思春期の本人が、落ち着いた相談室で医療者と話しているイラスト
PEDIATRICS / HEALTH GUIDE

思春期の体とこころ

成長・睡眠・気持ちの変化と相談先

「こんなことで相談していいのかな」と思うことも、話してかまいません。体の変化も、こころのつらさも、本人のペースを大切にしながら考えます。

最終更新 2026.09.29監修日 2026.09.29
POINT 1つらさを成長や気合いだけで説明しない
POINT 2本人が話せる時間と場所を
POINT 3睡眠・食事・生活への影響を確認
まず知っておきたいこと

思春期は体と生活環境が大きく変わる時期ですが、つらさを「成長のせい」「気合いの問題」で片づける必要はありません。眠れない、食べられない、学校や日常生活に支障があるときは、本人が話しやすい大人や医療機関に相談してください。急に自分を傷つけそうなときは、一人で抱えず安全確保を優先します。

今、危険があるときは安全を優先

自分を傷つけそう・すでに傷つけたとき

今すぐ自分を傷つけるおそれがある、薬を多く飲んだ、意識がおかしい、重いけがをした場合は119番へ。本人を一人にせず、安全にできる範囲で危険な物から離し、救急の指示に従ってください。 [1]

切迫した危険がなくても、「消えたい」「生きるのがつらい」という気持ちは、早く相談してよい内容です。身近な人に話しにくい場合は、厚生労働省「まもろうよ こころ」に掲載された電話・SNS相談なども使えます。受付時間は各窓口で確認してください。 [2]

体の変化と、相談したい症状

身長の伸びや体つきの変化には個人差があります。ただし、本人が心配していること、痛みや体調不良があることは「そのうち慣れる」と放置しなくてかまいません。受診では、成長の記録と生活への影響を確認します。

月経痛で学校を休む、出血が多くふらつく、月経が長く来ないなどの場合は、婦人科やかかりつけ医に相談してください。月経の始まりや間隔のメモが役立ちますが、強い痛みや出血で具合が悪いときは記録より受診を優先します。 [3]

本人のプライバシーを大切に

体や性に関する心配は、本人だけで話したい場合があります。診察では、誰と何を共有するかを相談できます。ただし、生命や安全を守るために、保護者や関係者との共有が必要になる場合があります。 [1]

気持ちの変化は、生活への影響と一緒に見る

気づきやすい変化関わり方のヒント
眠れない・起きられない怠けと決めず、夜の過ごし方と日中のつらさを聞く。
食事や体重が大きく変わる見た目を評価するより、食べられるか、ふらつきがあるかを確認。
好きなことを楽しめない・会話が減る問い詰めず、話せる時間と相手を選べるようにする。
学校や外出が難しくなる出席だけを目標にせず、体調、不安、対人関係、学習の負担を整理。

変化が続く、本人が強く苦しんでいる、日常生活に支障があるときは、小児科やかかりつけ医、こころを専門に診る医療機関へ相談します。本人の話と保護者の見方の両方を聞き、必要な評価につなげます。 [4] [1]

思春期の本人が、落ち着いた相談室で医療者と話しているイラスト
本人だけで話せる時間が必要なときは、診察の前や受付で相談できます。説明用イラストです。

生活を整えるときは、一つずつ

  1. 睡眠の時間を確保する

    13〜18歳の睡眠は、一般に一日8〜10時間が目安です。時間だけでなく、日中の眠気や体調も確認します。

  2. 食事を責める話にしない

    極端な食事制限や体重への強いこだわり、食べられない状態があれば相談します。体型の比較より、健康と生活への影響を話しましょう。

  3. 動ける範囲を選ぶ

    散歩や遊び、通学の中の活動など、できることから始めます。体調や障害、治療中の病気に合わせて調整してください。

  4. 本人と一緒に見直す

    大人が一方的に目標を増やさず、今いちばん変えやすいことを一つ決め、負担が増えていないか確かめます。

睡眠の目安は、全員を同じ時刻に眠らせるための基準ではありません。十分な時間を確保しても強い眠気がある、眠れない状態が続くときは相談してください。 [5] 身体活動も、少しから始めて無理のない範囲で増やすことが勧められています。 [6]

本人と保護者で、見え方が違うとき

本人は「大丈夫」と言っていても家族は心配している、家族は気づかなくても本人はつらい、という違いが生じることがあります。どちらか一方を正しいと決めず、それぞれの話を聞くことが相談の出発点になります。 [1]

保護者は「なぜできないの?」よりも、「どの時間がつらい?」「何を手伝えば少し楽になる?」と具体的に聞いてみてください。すぐに答えが出なくても、話せる相手や方法があると伝えることが大切です。 [4]

相談先が合わなかったとき

最初の相談で話し切れなかった場合も、別の担当者や窓口に相談してかまいません。小児科、学校の相談室、地域の保健所など、それぞれに役割があります。電話やSNSも含め、本人が使いやすい方法を選びましょう。 [2]

スマホは、時間だけでなく使い方を見る

夜遅くのやりとり、見たくない情報、いじめや比較によるつらさがないかを、責めずに聞いてみましょう。通知を切る時間、寝る前の置き場所、困ったときに知らせる相手など、具体的な工夫を一緒に決めます。

スクリーン利用と健康の研究では、小さな負の関連が示される一方、学習やつながりなどの利点もあり、使う内容や状況で異なります。関連があることだけで、「スマホが全ての不調の原因」とは結論できません。 [7]

よくある質問

本人が相談したがらないときは、どうしますか?

問い詰めず、話す相手や時間を選べるようにします。保護者だけで医療機関に相談できる場合もあります。ただし、自傷など切迫した危険があるときは、本人の同意を待つより安全確保を優先します。

思春期の睡眠は何時間必要ですか?

13〜18歳は一般に一日8〜10時間が目安です。個人差もあるため、日中の眠気や生活への影響を合わせて見ます。眠れない、十分眠ってもつらい場合は相談してください。

親に話しにくいことを、医師に相談できますか?

相談できます。本人だけで話す時間を希望することもできます。共有する内容は相談しますが、生命や安全に関わる場合は、必要な人と情報を共有することがあります。

参考文献