- ✓ ダーマペン4は微細な針で皮膚に穴を開け、自然治癒力を利用してニキビ跡を改善する治療法です。
- ✓ 治療効果を実感するには複数回の施術が必要で、一般的に3~5回程度の継続が推奨されます。
- ✓ ダウンタイムは数日程度で、赤みや腫れ、かさぶたなどが生じることがありますが、適切にケアすることで軽減できます。
ダーマペン4は、ニキビ跡治療において注目されている治療法の一つです。微細な針で皮膚に一時的な穴を開けることで、肌の自然治癒力を高め、コラーゲンやエラスチンの生成を促進し、ニキビ跡の凹凸や色素沈着を改善へと導きます。この治療法は、特にアトピー性ニキビ跡(クレーター)に対して有効性が期待されています。
ダーマペン4とは?そのメカニズムと効果

ダーマペン4は、先端に多数の極細針が装着された医療機器を使用し、肌に微細な穴を一時的に開けることで、肌の再生能力を活性化させる治療法です。このセクションでは、ダーマペン4がニキビ跡にどのように作用するのか、そのメカニズムと期待できる効果について詳しく解説します。
ダーマペン4の作用メカニズム
ダーマペン4は、髪の毛よりも細い超極細の針を高速で振動させながら皮膚に垂直に穿刺します。この微細な傷が肌の自然治癒反応を誘発し、以下のプロセスが進行します。
- 創傷治癒反応の促進: 皮膚に微細な傷ができると、体はこれを修復しようとします。この過程で、線維芽細胞が活性化され、コラーゲンやエラスチンといった肌のハリや弾力を保つ成分の生成が促進されます。
- 有効成分の浸透促進: 微細な穴は、美容液や成長因子などの有効成分が肌の奥深くまで浸透する「通り道」となります。これにより、単に塗布するだけでは得られない高い効果が期待できます。
特にニキビ跡の中でも、肌が凹んでしまう「アトピー性ニキビ跡(クレーター)」に対しては、コラーゲン生成の促進が肌のボリュームアップにつながり、凹凸の改善に寄与すると考えられています。複数の研究でも、ダーマペンによるマイクロニードリングがニキビ跡の改善に有効であることが示されています[1][2]。
- アトピー性ニキビ跡(クレーター)
- ニキビの炎症が真皮層にまで及び、組織が破壊されることで生じる肌の凹み。アイスピック型、ボックスカー型、ローリング型など、形状によって分類されます。
ダーマペン4で期待できる効果
ダーマペン4は、ニキビ跡の様々なタイプにアプローチできます。
- クレーター(凹凸)の改善: コラーゲン生成を促進し、肌の凹みを内側から持ち上げることで、滑らかな肌質を目指します。
- 色素沈着の改善: 肌のターンオーバーを促進することで、ニキビ後の赤みや茶色い色素沈着の排出を助けます。
- 肌質の改善: 毛穴の引き締め、小じわの改善、肌全体のハリ・ツヤアップなど、総合的な肌質改善効果も期待できます。
実臨床では、特に長年クレーターに悩まされていた患者さんが、ダーマペン4を数回受けることで肌の凹凸が目立たなくなり、「ファンデーションのノリが良くなった」「肌触りが滑らかになった」と喜ばれるケースをよく経験します。ただし、効果の現れ方には個人差があることを理解しておく必要があります。
ニキビ跡治療に必要な回数と期間は?
ダーマペン4によるニキビ跡治療は、1回の施術で劇的な変化を期待するものではなく、複数回の継続によって徐々に効果を実感していくことが一般的です。ここでは、治療に必要な回数の目安と、治療期間について解説します。
治療回数の目安
ニキビ跡の深さや広さ、肌の状態によって異なりますが、一般的にダーマペン4によるニキビ跡治療では、3回から5回程度の施術が推奨されることが多いです。重度のクレーターの場合や、より高い改善を目指す場合は、さらに回数を重ねることもあります。研究では、マイクロニードリングの深度を調整することで、より効果的な治療が可能であることも示唆されています[3]。
- 軽度のニキビ跡: 3回程度で改善を実感し始めることがあります。
- 中等度のニキビ跡: 5回程度の施術が目安となります。
- 重度のニキビ跡: 5回以上の施術が必要となる場合もあります。
筆者の臨床経験では、治療開始から2〜3ヶ月ほどで「肌のざらつきが減った」「少しずつ凹凸が浅くなってきた」と改善を実感される方が多いです。特に、治療の初期段階で効果を実感しにくいと感じる方もいらっしゃいますが、回数を重ねるごとに着実に肌質が変化していく傾向にあります。
治療間隔と期間
ダーマペン4の施術は、肌の回復期間を考慮し、通常3〜4週間ごとに1回のペースで行われます。これは、肌のターンオーバーのサイクルに合わせて、組織の再生を促すためです。例えば、5回の施術を受ける場合、約4〜5ヶ月程度の期間が必要となります。
| ニキビ跡の程度 | 推奨される施術回数 | おおよその治療期間 |
|---|---|---|
| 軽度 | 3回 | 約3ヶ月 |
| 中等度 | 5回 | 約5ヶ月 |
| 重度 | 5回以上 | 6ヶ月以上 |
治療効果の持続には個人差がありますが、適切な回数を継続することで、長期的な改善が期待できます。日々の診療では、「何回くらいで効果が出ますか?」と質問される患者さんも多いですが、肌の状態を診察し、患者さんの期待と現実的な治療計画を丁寧にすり合わせることが重要です。
ダーマペン4のダウンタイムと過ごし方

ダーマペン4は、肌に微細な傷をつける治療であるため、施術後に一時的なダウンタイムが生じます。ダウンタイムの症状や期間、そしてその間の適切な過ごし方について理解することは、治療を安全かつ効果的に進める上で非常に重要です。
ダウンタイムの主な症状と期間
ダーマペン4施術後のダウンタイムの症状は、針の深さや個人の肌質によって異なりますが、一般的には以下の症状が見られます。
- 赤み: 施術直後から数日間、日焼け後のような赤みが出ます。通常、2〜3日で引くことが多いですが、個人差があります。
- 腫れ・むくみ: 軽度の腫れやむくみが生じることがありますが、これも数日で落ち着きます。
- 乾燥・皮むけ: 施術後数日〜1週間程度で、肌が乾燥し、薄い皮むけが生じることがあります。これは肌のターンオーバーが促進されている証拠です。
- かさぶた・ざらつき: 稀に、微細なかさぶたができることがあります。無理に剥がさず、自然に剥がれ落ちるのを待つことが大切です。
これらの症状は、通常2〜7日程度で落ち着くことが多いです。日常診療では、施術翌日からメイクが可能になるケースが多いですが、赤みが強い場合は控えるよう指導することもあります。特に、施術直後の肌は非常にデリケートな状態であるため、適切なケアが不可欠です。
ダウンタイム中の適切な過ごし方
ダウンタイムを短縮し、良好な治療結果を得るためには、以下の点に注意して過ごすことが重要です。
- 保湿の徹底: 施術後の肌は非常に乾燥しやすいため、刺激の少ない保湿剤でしっかりと保湿することが重要です。
- 紫外線対策: 施術後の肌は紫外線の影響を受けやすいため、日焼け止めや帽子などで徹底した紫外線対策を行ってください。
- 刺激を避ける: 施術後数日間は、洗顔時にゴシゴシ擦ったり、ピーリング剤やスクラブ入りの化粧品の使用は避けてください。
- 飲酒・激しい運動の制限: 施術後24時間程度は、血行を促進する飲酒や激しい運動は控えましょう。赤みや腫れが悪化する可能性があります。
ダウンタイム中の肌は非常に敏感です。万が一、症状が長引いたり、強い痛みや発熱、化膿などの異常が見られた場合は、速やかに医療機関に相談してください。
臨床現場では、ダウンタイム中の過ごし方について患者さんから多くの質問を受けます。特に「いつからメイクできますか?」「お風呂は入れますか?」といった質問が多いですが、個々の肌の状態や施術の深さに応じて、具体的なアドバイスを提供しています。適切なアフターケアは、治療効果を最大限に引き出し、合併症のリスクを低減するために非常に重要です。
ダーマペン4の効果をさらに高める併用療法とは?
ダーマペン4単独でもニキビ跡の改善に効果が期待できますが、他の治療法と組み合わせることで、相乗効果によりさらに高い効果を目指すことができます。ここでは、代表的な併用療法についてご紹介します。
PRP(多血小板血漿)療法との併用
PRP療法は、患者さん自身の血液から採取した多血小板血漿を肌に塗布または注入する治療法です。PRPには、組織の修復や再生を促す成長因子が豊富に含まれており、ダーマペン4で開けた微細な穴からPRPを浸透させることで、肌の再生能力をさらに高めることが期待できます。研究でも、マイクロニードリングとPRPの併用がアトピー性ニキビ跡の治療において、単独療法よりも効果的である可能性が示されています[4]。
- 期待できる効果: コラーゲン・エラスチン生成のさらなる促進、肌の再生能力向上、ダウンタイムの短縮。
- 特徴: 患者さん自身の血液を使用するため、アレルギー反応のリスクが低いとされています。
薬剤(導入液)との併用
ダーマペン4の施術中に、肌の悩みに合わせた薬剤を塗布し、微細な穴から肌の深層へと浸透させることで、治療効果を高めることができます。代表的な薬剤には以下のようなものがあります。
- ヒアルロン酸: 高い保湿効果により、肌の乾燥を防ぎ、ハリと潤いを与えます。
- 成長因子: 細胞の増殖や分化を促進し、肌の再生能力を高めます。
- トラネキサム酸: 色素沈着の改善や美白効果が期待できます。
- ビタミンC誘導体: 抗酸化作用やコラーゲン生成促進作用があり、ニキビ跡の色素沈着や肌質改善に寄与します。
日常診療では、患者さんのニキビ跡の状態や肌の悩みを詳しくヒアリングし、最適な導入液を提案しています。例えば、色素沈着が気になる方にはトラネキサム酸やビタミンC誘導体を、乾燥が気になる方にはヒアルロン酸を組み合わせるなど、オーダーメイドの治療計画を立てることが可能です。
ケミカルピーリングとの併用は可能?
ダーマペン4とケミカルピーリングを同日に併用することは、肌への負担が大きくなるため、一般的には推奨されません。しかし、異なるタイミングで計画的に併用することで、それぞれの治療のメリットを活かすことができます。例えば、ケミカルピーリングで肌表面の古い角質を除去し、肌のターンオーバーを整えた後にダーマペン4を行うことで、より効果的な肌再生が期待できる場合があります。研究でも、ダーマペンとグリコール酸ピーリングの併用がニキビ跡治療に有効であると報告されています[1]。
ただし、併用を検討する際は、肌の状態を専門医が慎重に評価し、適切な間隔と方法で実施することが不可欠です。実際の診療では、患者さんの肌の回復状況を注意深く確認しながら、次の治療計画を立てるようにしています。肌への過度な刺激は、かえってトラブルを招く可能性があるため、専門医の指示に従うことが重要です。
ダーマペン4の施術を受ける際の注意点とリスク

ダーマペン4はニキビ跡治療に有効な選択肢ですが、施術を受ける前に知っておくべき注意点やリスクも存在します。安全かつ効果的に治療を進めるために、これらの情報を理解しておくことが大切です。
施術を受けられないケース
以下のような方は、ダーマペン4の施術を受けられない、または慎重な検討が必要となる場合があります。
- 重度のニキビや炎症がある場合: 炎症が悪化したり、細菌感染のリスクが高まる可能性があります。
- ケロイド体質の方: 傷跡が盛り上がるケロイドを生じやすい体質の場合、施術によってケロイドが悪化するリスクがあります。
- 妊娠中・授乳中の方: 安全性が確立されていないため、施術は推奨されません。
- 金属アレルギーの方: ダーマペン4の針は医療用ステンレス製であるため、金属アレルギーのある方は事前に申告が必要です。
- 特定の疾患をお持ちの方: 糖尿病、免疫不全、出血性疾患などをお持ちの方は、施術の可否について医師と相談が必要です。
診察の場では、これらの項目について詳細な問診を行い、患者さんの健康状態を総合的に判断します。特に、アレルギー歴や既往歴は、安全な治療のために非常に重要な情報となります。
起こりうるリスクと副作用
ダーマペン4の施術には、以下のようなリスクや副作用が考えられます。
- 赤み、腫れ、痛み: ダウンタイムの項目で述べた通り、一時的な症状です。
- 内出血: 稀に、針の刺激によって小さな内出血が生じることがありますが、数日で吸収されます。
- 色素沈着(PIH): 施術後の炎症や紫外線対策の不足により、一時的な色素沈着が生じることがあります。適切なアフターケアと紫外線対策で予防できます。
- 感染症: 施術部位の衛生管理が不十分な場合や、ダウンタイム中の不適切なケアにより、細菌感染のリスクがあります。
これらのリスクを最小限に抑えるためには、信頼できる医療機関で施術を受け、医師や看護師の指示に正確に従うことが何よりも重要です。実際の診療では、施術前にこれらのリスクについて十分に説明し、患者さんが納得した上で治療を選択できるようサポートしています。特に色素沈着は、適切なケアを怠ると長引く可能性があるため、入念な説明と指導を心がけています。
まとめ
ダーマペン4は、ニキビ跡、特にクレーター状の凹凸に悩む方にとって、効果的な治療選択肢の一つです。微細な針で肌に刺激を与えることで、肌本来の再生能力を引き出し、コラーゲンやエラスチンの生成を促進します。治療効果を実感するには複数回の施術が必要であり、一般的には3〜5回程度の継続が推奨されます。ダウンタイムは数日程度で、赤みや腫れ、乾燥などが生じますが、適切なアフターケアを行うことで、これらの症状は軽減し、良好な結果へとつながります。PRP療法や導入液との併用により、さらに高い治療効果が期待できる場合もありますが、施術を受ける前には、自身の肌の状態や健康状態を専門医に伝え、リスクや注意点について十分に理解することが重要です。ニキビ跡の改善は一朝一夕にはいきませんが、根気強く治療を続けることで、肌質の変化を実感できるでしょう。
よくある質問(FAQ)
- Amr N Saadawi, Abdulla M Esawy, Abdalla H Kandeel et al.. Microneedling by dermapen and glycolic acid peel for the treatment of acne scars: Comparative study.. Journal of cosmetic dermatology. 2019. PMID: 30548170. DOI: 10.1111/jocd.12827
- Basma Ali, Nageh ElMahdy, Nashwa Naeem Elfar. Microneedling (Dermapen) and Jessner’s solution peeling in treatment of atrophic acne scars: a comparative randomized clinical study.. Journal of cosmetic and laser therapy : official publication of the European Society for Laser Dermatology. 2020. PMID: 31495242. DOI: 10.1080/14764172.2019.1661490
- Moetaz El-Domyati, Noha H Moftah, Asmaa M Ahmed et al.. Evaluation of microneedling depth of penetration in management of atrophic acne scars: a split-face comparative study.. International journal of dermatology. 2024. PMID: 38159109. DOI: 10.1111/ijd.17006
- Sahar A Ismail, Nanis A H Khella, Doaa A E Abou-Taleb. Which is more effective in atrophic acne scars treatment microneedling alone or platelet rich plasma alone or combined both therapeutic modalities?. Dermatologic therapy. 2022. PMID: 36219518. DOI: 10.1111/dth.15925

