前立腺肥大症の手術|TURP・HoLEP・UroLift・Rezūmを比較

前立腺肥大症の内視鏡治療について模型を使って説明を受ける場面
UROLOGY / SURGERY & MIST

前立腺肥大症の手術・低侵襲治療の選び方

手術名の新しさではなく、前立腺の形・容積と重視する結果から選びます。

最終更新 2026.09.27監修日 2026.09.27
INDICATIONまず手術理由を確認
TRADEOFF効果と負担を比較
FOLLOW-UP再治療・性機能も確認
結論から

前立腺肥大症の手術は、尿閉、感染、膀胱結石、腎機能への影響、繰り返す血尿、薬で改善しない強い症状などで検討します。TURP・HoLEP・PVP・UroLift・Rezūmは、症状改善、出血、カテーテル、性機能、再治療、適する前立腺の形・大きさが異なります。

01

尿閉・感染・結石・腎機能への影響は重要な手術理由

救急を検討

尿がまったく出ず下腹部が強く張る、急な脚の脱力や会陰部のしびれ、意識の変化。

当日中に相談

発熱・悪寒と排尿痛、血の塊を伴う血尿、強いわき腹痛、カテーテルが出なくなった。

泌尿器科へ予約

勢い低下、夜間頻尿、残尿感が続き、睡眠・外出・仕事に支障がある。

繰り返す、または解消しない尿閉、尿が残って漏れる状態、繰り返す尿路感染、膀胱結石、前立腺からの血尿、上部尿路の拡張や腎機能への影響がある時は、手術を検討します。薬を十分試しても生活への支障が大きい場合も対象です。[1][2]

前立腺肥大症の内視鏡治療について模型を使って説明を受ける場面
図|手術・低侵襲治療は、症状改善、出血、性機能、再治療、回復期間を比べます。

手術を急ぐ度合いは、残尿、感染、腎機能、全身状態で異なります。症状が強いだけでなく、手術で改善を期待できる原因かを検査で確認します。

02

TURPは切除、HoLEPは肥大部をレーザーで核出する

TURP

経尿道的前立腺切除術

尿道から内視鏡を入れ、前立腺組織を削り取ります。長く用いられる標準的治療で、症状と尿流の改善が期待できます。

HoLEP

ホルミウムレーザー前立腺核出術

肥大した腺腫を核出し、膀胱内で細切して回収します。大きい前立腺にも対応しやすい術式です。

RCTのメタ解析では、HoLEPはTURPより手術時間が長い傾向がある一方、カテーテル留置や入院期間、出血関連の指標で利点が示されています。実際の成績は前立腺容積、抗血栓薬、施設・術者の経験でも変わります。[3]

03

PVPはレーザーで前立腺組織を蒸散する

PVP(光選択的前立腺蒸散術)はレーザーで肥大組織を蒸散し、尿道を広げます。出血リスクを考慮する人で選ばれることがあります。前立腺容積、抗血栓薬、組織を病理検査へ提出できるか、再治療の可能性を確認します。[1][2]

どの術式でも、術後の一時的な排尿痛、頻尿、血尿、尿路感染、尿閉、尿道狭窄、尿失禁などが起こり得ます。頻度と回復時期を施設の説明で確認します。

04

UroLiftとRezūmは適応を限定した低侵襲治療

UroLift
正式には経尿道的前立腺吊り上げ術(PUL)。インプラントで前立腺組織を左右へ寄せ、尿道を広げます。
Rezūm
正式には経尿道的水蒸気治療(WAVE)。水蒸気の熱で組織を縮小させます。効果が安定するまで時間がかかります。

射精機能を保ちやすい可能性や侵襲の小ささが利点ですが、全員に適するわけではありません。前立腺の形・容積、尿閉、麻酔リスク、カテーテル期間、症状改善の大きさ、再治療を比較します。[2][4][5][6]

05

「よく出る」以外に、出血・性機能・回復・再治療を比べる

期待する改善

勢い、残尿、夜間、尿閉リスクのうち何を改善したいか。

周術期の負担

麻酔、出血、カテーテル、入院、仕事復帰、抗血栓薬。

性機能

逆行性射精・射精量低下、勃起機能への影響を術式ごとに確認。

長期

再治療、尿道狭窄、尿失禁、通院と検査の予定。

診察室から

「一番新しい治療」を探すより、前立腺の形・大きさと、射精機能、入院期間、再治療のどれを重視するかを先に決めると比較しやすくなります。希望と適応が合わない時は、理由を画像や数値で説明してもらいましょう。

06

術後の血尿・排尿痛は経過を見つつ、尿閉・発熱・強い出血は連絡

術後は一時的に頻尿、急な尿意、排尿痛、少量の血尿がみられることがあります。水分、入浴、運動、飲酒、性行為、仕事復帰は術式と経過に応じた退院指示を優先します。

予定を待たず連絡する症状

尿が出ない、発熱・悪寒、血の塊が増えて排尿できない、強い痛み、息苦しさ、ふくらはぎの腫れ。カテーテルの流れが止まった時も連絡します。

同意前に持ち帰って比べる項目

候補となる術式ごとに、期待する症状改善、麻酔、手術時間、輸血・出血、カテーテル、入院、仕事復帰、射精機能、尿失禁、尿道狭窄、再治療を一枚に並べます。自分に当てはまる頻度を施設へ確認してください。

抗血栓薬を使う人は、自己判断で中止しません。処方した医師と手術担当医が、出血と血栓の両方の危険を考えて継続・休薬・再開を決めます。

前立腺がんの評価が未完了の場合や、摘出組織の病理検査が治療計画に関わる場合は、組織を回収できる術式かも確認します。低侵襲という言葉だけで選ばず、診断上必要な情報も比較します。

術後に勢いが改善しても、長く続いた頻尿や急な尿意はすぐ消えないことがあります。膀胱が落ち着くまでの見込みと、追加の膀胱治療が必要になる可能性を聞いておきます。

セカンドオピニオンを希望する場合は、超音波画像、前立腺容積、尿流・残尿、PSA、服薬歴、尿閉や感染の記録を準備します。候補術式が違う理由を比較すると、自分の優先順位を整理しやすくなります。

退院後の相談先と夜間・休日の連絡方法も確認します。血尿の程度を伝える時は、色だけでなく血の塊、尿の出やすさ、発熱、痛み、飲水と尿量を一緒に伝えます。

07

よくある質問

前立腺肥大症はどの大きさから手術ですか?

容積だけで決めません。尿閉、感染、結石、腎機能、残尿、症状、薬の効果、前立腺の形と本人の希望を合わせます。

TURPとHoLEPはどちらがよいですか?

前立腺容積、出血リスク、併用薬、施設・術者の経験などで選びます。期待する改善と合併症、回復期間を比較してください。

UroLiftやRezūmなら性機能に影響しませんか?

射精機能を保ちやすい可能性はありますが、影響がゼロとは言い切れません。適応、症状改善、カテーテル、再治療も含めて選びます。

手術後も薬は必要ですか?

多くは減量・中止を検討できますが、過活動膀胱など別の原因があれば薬が続くことがあります。自己中止せず術後評価で相談します。

08

参考文献