肺・気管支・肺胞の構造と働き
肺の大きな区分から、ガス交換をする微小な肺胞まで順に見ていきます。
右肺は上・中・下の3葉、左肺は心臓の空間があるため2葉です。気管支は肺内で繰り返し枝分かれし、末端の肺胞は薄い壁と毛細血管を持つガス交換の場です。肺は独立して動く袋ではなく、胸膜を介して胸郭の動きについて広がります。[1][2]
右肺は3葉、左肺は2葉に分かれる
右肺は上葉・中葉・下葉、左肺は上葉・下葉に分かれます。各肺葉はさらに肺区に分かれ、気管支と血管が分布します。肺炎や肺がんの位置、手術範囲の説明で肺葉・肺区が使われます。[2]
胸部X線やCTを一緒に見るときは、「右肺のどこ」という位置だけでなく、その部分に空気を運ぶ気管支と血流がどう走るかを確認します。病変の位置は症状、検査、治療法の選択に関わります。
肺は臓側胸膜と壁側胸膜の2枚に包まれる
肺表面の臓側胸膜と胸壁側の壁側胸膜の間には、少量の液を含む薄い胸膜腔があります。この構造により肺は摩擦を抑えつつ胸郭の動きについて広がります。胸膜腔に空気が入ると気胸、液が増えると胸水です。[2]
気管支は肺葉・肺区へ向かって樹状に分岐する
主気管支から葉気管支、区域気管支、さらに細い気管支・細気管支へ枝分かれします。分岐するたびに個々の管は細くなりますが、全体の断面積は大きくなり、末梢で空気の速度は下がります。[2][3]
- 気管・太い気管支
- 軟骨が支え、空気を運ぶ
- 細気管支
- 平滑筋で内径を調整する
- 呼吸細気管支・肺胞
- ガス交換の領域
肺胞は薄い上皮と毛細血管が接する立体網
肺胞は「ぶどうの房」のように説明されますが、実際は隣り合う肺胞が壁を共有する泡状の立体網です。I型肺胞上皮細胞が薄いガス交換面を作り、II型肺胞上皮細胞がサーファクタントを分泌します。[2][4]

サーファクタントと肺胞マクロファージが肺胞を保つ
サーファクタントは肺胞表面の表面張力を下げ、息を吐くときに肺胞が虚脱するのを防ぎます。肺胞マクロファージは末梢に到達した粒子や病原体の処理に関わります。[4]
病気は、気管支・肺胞・間質・胸膜のどこに起こるかで表れ方が変わる
会話が難しい、唇が青紫色、意識がぼんやりする、突然の胸痛を伴う場合は119番を考えてください。
緊急時は119番へ喘息は主に気道の炎症と狭窄、肺炎は肺胞内の炎症性液体、間質性肺炎は肺胞の壁に相当する間質、気胸は胸膜腔が主な問題の場です。ただし実際には複数の部位が関わり、症状だけでは分けられません。
よくある質問
右肺と左肺で大きさが違うのはなぜですか?
左側に心臓があるため、左肺は右肺より小さく2葉です。
肺胞は風船のような袋ですか?
説明上は袋状と表現しますが、実際は隣り合う肺胞が壁を共有する複雑な立体構造です。
肺の一部を切除しても呼吸できますか?
残る肺と心肺機能により可能な場合がありますが、切除範囲、肺機能、心疾患などを術前に評価します。
参考文献
TOCグループ
医療法人御照会を中心に、対面診療・オンライン診療・医療情報・医療機関支援を行うグループです。
