【コラム】韓国発の美容注射(リジュラン・ジュベルック等)の日本での評価|韓国発美容注射の日本での評価|医師が解説

韓国発美容注射の日本での評価|医師が解説
最終更新日: 2026-08-04
📋 この記事のポイント
  • ✓ リジュランやジュベルックなどの韓国発の美容注射は、肌の保水力や自己コラーゲン生成を高める治療として日本の美容医療現場で高く評価されています。
  • ✓ 各製剤は異なる有効成分(ポリヌクレオチドやポリ乳酸など)を含み、シワ改善、毛穴、ニキビ跡など目的に応じた使い分けが可能です。
  • ✓ 適切な効果を得るためには、治療メカニズムを理解した上で、複数回の治療プランやダウンタイムの管理を行うことが重要です。
※ 本記事は医療に関する情報提供を目的としています。個別の症状については、かかりつけの医療機関にご相談ください。

韓国発の美容注射(リジュラン・ジュベルック等)が日本で評価される背景とは?

近年、美容医療のトレンドは「いかにも治療した」という不自然な変化を避け、肌本来の若々しさや健康さを取り戻す「スキンブースター」へと移行しています。その牽引役となっているのが、韓国で開発され、現在日本の美容皮膚科でも定番となったリジュランやジュベルックなどの美容注射製剤です。

日本の美容医療市場において、これらの製剤がこれほどまでに高い評価と支持を得ている理由は、単にボリュームを出す従来のヒアルロン酸注入とは異なり、肌の細胞そのものを活性化させて「自己再生」を促すというコンセプトが、現代の患者ニーズに合致しているためです。また、韓国と日本は地理的・文化的な親和性が高く、韓国での臨床データやトレンドが迅速に日本国内に流入することも、普及を大きく後押ししています。

日常診療では、「SNSで韓国のスキンブースターを知り、肌のハリを取り戻したい」と相談される方が年代を問わず非常に増えています。特に、肌表面のちりめんジワや乾燥、あるいはニキビ跡による肌の凹凸に悩むものの、大がかりな手術や長期間のダウンタイムを伴う治療を避けたいという患者さんにとって、これらの注射治療は第一の選択肢として定着しつつあります。

リジュラン(サーモン注射)の特徴とメカニズム

リジュランは、サーモンのDNAから抽出された「ポリヌクレオチド(PN)」を主成分とする注入製剤です。サーモン注射とも呼ばれ、肌の自己再生能力を強力に呼び覚ますスキンブースターとして知られています。その作用は、一時的な水分補給にとどまらず、真皮層の環境を根本から整える点にあります。

ポリヌクレオチド(PN)
サーモンの精巣から抽出されたDNAを精製して得られる高分子物質。人の塩基構成と酷似しているため安全性が高く、真皮内の受容体に結合して細胞増殖や毛細血管の新生を促し、自己のコラーゲン・エラスチン合成を誘発する作用を持ちます。

リジュランがもたらす皮膚再生プロセス

リジュランを皮膚の真皮層に直接注入すると、ポリヌクレオチド(PN)が繊維芽細胞を刺激し、コラーゲンやエラスチンの生成を促進します[2]。これにより、加齢によって薄く脆くなった皮膚(真皮)の厚みが増し、肌の弾力性とバリア機能が回復します。また、皮膚の水分保持能力が劇的に高まるため、乾燥による小ジワや、目の周りの青クマ、年齢の出やすい首の横ジワなど、従来の治療ではアプローチが難しかった部位に対しても優れた効果を発揮します。

実際の臨床現場では、リジュランを注入した患者さんから「肌のキメが整い、ファンデーションのノリが格段に良くなった」「夕方になっても目元の小ジワが目立たなくなった」という喜びの声を多くいただきます。注入時にはパピュール(細かなボコボコとした膨らみ)が生じるものの、通常は24時間から48時間以内に自然に吸収されるため、日常生活への影響が少ない点も、忙しい現代人にとって継続しやすい理由の一つとなっています。

ジュベルック(PDLLA)の特徴とメカニズム

ジュベルックは、「ポリ乳酸(PDLLA:Poly-D, L-lactic acid)」と「非架橋ヒアルロン酸」を組み合わせた、次世代型のコラーゲンブースター(コラーゲン生成促進剤)です。従来のポリ乳酸(PLLA)製剤と比較して、粒子が丸く均一に設計されているため、注入後の硬結(しこり)のリスクが極めて低いという画期的な特徴を持っています。

ポリ-D,L-乳酸(PDLLA)
トウモロコシやジャガイモなどのデンプンから抽出した乳酸を重合して作られた、生体適合性・生分解性に優れた高分子素材。体内でゆっくりと二酸化炭素と水に分解されながら、周囲の線維芽細胞を持続的に刺激し、自己コラーゲンを段階的に増やしていきます。

血管新生とコラーゲン合成のメカニズム

ジュベルックの主成分であるPDLLAは、真皮組織において生分解が進む過程で微細な無菌性炎症反応を引き起こし、これが創傷治癒プロセスを活性化させます。動物実験モデルにおいても、PDLLAが毛細血管の新生(アンジオジェネシス)を促し、加齢した皮膚のコラーゲン合成を顕著に増加させることが確認されています[1]。これにより、皮膚が内側からふっくらと押し上げられ、毛穴の開きやニキビ跡の凹凸(クレーター状の瘢痕)が目立たなくなるのです。

実臨床においては、ジュベルックをニキビ跡の凹凸治療や肌全体のハリ感向上のために使用するケースが多々あります。筆者の臨床経験では、治療開始からおよそ2〜3週間を過ぎたあたりから肌のキメやふっくらとしたハリを実感される方が多く、さらに回数を重ねることで(通常3〜4回)、クレーター状のニキビ跡の底面がなだらかに上昇していく変化を観察できます。「他の治療で治らなかった毛穴やニキビ跡が目立たなくなった」と、治療へのモチベーションを維持される患者さんを日常的に拝見しています。

リジュランとジュベルックの違いとは?効果や持続期間を比較

リジュランとジュベルックは、どちらも「自己再生」を促す製剤ですが、主成分や適応となるお悩み、推奨される治療間隔などに明確な違いがあります。これらを正しく理解し、患者さま一人ひとりの肌状態に合わせて選択することが、良好な治療結果を得るための絶対条件となります。

ここでは、両製剤の特性を一覧で比較できるよう、以下のテーブルに整理しました。これらは日本の臨床現場における標準的な使用プロトコルに基づいています。

比較項目リジュラン (PN製剤)ジュベルック (PDLLA製剤)
主な成分ポリヌクレオチド(PN)ポリ-D,L-乳酸(PDLLA)+非架橋ヒアルロン酸
主な適応部位・悩み目元の小ジワ、首の横ジワ、乾燥、全顔の肌質改善ニキビ跡(クレーター)、毛穴の開き、全顔のボリュームアップ
効果の現れ方比較的早く(数日から数週間)肌の潤いやハリを実感数週間から数ヶ月かけて徐々にコラーゲンが増加しふっくらする
推奨治療ペース3〜4週間おきに3〜4回4週間おきに3回
維持期間半年〜1年(定期的なメンテナンスが推奨)約1年〜1年半(自己コラーゲンのため持続が長い)

実際のカウンセリング時、筆者は患者さんの肌トラブルの種類と、治療にかけられる期間、そしてダウンタイムの許容範囲をお聞きして製剤を提案しています。たとえば、目元の非常にデリケートな小ジワには、水分保持力を急激に高めるリジュラン・アイをピンポイントで使用し、両頬の毛穴の開きやニキビ跡に対してはジュベルックを医師による手打ち注射(水光注射)で細かく散布する、といったカスタマイズ治療を行うことで、より満足度の高い結果を導き出すことができます。

韓国発の美容注射に副作用やデメリットはある?

非常に有効な治療法であるリジュランやジュベルックですが、針を用いて皮膚内に薬剤を注入する医療行為である以上、副作用やリスク、デメリットがゼロというわけではありません。これらを事前に正しく把握しておくことは、安全な治療を受けるために極めて重要です。

一般的に見られる副作用としては、注入箇所の一時的な赤み、腫れ、内出血、そして薬剤が注入されたことによる細かな皮膚の隆起(エンボス現象)が挙げられます。これらの多くは一過性のものであり、数日から1週間程度で自然に退色・平坦化します。また、ジュベルックにおいては、非常に稀ではあるものの、適切な希釈や注入深度が守られない場合に「皮下結節(小さな硬いしこり)」が形成されるリスクが指摘されています。しかし、これは均一に製造されたPDLLA製剤を正しい手技で注入することで、十分に予防可能です。

⚠️ 注意点

リジュランは鮭(サーモン)のDNAを原料としているため、深刻な魚アレルギーがある方はアレルギー反応を引き起こすリスクがあります。また、いずれの製剤も非医療従事者によるセルフ注入や、医療認可のない個人輸入製剤の使用は重篤な皮膚壊死や感染症などの合併症を引き起こす恐れがあるため、必ず医師の診察のもとで施術を受けてください。

実際の診療では、治療当日に大切な予定を控えている患者さんに対して、ダウンタイムのスケジュールを詳細に説明し、適切な日程調整を行うことを重要視しています。また、痛みに敏感な患者さんには、麻酔クリームの塗布時間を十分に確保したり、冷却を徹底したりすることで、注入時の不快感を最小限に抑えるよう配慮しています。施術後の経過観察時に「思っていたより赤みが引くのが早かった」と言っていただけるよう、アフターケアの指導までを徹底することが臨床現場では求められます。

日本の臨床現場における韓国発の美容注射のリアルな位置づけ

日本の美容医療市場におけるこれら韓国発のスキンブースターの評価は、一過性のブームの域を完全に超え、現在では科学的エビデンス(生物学的刺激作用)に基づいた確固たる位置を確立しています。日本の医師たちも、その安全性や組織再生メカニズムを学術的に支持しており、皮膚科・美容皮膚科の治療選択肢として欠かせないものとなっています。

近年では、美容医療における注入技術の進歩や高分子材料の応用研究が世界中で進んでいます。たとえば、ポリヌクレオチド(PN)や非架橋ヒアルロン酸を含むスキンブースターのマウスモデルにおける生物刺激効果の比較検証[2]や、PDO(ポリジオキサノン)をはじめとする他の生分解性マイクロスフィアを用いた組織充填効果の定量的評価など[4]、多くの学術研究が臨床での効果を裏付けています。さらに、このように微粒子や高分子ポリマーを安全に皮膚組織に届ける技術は、難治性がん治療などにおける「スマートナノメディシン技術(標的組織へ薬剤を効果的に送り届ける技術)」といった最先端の医療科学の進歩とも技術的な源流を同じくしています[3]

実際の臨床現場において、かつて主流であった「ヒアルロン酸注入でシワを埋める」だけのアプローチから、「肌自体の老化を遅らせ、自己コラーゲンを増やすことでナチュラルに若返る」というアプローチへシフトしたことは、美容皮膚科にとって大きなパラダイムシフトでした。治療後のフォローアップで患者さんの肌をマイクロスコープで観察すると、皮膚の弾力(ハリ)や水分量が客観的にも改善されている様子が観察でき、これが日本国内における本療法の高い評価を支え続けていると感じます。

まとめ

韓国発の美容注射であるリジュラン(PN製剤)やジュベルック(PDLLA製剤)は、日本国内でもその優れた自己組織再生効果と高い安全性が認められ、定番の美容皮膚科治療として高く評価されています。リジュランは目元の小ジワや乾燥、肌質の総合的な改善に、ジュベルックはコラーゲンを徐々に増やすことで毛穴やニキビ跡の凹凸改善に非常に有効です。これらは肌自体の「自己再生」を促すスキンブースターであり、自然な仕上がりと長期間持続する効果が特徴です。治療を検討する際は、それぞれの製剤のメカニズム、期待できる効果、および一時的な内出血や腫れなどのダウンタイムをしっかりと理解し、信頼できる医療機関で医師による診察と注入を受けるようにしましょう。

よくある質問(FAQ)

リジュランやジュベルックの施術時、痛みはどのくらいありますか?
針を皮膚に刺す治療のため、チクチクとした痛みがあります。リジュランは薬剤そのものが注入される際にも少ししみるような痛みを感じることがあります。痛みを和らげるため、多くのクリニックでは施術前に強力な表面麻酔(麻酔クリーム)を塗布します。また、ジュベルックは非架橋ヒアルロン酸や生理食塩水などで適切に希釈され、極細の針や自動注入機器を使用するため、痛みが軽減される工夫がされています。
治療効果を感じるためには、何回施術を受ける必要がありますか?
1回の施術でも肌のうるおい感やハリ感の変化を感じられることはありますが、肌細胞の再生や自己コラーゲンの定着を促すためには、まずは「3〜4週間おきに3回」の治療を1つの推奨サイクルとすることが一般的です。これにより組織再生の土台が完成し、その後は半年〜1年に1回程度のメンテナンスを行うことで、より長期的な効果が維持されます。
施術後のダウンタイムはどのような症状が出ますか?
主なダウンタイム症状は、注射針の跡に沿って見られる小さな膨らみ(エンボス現象)、赤み、軽度の腫れ、そして針による内出血です。特にリジュランは細かく皮内に注入するため、施術当日は虫刺されのようなポツポツとした腫れが目立ちますが、通常は24時間以内に落ち着きます。内出血が出た場合は、メイクでカバーできる程度のものが1週間ほどかけて徐々に消退していきます。
この記事の監修
👨‍⚕️
丸岩裕磨
美容皮膚科医