【息切れ 原因 病院】息切れの原因と病院受診の目安|専門医が解説

息切れ 原因 病院
最終更新日: 2026-04-09
📋 この記事のポイント
  • ✓ 息切れは肺、心臓、その他の疾患が原因で起こり、原因に応じた適切な診断と治療が必要です。
  • ✓ 症状が急激に悪化した場合や、胸痛、意識障害を伴う場合は速やかに医療機関を受診してください。
  • ✓ 息切れの診断には問診、身体診察、画像検査、呼吸機能検査などが行われ、専門医による適切な対処法が提示されます。
※ 本記事は医療に関する情報提供を目的としています。個別の症状については、かかりつけの医療機関にご相談ください。

息切れとは、呼吸が苦しく感じる、または呼吸が十分にできないと感じる主観的な症状です。医学的には「呼吸困難」と呼ばれ、軽度なものから生命に関わる重篤なものまで多岐にわたります。息切れは、肺や心臓の病気だけでなく、貧血や精神的な要因など様々な原因によって引き起こされるため、正確な診断が重要です。

肺・呼吸器の病気による息切れとは?

慢性閉塞性肺疾患で苦しむ高齢男性の呼吸困難と息切れの原因
呼吸器疾患による息切れ

肺や呼吸器の病気による息切れは、気道の狭窄や肺胞の機能低下、肺組織の炎症などにより、体内の酸素供給が不足したり、二酸化炭素の排出が滞ったりすることで生じます。臨床の現場では、咳や痰を伴う息切れで来院される患者さんが多く、詳細な問診から呼吸器疾患を疑うケースをよく経験します。

喘息(ぜんそく)

喘息は、気道が慢性的に炎症を起こし、様々な刺激に対して過敏に反応することで、気道が狭くなる病気です。発作時には、ゼーゼー、ヒューヒューといった喘鳴(ぜんめい)を伴う息切れや咳、胸苦しさが現れます。特に夜間や早朝に症状が悪化しやすい傾向があります。重症の喘息発作は、適切な治療が行われないと命に関わる場合もあります[1]。実臨床では、吸入ステロイド薬を中心とした治療で、発作の予防と症状のコントロールを目指します。

COPD(慢性閉塞性肺疾患)

COPDは、主に長期間の喫煙が原因で、気管支や肺胞が破壊され、呼吸機能が徐々に低下していく病気です。初期には労作時の息切れが主な症状ですが、進行すると安静時にも息切れを感じるようになります。咳や痰も特徴的な症状です。COPDの治療では、気管支拡張薬の吸入や、呼吸リハビリテーションが重要です[2][4]。禁煙は病気の進行を遅らせる上で最も効果的な方法です。

肺炎

肺炎は、細菌やウイルスなどの感染によって肺に炎症が起こる病気です。発熱、咳、痰、胸の痛みとともに息切れが現れます。重症化すると呼吸不全に陥ることもあり、高齢者や免疫力が低下している方は特に注意が必要です。抗生物質や抗ウイルス薬による治療が中心となります。

間質性肺炎

間質性肺炎は、肺の間質と呼ばれる部分に炎症や線維化が起こる病気の総称です。乾いた咳と労作時の息切れが主な症状で、進行すると呼吸機能が著しく低下します。原因は多岐にわたり、膠原病に伴うものや薬剤性、原因不明の特発性間質性肺炎などがあります。治療は、ステロイドや免疫抑制剤、抗線維化薬などが用いられます。

肺がん

肺がんは、肺に発生する悪性腫瘍で、進行すると息切れ、咳、血痰、胸の痛みなどの症状が現れることがあります。早期発見が難しく、症状が出た時には進行しているケースも少なくありません。喫煙者に多く見られますが、非喫煙者にも発生します。治療法は、手術、放射線治療、化学療法、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬など、病期や組織型によって選択されます。

喘鳴(ぜんめい)
気道が狭くなることで、呼吸時に「ヒューヒュー」「ゼーゼー」といった笛のような音や高い音が聞こえる状態を指します。主に気管支喘息やCOPDなどで見られます。

心臓・その他の原因による息切れとは?

心不全で心臓が弱り息切れを感じる状態を示す女性の様子
心臓病が引き起こす息切れ

息切れは肺だけでなく、心臓の機能不全や全身の様々な疾患によっても引き起こされます。初診時に「心臓が悪いのでは」と相談される患者さんも少なくありませんが、診察の中で心臓以外の原因が判明することも多くあります。

心不全

心不全は、心臓のポンプ機能が低下し、全身に十分な血液を送り出せなくなる状態です。労作時の息切れや、夜間や横になったときに息苦しさを感じる(起座呼吸、発作性夜間呼吸困難)のが特徴です。むくみや体重増加を伴うこともあります。心不全の悪化は、体液貯留(うっ血)と関連しており、入院が必要となるケースも報告されています[3]。利尿薬や心臓の働きを助ける薬が用いられます。

狭心症・心筋梗塞

狭心症や心筋梗塞は、心臓の血管(冠動脈)が狭くなったり詰まったりすることで、心臓への血流が不足し、胸痛や圧迫感が生じる病気です。典型的な症状は胸痛ですが、特に高齢者や女性では、息切れや肩の痛み、胃の不快感など、非典型的な症状として現れることもあります。緊急性が高いため、疑われる場合は速やかに医療機関を受診する必要があります。

不整脈

不整脈は、心臓の拍動リズムが乱れる病気です。動悸やめまいとともに、息切れを感じることがあります。特に、心拍数が異常に速くなったり遅くなったりする不整脈は、心臓のポンプ機能に影響を与え、息切れの原因となります。種類によっては治療が必要となるため、心電図検査などで診断します。

貧血

貧血は、血液中の赤血球やヘモグロビンが減少し、全身への酸素供給能力が低下する状態です。労作時の息切れや動悸、倦怠感、顔色不良などが主な症状です。鉄欠乏性貧血が最も一般的で、鉄剤の服用や食事指導で改善が期待できます。日常診療では、息切れの訴えがある方には、まず血液検査で貧血の有無を確認することが多いです。

甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)

甲状腺機能亢進症は、甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気です。新陳代謝が活発になりすぎ、動悸、息切れ、体重減少、発汗過多、手の震えなどの症状が現れます。薬物療法や放射線治療、手術などで甲状腺ホルモンの分泌をコントロールします。

肥満

高度な肥満は、呼吸器や心臓に負担をかけるため、息切れの原因となります。特に横隔膜の動きが制限されたり、睡眠時無呼吸症候群を合併したりすることで、息切れが悪化することがあります。生活習慣の改善や減量によって、息切れの症状が軽減されることが期待できます。

⚠️ 注意点

息切れは様々な原因で起こるため、自己判断せずに医療機関を受診し、適切な診断を受けることが重要です。特に、突然の息切れ、胸痛を伴う息切れ、意識障害を伴う息切れは緊急性が高いため、すぐに救急医療機関を受診してください。

息切れの対処法・受診先・検査とは?

息切れを感じた際の対処法は、その原因や症状の程度によって異なります。適切な医療機関を受診し、必要な検査を受けることで、正確な診断と効果的な治療へとつながります。実際の診療では、患者さんの息切れの状況を詳しくお聞きすることが、診断の重要な手がかりとなります。

息切れを感じた時の応急処置は?

息切れを感じた際は、まず落ち着いて楽な姿勢をとることが大切です。

  • 座る姿勢: 椅子に座り、少し前かがみになって肘を膝につける、または机に寄りかかる姿勢は、呼吸筋の負担を軽減し、呼吸を楽にする効果があります。
  • 口すぼめ呼吸: 口をすぼめてゆっくり息を吐き出す「口すぼめ呼吸」は、気道が広がり、肺に閉じ込められた空気を排出しやすくします。
  • 安静にする: 無理に動かず、安静にすることで、心臓や肺への負担を減らします。

これらの応急処置で改善しない場合や、症状が悪化する場合は、速やかに医療機関を受診してください。

息切れで何科を受診すべき?

息切れの原因は多岐にわたるため、まずはかかりつけ医や内科を受診するのが一般的です。初診時に「どの科に行けばいいかわからない」とおっしゃる方が多いですが、医療現場ではまず総合的に診察し、必要に応じて専門科へご紹介しています。

  • 呼吸器内科: 喘息、COPD、肺炎、間質性肺炎、肺がんなど、肺や気管支の病気が疑われる場合。
  • 循環器内科: 心不全、狭心症、心筋梗塞、不整脈など、心臓の病気が疑われる場合。
  • 心療内科・精神科: 過換気症候群や不安障害など、精神的な要因が強く疑われる場合。
  • 血液内科: 貧血が重度である場合。

症状が急激に悪化したり、胸痛や意識障害を伴う場合は、迷わず救急車を呼ぶか、救急外来を受診してください。

息切れの診断で行われる検査は?

息切れの原因を特定するためには、様々な検査が行われます。診察の中で、患者さんの症状の経過や既往歴を詳しく伺い、どの検査が必要かを判断します。

  • 問診・身体診察: 症状の始まり方、持続時間、悪化因子、既往歴、喫煙歴などを詳しく聞き取り、聴診や視診、触診を行います。
  • 血液検査: 貧血の有無、炎症反応、心臓や腎臓の機能、甲状腺ホルモンなどを調べます。
  • 胸部X線検査(レントゲン): 肺の炎症や水腫、心臓の拡大などを確認します。
  • 心電図検査: 不整脈や心筋虚血の有無を評価します。
  • 呼吸機能検査: 肺活量や1秒量などを測定し、気道の狭窄や肺の弾力性の低下を評価します。
  • パルスオキシメトリー: 血液中の酸素飽和度を測定し、酸素不足の程度を評価します。
  • 胸部CT検査: X線検査よりも詳細に肺や心臓の状態を評価できます。
  • 心臓超音波検査(心エコー): 心臓の動きや弁の状態、ポンプ機能を詳細に評価します。

症状の掛け合わせ(息切れ+〇〇)で疑われる病気とは?

息切れと胸痛を訴える患者の診察、複数の症状から病気を特定
複合症状から疑われる病気

息切れは単独で現れることもありますが、他の症状と組み合わさることで、特定の病気を強く示唆する場合があります。これらの組み合わせを理解することは、早期診断と適切な治療につながります。日々の診療では、患者さんの訴える複数の症状から、複合的に病態を推測し、必要な検査を絞り込むようにしています。

息切れ+咳・痰

息切れに加えて咳や痰が続く場合、呼吸器系の疾患が強く疑われます。特に、長期間にわたる咳や痰、そして息切れがある場合は、COPD(慢性閉塞性肺疾患)の可能性が高いです。喫煙歴がある方は特に注意が必要です。また、喘息発作時にも咳や痰を伴う息切れが見られます[1]。肺炎や気管支炎などの感染症でも、発熱とともにこれらの症状が現れます。

息切れ+胸痛

息切れに胸痛を伴う場合は、心臓や肺の重篤な病気が隠れている可能性があります。特に、締め付けられるような胸痛と息切れが同時に現れる場合は、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患を強く疑う必要があります。肺血栓塞栓症(肺の血管が詰まる病気)でも、突然の息切れと胸痛が生じることがあります。これらの症状は緊急性が高いため、速やかに医療機関を受診してください。

息切れ+むくみ・体重増加

息切れに足のむくみや体重増加が伴う場合、心不全の可能性が考えられます。心臓のポンプ機能が低下すると、体内の水分が適切に排出されず、肺に水が溜まったり(肺水腫)、足などにむくみが生じたりします。特に、夜間に息苦しさが増す(夜間発作性呼吸困難)場合は、心不全の典型的な症状です[3]。診察の中で、足のむくみや体重の変化を尋ねることは、心不全の診断において重要なポイントになります。

息切れ+発熱

息切れと発熱が同時に現れる場合、感染症による呼吸器疾患を疑います。肺炎、急性気管支炎、インフルエンザ、COVID-19などが考えられます。発熱の程度や咳・痰の有無、全身倦怠感などの症状も合わせて評価し、適切な検査や治療を行います。特に高齢者や基礎疾患を持つ方は、重症化するリスクがあるため注意が必要です。

息切れ+動悸・めまい

息切れに動悸やめまいが伴う場合、不整脈や貧血、甲状腺機能亢進症などが考えられます。心臓が不規則に拍動することで、動悸や息切れ、めまいが生じることがあります。また、貧血によって全身への酸素供給が不足すると、心臓が過剰に働くため動悸や息切れが起こり、脳への血流も不足しやすいためめまいを感じることがあります。甲状腺機能亢進症では、全身の代謝が亢進し、動悸や息切れ、発汗過多などの症状が見られます。

症状の組み合わせ疑われる主な病気受診すべき診療科
息切れ + 咳・痰喘息、COPD、肺炎、気管支炎呼吸器内科、内科
息切れ + 胸痛狭心症、心筋梗塞、肺血栓塞栓症循環器内科、救急科
息切れ + むくみ・体重増加心不全循環器内科、内科
息切れ + 発熱肺炎、インフルエンザ、COVID-19内科、呼吸器内科
息切れ + 動悸・めまい不整脈、貧血、甲状腺機能亢進症循環器内科、内科、血液内科

まとめ

息切れは、日常的によく経験する症状でありながら、その原因は多岐にわたり、軽度なものから命に関わる重篤な病気まで様々です。肺や心臓の疾患だけでなく、貧血や甲状腺機能異常、肥満、精神的な要因なども息切れを引き起こす可能性があります。症状が続く場合や、他の症状(咳、胸痛、むくみ、発熱など)を伴う場合は、自己判断せずに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが重要です。特に、急激な症状の悪化や胸痛、意識障害を伴う場合は、速やかに救急医療機関を受診してください。早期に原因を特定し、適切な対処を行うことで、症状の改善と重症化の予防につながります。

📱 【スマホで完結】お薬のオンライン処方なら東京オンラインクリニック

「忙しくて病院に行く時間がない」「まずは薬を試してみたい」という方には、オンライン診療がおすすめです。東京オンラインクリニックなら、スマホ一つで診察から処方まで完結。最短即日でお薬をご自宅にお届けします。

オンライン診療を予約する(初診料無料)

よくある質問(FAQ)

Q1: 息切れはどのような時に病院を受診すべきですか?
A1: 息切れが急に始まった、安静にしていても息苦しい、胸の痛みや動悸を伴う、意識が朦朧とする、唇や顔色が青白いなどの症状がある場合は、すぐに医療機関を受診してください。慢性的な息切れでも、症状が悪化していると感じる場合は受診を検討しましょう。
Q2: 息切れの原因はストレスでも起こりますか?
A2: はい、ストレスや不安、パニック障害などが原因で息切れを感じることがあります。過換気症候群もその一つです。ただし、身体的な病気が隠れている可能性もあるため、自己判断せずに一度医療機関で相談し、身体的な原因が除外されることが重要です。
Q3: 息切れの治療はどのように行われますか?
A3: 息切れの治療は、その根本原因によって大きく異なります。例えば、喘息であれば吸入薬、心不全であれば利尿薬や心臓の働きを助ける薬、貧血であれば鉄剤などが用いられます。COPDでは呼吸リハビリテーションも有効とされています[2][4]。医師が診断に基づいて最適な治療法を提案します。
この記事の監修
👨‍⚕️
馬場理紗子
循環器内科医
👨‍⚕️
安藤昂志
循環器内科医