思春期の体とこころ
成長・睡眠・気持ちの変化と相談先
「こんなことで相談していいのかな」と思うことも、話してかまいません。体の変化も、こころのつらさも、本人のペースを大切にしながら考えます。
思春期は体と生活環境が大きく変わる時期ですが、つらさを「成長のせい」「気合いの問題」で片づける必要はありません。眠れない、食べられない、学校や日常生活に支障があるときは、本人が話しやすい大人や医療機関に相談してください。急に自分を傷つけそうなときは、一人で抱えず安全確保を優先します。
今、危険があるときは安全を優先
今すぐ自分を傷つけるおそれがある、薬を多く飲んだ、意識がおかしい、重いけがをした場合は119番へ。本人を一人にせず、安全にできる範囲で危険な物から離し、救急の指示に従ってください。 [1]
切迫した危険がなくても、「消えたい」「生きるのがつらい」という気持ちは、早く相談してよい内容です。身近な人に話しにくい場合は、厚生労働省「まもろうよ こころ」に掲載された電話・SNS相談なども使えます。受付時間は各窓口で確認してください。 [2]
体の変化と、相談したい症状
身長の伸びや体つきの変化には個人差があります。ただし、本人が心配していること、痛みや体調不良があることは「そのうち慣れる」と放置しなくてかまいません。受診では、成長の記録と生活への影響を確認します。
月経痛で学校を休む、出血が多くふらつく、月経が長く来ないなどの場合は、婦人科やかかりつけ医に相談してください。月経の始まりや間隔のメモが役立ちますが、強い痛みや出血で具合が悪いときは記録より受診を優先します。 [3]
体や性に関する心配は、本人だけで話したい場合があります。診察では、誰と何を共有するかを相談できます。ただし、生命や安全を守るために、保護者や関係者との共有が必要になる場合があります。 [1]
気持ちの変化は、生活への影響と一緒に見る
| 気づきやすい変化 | 関わり方のヒント |
|---|---|
| 眠れない・起きられない | 怠けと決めず、夜の過ごし方と日中のつらさを聞く。 |
| 食事や体重が大きく変わる | 見た目を評価するより、食べられるか、ふらつきがあるかを確認。 |
| 好きなことを楽しめない・会話が減る | 問い詰めず、話せる時間と相手を選べるようにする。 |
| 学校や外出が難しくなる | 出席だけを目標にせず、体調、不安、対人関係、学習の負担を整理。 |
変化が続く、本人が強く苦しんでいる、日常生活に支障があるときは、小児科やかかりつけ医、こころを専門に診る医療機関へ相談します。本人の話と保護者の見方の両方を聞き、必要な評価につなげます。 [4] [1]

生活を整えるときは、一つずつ
- 睡眠の時間を確保する
13〜18歳の睡眠は、一般に一日8〜10時間が目安です。時間だけでなく、日中の眠気や体調も確認します。
- 食事を責める話にしない
極端な食事制限や体重への強いこだわり、食べられない状態があれば相談します。体型の比較より、健康と生活への影響を話しましょう。
- 動ける範囲を選ぶ
散歩や遊び、通学の中の活動など、できることから始めます。体調や障害、治療中の病気に合わせて調整してください。
- 本人と一緒に見直す
大人が一方的に目標を増やさず、今いちばん変えやすいことを一つ決め、負担が増えていないか確かめます。
睡眠の目安は、全員を同じ時刻に眠らせるための基準ではありません。十分な時間を確保しても強い眠気がある、眠れない状態が続くときは相談してください。 [5] 身体活動も、少しから始めて無理のない範囲で増やすことが勧められています。 [6]
本人と保護者で、見え方が違うとき
本人は「大丈夫」と言っていても家族は心配している、家族は気づかなくても本人はつらい、という違いが生じることがあります。どちらか一方を正しいと決めず、それぞれの話を聞くことが相談の出発点になります。 [1]
保護者は「なぜできないの?」よりも、「どの時間がつらい?」「何を手伝えば少し楽になる?」と具体的に聞いてみてください。すぐに答えが出なくても、話せる相手や方法があると伝えることが大切です。 [4]
最初の相談で話し切れなかった場合も、別の担当者や窓口に相談してかまいません。小児科、学校の相談室、地域の保健所など、それぞれに役割があります。電話やSNSも含め、本人が使いやすい方法を選びましょう。 [2]
スマホは、時間だけでなく使い方を見る
夜遅くのやりとり、見たくない情報、いじめや比較によるつらさがないかを、責めずに聞いてみましょう。通知を切る時間、寝る前の置き場所、困ったときに知らせる相手など、具体的な工夫を一緒に決めます。
スクリーン利用と健康の研究では、小さな負の関連が示される一方、学習やつながりなどの利点もあり、使う内容や状況で異なります。関連があることだけで、「スマホが全ての不調の原因」とは結論できません。 [7]
よくある質問
本人が相談したがらないときは、どうしますか?
問い詰めず、話す相手や時間を選べるようにします。保護者だけで医療機関に相談できる場合もあります。ただし、自傷など切迫した危険があるときは、本人の同意を待つより安全確保を優先します。
思春期の睡眠は何時間必要ですか?
13〜18歳は一般に一日8〜10時間が目安です。個人差もあるため、日中の眠気や生活への影響を合わせて見ます。眠れない、十分眠ってもつらい場合は相談してください。
親に話しにくいことを、医師に相談できますか?
相談できます。本人だけで話す時間を希望することもできます。共有する内容は相談しますが、生命や安全に関わる場合は、必要な人と情報を共有することがあります。
参考文献
本文の番号から、根拠となる資料を確認できます。制度や接種時期は最新の国内資料を優先し、海外研究の対象や限界も区別しています。
- Zuckerbrot RA, et al. Guidelines for Adolescent Depression in Primary Care (GLAD-PC): Part I. Pediatrics. 2018.診療ガイドライン
- 厚生労働省「まもろうよ こころ:電話相談窓口」国内公的相談窓口
- 日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会「産婦人科診療ガイドライン―婦人科外来編2023」国内診療ガイドライン
- 厚生労働省「こころのSOSサインに気づく」国内公的情報
- Paruthi S, et al. Recommended Amount of Sleep for Pediatric Populations: A Consensus Statement of the American Academy of Sleep Medicine. J Clin Sleep Med. 2016.学会コンセンサス
- WHO. WHO guidelines on physical activity and sedentary behaviour: at a glance. 2020.国際診療・公衆衛生ガイドライン
- Sanders T, et al. An umbrella review of the benefits and risks associated with youths’ interactions with electronic screens. Nat Hum Behav. 2024.アンブレラレビュー
資料確認:2026年9月28日。個々の症状への診断・処方を示すものではありません。
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