【むくみ 原因 解消法】むくみ 原因・解消法|薬剤師が解説する完全ガイド

むくみ 原因 解消法
最終更新日: 2026-04-09
📋 この記事のポイント
  • ✓ むくみには日常的なものと病気が原因のものがあり、原因に応じた対処が必要です。
  • ✓ 生活習慣の改善や市販薬で対処できるむくみもあれば、医療機関での精密検査が必要なむくみもあります。
  • ✓ むくみに加えて他の症状がある場合は、速やかに医療機関を受診することが重要です。
※ 本記事は医療に関する情報提供を目的としています。個別の症状については、かかりつけの医療機関にご相談ください。

手足や顔のむくみは、多くの人が経験する症状であり、その原因は多岐にわたります。体内の水分バランスが崩れることで生じますが、その背景には生理的なものから、重大な病気が隠れているケースまで様々です。この記事では、むくみのメカニズムから、日常で起こりやすいむくみの原因と対処法、そして注意すべき病的なむくみのサインについて、薬剤師の視点から詳しく解説します。

日常的なむくみ(生理的浮腫)とは?その原因と対処法

足のむくみ解消に効果的なマッサージとストレッチのやり方
むくみ解消のための足マッサージ

日常的なむくみ、いわゆる生理的浮腫は、病気ではないものの、生活習慣や体質によって一時的に体内の水分が滞留することで起こる状態を指します。特に女性に多く見られ、夕方になると足がパンパンになる、顔が腫れぼったいといった症状が特徴です。

日常的なむくみの主な原因は何ですか?

生理的浮腫の主な原因は、以下のような生活習慣や身体的変化に関連しています。

  • 長時間同じ姿勢での作業: デスクワークや立ち仕事など、長時間同じ姿勢でいると、重力の影響で血液やリンパ液の循環が悪くなり、下肢に水分が滞留しやすくなります。
  • 塩分の過剰摂取: 塩分を摂りすぎると、体内のナトリウム濃度が高まり、それを薄めようと体が水分をため込みやすくなります。
  • 運動不足: 筋肉の活動は、血液やリンパ液を心臓に戻すポンプの役割を果たします。運動不足は、このポンプ機能の低下につながり、むくみを引き起こします。
  • 冷え: 体が冷えると血管が収縮し、血行が悪くなることでむくみやすくなります。
  • 女性ホルモンの影響: 月経前や妊娠中は、女性ホルモンのバランスが変化し、体内の水分が蓄積しやすくなるため、むくみを感じやすくなります[3]。特に妊娠後期には、子宮が大きくなることで下肢の血管が圧迫され、むくみが生じやすくなります。
  • 睡眠不足や疲労: 自律神経の乱れや血行不良を招き、むくみの原因となることがあります。

薬局での経験上、特に女性の患者さんから「生理前になると足がむくんで靴がきつくなる」「立ち仕事の後に足がパンパンになる」といった相談を多く受けます。これはまさに生理的浮腫の典型的な症状です。

日常的なむくみの解消法と予防策

生理的浮腫は、日々の生活習慣を見直すことで改善や予防が可能です。

  • 適度な運動: ウォーキングやストレッチなど、軽い運動を習慣にすることで血行が促進され、むくみの改善に役立ちます。特にふくらはぎの筋肉を動かすことは、下肢の血液を心臓に戻すポンプ作用を高めます。
  • 塩分摂取量の見直し: 加工食品や外食を控え、薄味を心がけることで、体内の水分貯留を抑えられます。カリウムを多く含む食品(野菜、果物など)は、体内の余分なナトリウム排出を助ける作用があります。
  • 体を温める: シャワーだけでなく湯船に浸かる、温かい飲み物を摂るなどして体を温めると、血行が改善されむくみが和らぎます。
  • 適切な睡眠と休息: 十分な睡眠をとり、疲労をためないことも重要です。寝る前に足を高くして休むのも効果的です。
  • 着圧ソックスの活用: 長時間立ち仕事をする方や、飛行機での移動が多い方には、段階着圧ソックスが有効です。外部から適度な圧力をかけることで、下肢の血液循環をサポートします。
⚠️ 注意点

生理的浮腫であっても、急にむくみが強くなったり、片足だけがむくんだりする場合は、病的なむくみの可能性も考慮し、医療機関を受診することをお勧めします。

病気が原因の危険なむくみ(病的浮腫)とは?その見分け方

むくみの中には、何らかの病気が原因で生じる「病的浮腫」と呼ばれるものがあります。これは体の重要な臓器の機能低下を示唆している場合があり、早期発見と適切な治療が非常に重要です。

病的浮腫を引き起こす主な病気には何がありますか?

病的浮腫は、主に以下の病気によって引き起こされることがあります。

  • 心臓病(心不全など): 心臓のポンプ機能が低下すると、全身に血液を十分に送り出せなくなり、血液がうっ滞してむくみが生じます。特に足のむくみや息切れを伴うことが多いです。
  • 腎臓病(ネフローゼ症候群など): 腎臓の機能が低下すると、体内の余分な水分や塩分を排出できなくなり、むくみが現れます。特にネフローゼ症候群では、尿中に大量のタンパク質が漏れ出し、血液中のタンパク質濃度が低下することで、全身に強いむくみが生じます[2]。顔や目の周りにもむくみが出やすいのが特徴です。
  • 肝臓病(肝硬変など): 肝臓の機能が低下すると、血液中のアルブミン(タンパク質の一種)の合成が減少し、血管内の水分を保持する力が弱まるため、むくみや腹水が生じやすくなります。
  • 甲状腺機能低下症: 甲状腺ホルモンの分泌が低下すると、代謝が悪くなり、皮膚の下にムコ多糖という物質が蓄積してむくみ(粘液水腫)を引き起こします。顔や手足にむくみが見られ、皮膚を押しても跡が残りにくいのが特徴です。
  • 深部静脈血栓症: 足の深部の静脈に血栓ができる病気です。片足だけが急にむくみ、痛みや熱感を伴うことがあります。放置すると肺塞栓症などの重篤な合併症を引き起こす可能性があります。
  • 薬剤性浮腫: 一部の薬剤の副作用としてむくみが生じることがあります。例えば、降圧剤の一部(カルシウム拮抗薬)、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、ステロイド薬、糖尿病治療薬の一部などが挙げられます[1]。服薬指導の際に「この薬を飲み始めてから足がむくむようになった」と質問される患者さんが多くいらっしゃいます。薬剤師としては、服用中の薬とむくみの関連性を確認し、必要に応じて医師への情報提供を行うことが重要です。

日常的なむくみと病的なむくみの見分け方

ご自身のむくみが生理的なものか、病的なものかを見分けるためのポイントを以下にまとめました。

項目日常的なむくみ(生理的浮腫)病的なむくみ(病的浮腫)
発生の仕方一時的、夕方や特定の状況で悪化持続的、急激に悪化、常に存在する
部位両足、顔全体など対称的片足だけ、全身、目の周りなど特定の部位に顕著
圧痕指で押すと跡が残るが、比較的早く消える深く跡が残り、なかなか消えない、または跡が残りにくい(粘液水腫)
随伴症状特になし、または軽い倦怠感息切れ、胸の痛み、体重増加、尿量の変化、発熱、痛み、皮膚の変色など
改善の目安生活習慣の改善で和らぐことが多い自然には改善せず、原因疾患の治療が必要

これらの症状が見られる場合は、自己判断せずに医療機関を受診し、適切な診断を受けることが重要です。特に、むくみが急激に悪化したり、全身に広がる場合、あるいは息苦しさや胸の痛みなど、他の重篤な症状を伴う場合は、緊急性が高いため速やかに受診してください。

むくみの応急処置・市販薬・受診先は?

むくみ症状を和らげる市販薬と専門医への相談の目安
むくみ応急処置と市販薬

むくみが生じた際の応急処置や、市販薬での対応、そして医療機関を受診する目安について解説します。適切な対処法を知ることで、症状の緩和や早期の病気発見につながります。

むくんだ時の応急処置とセルフケア

日常的なむくみに対しては、自宅でできる応急処置やセルフケアが有効です。

  • 足を高くして休む: 寝る時や休憩中に、クッションなどを使って足を心臓より高い位置に置くと、重力によって滞留した水分が戻りやすくなります。
  • マッサージ: 足の指先から心臓に向かって優しくマッサージすることで、血行やリンパの流れを促進します。特にふくらはぎは「第二の心臓」とも呼ばれるため、重点的にマッサージすると良いでしょう。
  • ストレッチや軽い運動: 長時間同じ姿勢でいた場合は、定期的に立ち上がって足首を回したり、ふくらはぎのストレッチをしたりすることで、血行不良を防げます。
  • 温める: 足浴や半身浴で体を温めると、血管が広がり血行が促進されます。
  • 着圧ソックスの着用: 特に立ち仕事や長時間の移動の際には、適切な圧の着圧ソックスを着用することで、むくみを予防・軽減できます。

薬局では、むくみ対策として着圧ソックスやマッサージ用品について尋ねられることも多いです。適切なサイズや使用方法をアドバイスすることで、患者さんの快適な生活をサポートできます。

むくみに効果が期待できる市販薬・漢方薬

市販薬や漢方薬の中には、むくみの改善に役立つとされるものがあります。ただし、これらはあくまで一時的な症状緩和を目的としたものであり、病的なむくみには対応できません。

利尿作用のある漢方薬
体内の余分な水分を排出する作用があるとされる漢方薬です。代表的なものに「防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)」や「五苓散(ごれいさん)」などがあります。体質や症状に合わせて選ぶことが重要です。薬剤師に相談して、ご自身に合ったものを選ぶようにしましょう。
ビタミンB群
特にビタミンB1は、糖質の代謝に関与し、不足すると乳酸などの疲労物質が蓄積しやすくなり、むくみの一因となることがあります。サプリメントとして摂取することも可能です。
⚠️ 注意点

市販薬やサプリメントを使用する際は、必ず添付文書をよく読み、用法・用量を守ってください。持病がある方や他の薬を服用している方は、薬剤師や医師に相談してから使用しましょう。特に、腎臓病や心臓病がある方が自己判断で利尿作用のある薬を服用すると、病状を悪化させる可能性があります。

むくみで受診すべき医療機関はどこですか?

むくみが続く場合や、上記で述べた病的浮腫のサインが見られる場合は、速やかに医療機関を受診することが重要です。受診すべき診療科は、むくみの原因によって異なりますが、まずはかかりつけ医や内科を受診するのが一般的です。

  • 内科: 全身のむくみ、原因不明のむくみ、心臓病や腎臓病、肝臓病などの疑いがある場合。
  • 循環器内科: 息切れ、胸の痛みなど心臓病の症状を伴うむくみの場合。
  • 腎臓内科: 尿量の変化、目の周りのむくみなど腎臓病の症状を伴うむくみの場合。
  • 内分泌内科: 甲状腺機能低下症などホルモン異常が疑われる場合。
  • 皮膚科: 特定の皮膚疾患によるむくみや、アレルギー反応によるむくみの場合。

薬剤師として、患者さんが「どの診療科に行けば良いか分からない」と悩んでいる場合、症状を詳しく聞き取り、適切な受診先をアドバイスすることも重要な役割です。

症状の掛け合わせ(むくみ+〇〇)でわかる危険なサイン

むくみは単独で現れることもありますが、他の症状と組み合わさることで、特定の病気の可能性を強く示唆する危険なサインとなることがあります。これらの複合的な症状を見逃さないことが、早期診断と治療につながります。

むくみと合わせて注意すべき症状の組み合わせ

むくみに加えて、以下の症状が見られる場合は、速やかに医療機関を受診してください。

  • むくみ + 息切れ・呼吸困難・胸の痛み: 心臓の機能が低下している可能性(心不全など)があります。心臓が血液を全身に十分に送り出せないため、肺に水分がたまりやすくなり、呼吸器症状を伴うことがあります。夜間に息苦しさが増す「起座呼吸」も特徴的です。
  • むくみ + 尿量の減少・血尿・泡立つ尿: 腎臓の機能が低下している可能性(腎不全、ネフローゼ症候群など)があります。腎臓が老廃物や余分な水分を排出できなくなり、全身にむくみが生じます。特に目の周りや顔にむくみが出やすいです。
  • むくみ + 黄疸・全身倦怠感・腹水: 肝臓の機能が低下している可能性(肝硬変など)があります。肝臓でのタンパク質合成能力が落ち、血管内の水分保持ができなくなることで、むくみや腹水が生じます。
  • むくみ + 片足の痛み・熱感・皮膚の変色: 深部静脈血栓症の可能性があります。血栓によって血液の流れがせき止められ、片足だけに急激なむくみと痛みが生じます。早期に治療しないと、血栓が肺に飛んで肺塞栓症を引き起こす危険があります。
  • むくみ + 体重の急激な増加: 体内に大量の水分が蓄積しているサインです。心臓病や腎臓病など、様々な病気が原因となる可能性があります。
  • むくみ + 発熱・皮膚の発赤・痛み: 蜂窩織炎(ほうかしきえん)などの感染症や炎症が原因の可能性があります。皮膚の細菌感染によって炎症が起こり、むくみや熱感、痛みを伴います。

実際の処方パターンとして、心不全の患者さんには利尿薬が処方されることが多く、むくみの改善とともに息切れが楽になるという声を聞くことがあります。これは、余分な水分を体外に排出することで、心臓への負担を軽減しているためです。

薬剤性浮腫とその対応

特定の薬剤の副作用としてむくみが生じることもあります。これを薬剤性浮腫と呼びます。薬剤師は、患者さんの服薬歴とむくみの症状を照らし合わせ、薬剤性浮腫の可能性を考慮します。

  • 主な原因薬剤: カルシウム拮抗薬(降圧剤)、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、ステロイド薬、糖尿病治療薬の一部(チアゾリジン誘導体)、抗がん剤の一部(例: ペメトレキセドによる眼瞼浮腫など[1])などが挙げられます。
  • 対応: 薬剤性浮腫が疑われる場合は、自己判断で服用を中止せず、必ず医師や薬剤師に相談してください。医師は、薬剤の変更や減量、あるいはむくみ対策の薬剤の追加などを検討します。添付文書の記載と実臨床では、副作用の発現頻度や重症度に違いが見られることもあり、個々の患者さんの状態に応じた慎重な判断が必要です。

慢性的なむくみで悩んでいる方は、現在服用している薬が原因である可能性も考慮し、お薬手帳を持参して薬剤師に相談してみることをお勧めします。

まとめ

むくみの原因と解消法をまとめたチェックリスト
むくみ対策のまとめリスト

むくみは、日常的な生理現象から、心臓、腎臓、肝臓、甲状腺などの重要な臓器の病気、さらには薬剤の副作用まで、様々な原因で引き起こされる症状です。一時的なむくみであれば、生活習慣の改善やセルフケア、市販薬で対応できることが多いですが、むくみが持続したり、他の症状を伴う場合は、病的なむくみの可能性を疑い、速やかに医療機関を受診することが重要です。特に、息切れ、胸の痛み、尿量の変化、片足だけの急激なむくみなどは、重篤な病気のサインである可能性があるため、見逃さずに専門医の診察を受けるようにしてください。ご自身のむくみの状態を正確に把握し、適切な対処法を選択することが、健康維持の第一歩となります。

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よくある質問(FAQ)

むくみやすい体質を改善するにはどうすれば良いですか?
むくみやすい体質を改善するためには、規則正しい生活習慣を心がけることが重要です。具体的には、適度な運動(特にふくらはぎを動かす運動)、塩分を控えたバランスの取れた食事、十分な水分摂取、体を冷やさない工夫、そして質の良い睡眠を確保することが挙げられます。これらの習慣を継続することで、体内の水分バランスが整いやすくなります。
市販の利尿剤はむくみに効果がありますか?
市販の利尿作用のある漢方薬やサプリメントは、一時的なむくみの緩和に役立つ可能性があります。しかし、これらはあくまで対症療法であり、むくみの根本原因を解決するものではありません。特に、心臓病や腎臓病などの持病がある方が自己判断で利尿剤を使用すると、病状を悪化させる危険性があります。必ず薬剤師や医師に相談し、ご自身の状態に合ったものを選ぶようにしてください。
妊娠中のむくみは心配ないですか?
妊娠中はホルモンバランスの変化や子宮による血管の圧迫により、むくみが生じやすいです[3]。これは生理的なもので、多くの場合心配ありません。しかし、急激なむくみ、特に顔や手のむくみ、頭痛、目のちらつき、血圧の上昇などを伴う場合は、妊娠高血圧症候群などの可能性もあるため、速やかに産婦人科を受診してください。
この記事の監修医
👨‍⚕️
今本多計臣
👨‍⚕️
木内瑛大
整形外科医