- ✓ 頭痛には一次性頭痛と二次性頭痛があり、特に二次性頭痛は速やかな医療機関受診が必要です。
- ✓ 市販薬は症状緩和に有効ですが、用法・用量を守り、漫然とした使用は避けましょう。
- ✓ 頭痛の頻度が高い場合や症状が重い場合は、専門医への相談が推奨されます。
頭痛は多くの人が経験する一般的な症状ですが、その種類や原因は多岐にわたります。適切な対処法を知ることで、症状の緩和や重篤な病気の早期発見につながります。
頭痛の種類と原因とは?

頭痛は大きく分けて「一次性頭痛」と「二次性頭痛」の2種類があります。それぞれの特徴と原因を理解することが、適切な対処の第一歩です。
調剤の現場では、患者さんから「いつもの頭痛と違う気がする」という相談を受けることがありますが、この違いを理解することは非常に重要です。
一次性頭痛とは?
一次性頭痛は、頭痛そのものが病気であり、他の病気が原因ではない頭痛です。慢性頭痛のほとんどがこれに該当します。
- 一次性頭痛
- 脳や他の身体の異常が原因ではない、頭痛そのものが病気である状態を指します。片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛などが含まれます。
- 片頭痛: ズキンズキンと脈打つような痛みが特徴で、吐き気や光・音に過敏になることもあります。女性に多く見られ、遺伝的な要因も指摘されています。
- 緊張型頭痛: 頭全体が締め付けられるような痛みが特徴です。精神的ストレス、身体的ストレス(姿勢の悪さ、肩こりなど)が主な原因とされています[2]。
- 群発頭痛: 片方の目の奥に激しい痛みが起こり、涙や鼻水、目の充血などを伴うことがあります。男性に多く、特定の季節に集中して起こることがあります。
二次性頭痛の見分け方は?
二次性頭痛は、脳腫瘍、くも膜下出血、髄膜炎などの重篤な病気が原因で起こる頭痛です。命に関わることもあるため、速やかな医療機関受診が必要です。
服薬指導の際に「これまでに経験したことのない激しい頭痛」と質問される患者さんがいらっしゃいますが、これは二次性頭痛のサインである可能性があり、すぐに受診を促すようにしています。
- 突然の激しい頭痛(「バットで殴られたような」と表現されることも)
- 手足の麻痺やしびれ、ろれつが回らないなどの神経症状を伴う
- 発熱、項部硬直(首の後ろが硬くなる)を伴う
- 意識障害やけいれんを伴う
- 頭を強く打った後に頭痛が始まった
- 今まで経験したことのない頭痛
上記のような二次性頭痛のサインが見られた場合は、自己判断せずに直ちに医療機関を受診してください。特に救急外来の受診を検討しましょう。
頭痛の対処法:日常生活と市販薬

頭痛の症状を和らげるためには、日常生活での工夫と適切な市販薬の活用が有効です。症状の種類や程度に応じて、最適な対処法を選びましょう。
日常生活でできること
頭痛の予防や症状緩和には、生活習慣の見直しが重要です。
- 十分な睡眠: 睡眠不足や過剰な睡眠は頭痛の誘因となることがあります。規則正しい睡眠を心がけましょう。
- 適度な運動: 特に緊張型頭痛の場合、軽い運動やストレッチは筋肉の緊張を和らげ、頭痛の軽減につながることがあります。
- ストレス管理: ストレスは多くの頭痛の引き金となります。リラックスする時間を作り、ストレスを溜め込まない工夫が必要です。
- カフェインの摂取量: カフェインは頭痛薬にも含まれる成分ですが[3]、過剰摂取や急な摂取中止は頭痛を引き起こすことがあります。
- 飲酒・喫煙の制限: アルコールやタバコは血管に影響を与え、頭痛を誘発することがあります。
市販薬の選び方と注意点
市販薬は、軽度から中等度の頭痛に対して有効な選択肢です。主な成分とそれぞれの特徴を理解して選びましょう。
薬局での経験上、市販薬を選ぶ際に「どれが一番効くの?」と聞かれることが多いですが、成分によって作用機序や副作用のリスクが異なるため、ご自身の体質や症状に合ったものを選ぶことが重要です。
主な市販薬の成分
| 成分名 | 特徴 | 注意点 |
|---|---|---|
| アセトアミノフェン | 解熱鎮痛作用。胃への負担が少ないとされ、小児や妊娠・授乳中の女性にも比較的使いやすい。 | 肝機能障害のある人は注意。アルコールとの併用は避ける。 |
| イブプロフェン | 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)。炎症を抑え、痛みを和らげる効果が高い。 | 胃腸障害、腎機能障害のリスク[1]。空腹時の服用は避ける。 |
| ロキソプロフェン | NSAIDs。イブプロフェンと同様に高い鎮痛効果を持つ。 | 胃腸障害、腎機能障害のリスク[1]。空腹時の服用は避ける。 |
| アスピリン | NSAIDs。解熱鎮痛作用に加え、抗血小板作用も持つ。 | 胃腸障害のリスク[5]。小児への使用はライ症候群のリスクがあるため避ける。 |
用法・用量
市販薬の用法・用量は、製品の添付文書に記載されています。必ず指示に従って服用してください。一般的に、成人(15歳以上)の場合、1回1〜2錠を1日2〜3回まで、服用間隔は4〜6時間以上空けることが推奨されます。
市販薬を頻繁に服用すると、かえって頭痛を悪化させる「薬剤乱用頭痛」を引き起こす可能性があります[6][7]。月に10日以上、または週に3日以上鎮痛剤を服用している場合は、医療機関を受診して相談しましょう[4]。
頭痛薬の副作用はある?
頭痛薬は症状を和らげる効果がありますが、副作用のリスクも存在します。主な副作用について理解し、異変を感じた場合は速やかに医師や薬剤師に相談しましょう。
重大な副作用
- 消化性潰瘍、胃腸出血: NSAIDs(イブプロフェン、ロキソプロフェン、アスピリンなど)で起こりやすく、特に長期連用や高齢者でリスクが高まります。胃の痛み、吐血、黒色便などの症状が見られることがあります。
- 腎機能障害: NSAIDsは腎臓への血流を減少させ、腎機能に影響を与えることがあります[1]。尿量の減少、むくみなどの症状が見られることがあります。
- 肝機能障害: アセトアミノフェンは過量服用により肝臓に負担をかけることがあります。倦怠感、黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)などの症状が見られることがあります。
- ショック、アナフィラキシー: まれに、薬に対する重篤なアレルギー反応として、じんましん、呼吸困難、血圧低下などの症状が現れることがあります。
その他の副作用
- 吐き気、嘔吐、食欲不振
- 腹痛、下痢、便秘
- 眠気、めまい
- 発疹、かゆみ
ジェネリック医薬品について

頭痛薬にも多くのジェネリック医薬品が存在します。ジェネリック医薬品は、先発医薬品(新薬)と同じ有効成分を同じ量含み、同等の効果と安全性が確認された医薬品です。
実際の処方パターンとして、医療機関では先発医薬品とジェネリック医薬品のどちらも選択できることが一般的です。薬局では、患者さんの希望に応じてジェネリック医薬品への切り替えを提案することが可能です。
ジェネリック医薬品は、開発費用が抑えられるため、先発医薬品よりも安価に提供されることが多く、患者さんの医療費負担軽減に貢献します。もしジェネリック医薬品に関心がある場合は、医師や薬剤師に相談してみましょう。
まとめ
頭痛は多くの人が経験する症状ですが、その原因や種類は様々です。一次性頭痛と二次性頭痛を見分け、特に二次性頭痛のサインが見られた場合は速やかに医療機関を受診することが重要です。市販薬を使用する際は、用法・用量を守り、薬剤乱用頭痛を避けるために漫然とした使用は控えましょう。日常生活の改善も頭痛の予防や緩和に役立ちます。症状が改善しない場合や、頻繁に頭痛が起こる場合は、専門医への相談を検討してください。
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- John M LaForge, Kelsey Urso, Juan Martin Day et al.. Non-steroidal Anti-inflammatory Drugs: Clinical Implications, Renal Impairment Risks, and AKI.. Advances in therapy. 2023. PMID: 36947330. DOI: 10.1007/s12325-023-02481-6
- Cassie Scripter. Headache: Tension-Type Headache.. FP essentials. 2019. PMID: 30346680
- Richard B Lipton, Hans-Christoph Diener, Matthew S Robbins et al.. Caffeine in the management of patients with headache.. The journal of headache and pain. 2018. PMID: 29067618. DOI: 10.1186/s10194-017-0806-2
- Thais Brown Tonore, Deborah S King, Sara L Noble. Do over-the-counter medications for migraine hinder the physician?. Current pain and headache reports. 2002. PMID: 11872189. DOI: 10.1007/s11916-002-0014-9
- T J Steiner, M Voelker. Gastrointestinal tolerability of aspirin and the choice of over-the-counter analgesia for short-lasting acute pain.. Journal of clinical pharmacy and therapeutics. 2009. PMID: 19250138. DOI: 10.1111/j.1365-2710.2008.00989.x
- . Management of medication overuse headache.. Drug and therapeutics bulletin. 2010. PMID: 20040566. DOI: 10.1136/dtb.2009.12.0060
- Timothy R Smith, Jill Stoneman. Medication overuse headache from antimigraine therapy: clinical features, pathogenesis and management.. Drugs. 2005. PMID: 15516151. DOI: 10.2165/00003495-200464220-00002

