腫れや熱を伴う、関節の変形が見られる、全身症状があるなどの場合は、自己判断せずに医療機関を受診してください。
関節痛は何科を受診すべき?
関節痛の原因は多岐にわたるため、適切な診療科を選ぶことが重要です。一般的な関節の痛みであれば、整形外科が専門となります。関節リウマチや膠原病が疑われる場合は、リウマチ科や膠原病内科を受診しましょう。また、感染症が原因の場合は内科、痛風の場合は内科や整形外科が対応します。どの科を受診すべきか迷う場合は、まずはかかりつけ医に相談し、適切な医療機関を紹介してもらうのが良いでしょう。薬局では、患者さんの症状を詳しく伺い、適切な受診先を提案することも大切な役割だと考えています。
症状の掛け合わせ(関節痛+〇〇)とは?
関節痛に加えて他の症状が同時に現れる場合、より複雑な病態が背景にある可能性があり、注意深い観察と診断が求められます。
関節痛と発熱・皮疹を伴う場合の治し方は?
関節痛に発熱や皮疹(皮膚の発疹)が伴う場合、単なる関節の使いすぎではなく、全身性の炎症性疾患や感染症が疑われます。例えば、関節リウマチや全身性エリテマトーデスなどの膠原病では、関節痛に加えて発熱や特徴的な皮疹が見られることがあります。また、ウイルス感染症(風疹、パルボウイルスB19感染症など)でも関節痛と発熱、皮疹が同時に現れることがあります。これらの症状が同時に現れた場合は、速やかに医療機関(内科、リウマチ科など)を受診し、原因を特定することが重要です。自己判断で市販薬を使用するだけでは、病気の進行を見逃してしまうリスクがあります。添付文書の記載と実臨床では、発熱を伴う関節痛の場合、単なる鎮痛だけでなく、基礎疾患の治療が優先されるという点で違いが見られます。
関節痛と倦怠感を伴う場合の治し方は?
関節痛に加えて強い倦怠感や疲労感が続く場合も、全身性の疾患が隠れている可能性があります。関節リウマチや膠原病の初期症状として、関節痛とともに倦怠感が現れることは少なくありません。また、慢性疲労症候群や甲状腺機能低下症など、関節痛とは直接関係ないように見えても、全身症状として関節痛を伴う疾患も存在します。これらの症状が続く場合は、内科やリウマチ科を受診し、血液検査などで原因を調べることが大切です。栄養療法や抗炎症作用のある食事(例: 地中海食)が、関節リウマチ患者の痛み軽減に寄与する可能性も示唆されています[2]。
薬の副作用による関節痛もある?
一部の薬剤は、副作用として関節痛を引き起こすことがあります。例えば、乳がん治療に用いられるアロマターゼ阻害薬は、関節痛や筋肉痛を副作用として発現することが知られています[4]。また、コレステロールを下げるスタチン系薬剤や、一部の抗菌薬なども関節痛を副作用として報告されることがあります。もし、新しい薬を飲み始めてから関節痛が現れた場合は、その薬剤が原因である可能性を考慮し、処方医や薬剤師に相談してください。自己判断で薬の服用を中止せず、専門家のアドバイスを仰ぐことが重要です。薬局では、患者さんが「この薬を飲み始めてから関節が痛くなった気がする」と相談された場合、薬剤の副作用の可能性を考慮し、医師への情報提供や代替薬の検討を促すことがあります。
まとめ

関節痛は、変形性関節症、関節リウマチ、五十肩、腱板損傷、その他の全身性疾患など、多岐にわたる原因によって引き起こされます。症状が膝、股関節、肩といった大きな関節に限定される場合と、手指や全身の複数の関節に及ぶ場合とでは、疑われる疾患が異なります。急な痛みには市販の鎮痛剤や湿布が有効な場合もありますが、症状が改善しない場合や、発熱、皮疹、倦怠感といった他の症状を伴う場合は、速やかに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが重要です。整形外科、リウマチ科、内科など、症状に応じた専門医の診察を受けることで、痛みの原因を特定し、適切な治し方を見つけることができます。
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オンライン診療を予約する(初診料無料)よくある質問(FAQ)
- Allan C Gelber. Knee Osteoarthritis.. Annals of internal medicine. 2024. PMID: 39250809. DOI: 10.7326/ANNALS-24-01249
- Katja A Schönenberger, Anne-Catherine Schüpfer, Viktoria L Gloy et al.. Effect of Anti-Inflammatory Diets on Pain in Rheumatoid Arthritis: A Systematic Review and Meta-Analysis.. Nutrients. 2022. PMID: 34959772. DOI: 10.3390/nu13124221
- Martin J Kelley, Michael A Shaffer, John E Kuhn et al.. Shoulder pain and mobility deficits: adhesive capsulitis.. The Journal of orthopaedic and sports physical therapy. 2014. PMID: 23636125. DOI: 10.2519/jospt.2013.0302
- Tara Hyder, Christopher C Marino, Sasha Ahmad et al.. Aromatase Inhibitor-Associated Musculoskeletal Syndrome: Understanding Mechanisms and Management.. Frontiers in endocrinology. 2022. PMID: 34385978. DOI: 10.3389/fendo.2021.713700
- イブプロフェン(イブプロフェン)添付文書(JAPIC)
- ロキソニン(ロキソプロフェン)添付文書(JAPIC)
