- ✓ 排尿痛の主な原因は細菌感染であり、適切な抗菌薬治療が重要です。
- ✓ 感染症以外の原因も多岐にわたり、症状に応じた検査と診断が必要です。
- ✓ 自己判断での市販薬使用は一時的な症状緩和に留め、早めに医療機関を受診することが大切です。
排尿痛(はいにょうつう)とは、おしっこをする際に感じる痛みや不快感のことで、多くの人が経験する症状の一つです。この痛みは、排尿の始まり、途中、終わり、あるいは排尿後に生じることがあり、その原因は多岐にわたります。女性に多く見られますが、男性や子どもにも起こり得る症状です。今回は、排尿痛の主な原因から、それぞれの治し方、ご自身でできる対処法、そして医療機関を受診する目安まで、専門医の立場から詳しく解説します。
細菌・ウイルス感染による排尿痛とは?

細菌やウイルス感染による排尿痛は、尿路感染症の主要な症状の一つです。尿道から侵入した細菌が膀胱や腎臓に炎症を引き起こすことで痛みが生じます。特に女性に多く見られ、その解剖学的特徴(尿道が短く、肛門や膣に近い)が関連していると考えられています[1]。
膀胱炎が排尿痛の主な原因となるのはなぜですか?
膀胱炎(ぼうこうえん)は、細菌が尿道から膀胱に侵入し、膀胱の粘膜に炎症を引き起こす病気です。排尿痛の最も一般的な原因の一つであり、特に女性に多く見られます[1]。日常診療では、「おしっこをする時にツーンとした痛みがある」「排尿の最後にキリキリする」と訴えて受診される方が非常に多く、典型的な膀胱炎の症状であることがほとんどです。
主な症状:
- 排尿時の痛み(特に排尿の終わり頃)
- 頻尿(トイレに行く回数が増える)
- 残尿感(排尿後も尿が残っている感じ)
- 尿の濁り、血尿
- 下腹部痛、不快感
原因菌: 大腸菌(Escherichia coli)が原因菌の約80%を占めるとされていますが、ブドウ球菌や肺炎桿菌なども原因となることがあります[4]。これらの細菌が尿道から侵入し、膀胱内で増殖することで炎症が起こります。
治療法: 膀胱炎の治療は、主に抗菌薬の内服です。尿検査で原因菌を特定し、その菌に効果のある抗菌薬を数日から1週間程度服用します。症状が改善しても、医師の指示通りに最後まで薬を飲み切ることが重要です。筆者の臨床経験では、適切な抗菌薬を服用すれば、通常2〜3日で症状の改善を実感される方が多いです。しかし、自己判断で服用を中止すると再発や薬剤耐性菌の発生につながる可能性があるため注意が必要です。
腎盂腎炎(じんうじんえん)も排尿痛の原因になりますか?
腎盂腎炎(じんうじんえん)は、細菌が膀胱からさらに上行して腎臓にまで感染が及んだ状態です。膀胱炎よりも重症で、高熱や腰背部痛を伴うことが特徴です[1]。排尿痛自体は膀胱炎ほど強くないこともありますが、感染が広範囲に及んでいるため全身症状が顕著に出ます。
主な症状:
- 高熱、悪寒
- 腰や背中の痛み(特に片側)
- 全身倦怠感、吐き気、嘔吐
- 膀胱炎と同様の排尿症状(頻尿、排尿痛、残尿感)
治療法: 軽症の場合は経口抗菌薬で治療可能ですが、重症の場合や経口摂取が難しい場合は入院して点滴による抗菌薬治療が必要となります。適切な治療を行わないと、敗血症などの重篤な状態に進行する可能性もあるため、早期の診断と治療が不可欠です。
性感染症(STD)が排尿痛を引き起こすことはありますか?
性感染症(STD: Sexually Transmitted Diseases)も、排尿痛の重要な原因の一つです。特に、クラミジア感染症や淋菌感染症、ヘルペスウイルス感染症などが挙げられます。これらの感染症は、尿道炎や膣炎を引き起こし、排尿時の痛みを伴います。日常診療では、若い世代の患者さんから「排尿時に違和感がある」「尿道から膿が出ている」といった訴えがあり、性感染症を疑って検査を進めるケースも少なくありません。
主な性感染症と症状:
- クラミジア感染症: 男性では尿道炎による排尿痛や尿道からの分泌物、女性では無症状のことも多いですが、子宮頸管炎や骨盤内炎症性疾患を引き起こすことがあります。
- 淋菌感染症: 男性では強い排尿痛と多量の膿性分泌物、女性では無症状のこともありますが、子宮頸管炎や骨盤内炎症性疾患の原因となります。
- 性器ヘルペス: 性器周辺に水疱や潰瘍ができ、強い痛みや排尿痛を伴います。特に初感染時は症状が強く出やすい傾向があります。
治療法: 性感染症の種類に応じて、抗菌薬や抗ウイルス薬が用いられます。パートナーへの感染拡大を防ぐため、パートナーも同時に検査・治療を受けることが推奨されます。治療が遅れると、不妊症や慢性的な骨盤内炎症など、重篤な合併症を引き起こす可能性があるため、早期の受診が重要です。
感染症以外の原因による排尿痛とは?
排尿痛は感染症が原因であることが多いですが、細菌やウイルス以外の要因によっても引き起こされることがあります。これらの原因は多岐にわたり、診断には感染症の可能性を排除した上で、詳細な問診や検査が必要となります。
間質性膀胱炎(かんしつせいぼうこうえん)と排尿痛の関係は?
間質性膀胱炎(かんしつせいぼうこうえん)は、膀胱の壁に炎症が起こり、排尿痛、頻尿、尿意切迫感などの症状が慢性的に続く病気です。一般的な膀胱炎と異なり、細菌感染が原因ではないため、抗菌薬では改善しません。実際の診療では、「何度も膀胱炎を繰り返していると言われたけど、抗菌薬を飲んでもなかなか良くならない」と相談される患者さまも少なくありません。このようなケースでは、間質性膀胱炎の可能性を考慮して検査を進めることがあります。
- 間質性膀胱炎
- 膀胱の粘膜下組織に慢性的な炎症が生じる疾患で、細菌感染を伴わない。原因は不明な点が多いが、自己免疫疾患や神経因性因子などが関与すると考えられている。
主な症状:
- 膀胱の痛みや不快感(尿が溜まると悪化し、排尿で一時的に緩和されることが多い)
- 頻尿、尿意切迫感
- 骨盤部の慢性疼痛
治療法: 確立された治療法はまだありませんが、症状を緩和するための様々なアプローチがあります。食事療法(刺激物の制限)、薬物療法(抗ヒスタミン薬、抗うつ薬、鎮痛剤など)、膀胱水圧拡張術、膀胱内注入療法などが行われます。個々の患者さんの症状や重症度に合わせて治療法が選択されます。
尿路結石や腫瘍が排尿痛の原因になることはありますか?
尿路結石(にょうろけっせき)や膀胱腫瘍(ぼうこうしゅよう)も、排尿痛を引き起こす可能性があります。これらは感染症とは異なるメカニズムで痛みを生じさせます。
- 尿路結石: 腎臓や尿管、膀胱に結石ができる病気です。結石が尿路を刺激したり、尿の流れを妨げたりすることで、激しい脇腹の痛み(疝痛発作)、血尿、頻尿、そして排尿痛を引き起こすことがあります。特に結石が膀胱に近い尿管や膀胱内にある場合、排尿時の痛みが強くなる傾向があります。
- 膀胱腫瘍: 膀胱内にできた腫瘍が、膀胱の粘膜を刺激したり、炎症を引き起こしたりすることで、排尿痛、頻尿、血尿などの症状を呈することがあります。特に無痛性の血尿で発見されることが多いですが、進行すると排尿時の不快感や痛みを伴うことがあります。
診断と治療: これらの疾患の診断には、尿検査、超音波検査、X線検査、CT検査、膀胱鏡検査などが行われます。治療法は、結石の大きさや位置、腫瘍の種類や進行度によって異なります。結石の場合は、水分摂取の指導、鎮痛剤、体外衝撃波結石破砕術(ESWL)、内視鏡手術などがあります。腫瘍の場合は、手術による切除、化学療法、放射線療法などが検討されます。
薬剤やアレルギー、物理的刺激による排尿痛とは?
排尿痛は、特定の薬剤の使用やアレルギー反応、あるいは物理的な刺激によっても生じることがあります。これらは感染症や構造的な問題とは異なるアプローチで診断・治療されます。
- 薬剤性膀胱炎: 特定の抗がん剤(例: シクロホスファミド)などは、膀胱の粘膜に直接的な刺激を与え、炎症や出血、排尿痛を引き起こすことがあります。
- アレルギー性接触皮膚炎: 石鹸、ボディソープ、生理用品、下着の素材などが原因で、尿道口や外陰部にアレルギー反応が生じ、排尿時に痛みを感じることがあります。
- 物理的刺激: カテーテル留置による尿道の刺激や、自転車のサドルによる会陰部の圧迫なども、一時的な排尿痛の原因となることがあります。また、過度な性行為による摩擦なども原因となり得ます。
治療法: 薬剤性の場合は原因薬剤の変更や症状緩和薬の投与、アレルギー性の場合は原因物質の特定と回避、ステロイド外用薬の使用などが行われます。物理的刺激の場合は、原因となる行為の回避や改善が重要です。実際の診療では、特に女性の患者さんで「新しい下着に変えてから痒みと排尿時のヒリヒリ感がある」といった訴えを聞くことがあり、生活習慣や使用している製品について詳しく問診することで原因が判明することがあります。
更年期以降の女性に見られる萎縮性膣炎とは?
更年期以降の女性では、女性ホルモン(エストロゲン)の減少により、膣や尿道の粘膜が薄くなり、乾燥しやすくなる「萎縮性膣炎(いしゅくせいちつえん)」が生じることがあります。これにより、排尿痛、頻尿、性交時痛、外陰部の乾燥感や痒みなどの症状が現れることがあります[3]。
メカニズム: エストロゲンは膣や尿道の粘膜の健康を保つために重要なホルモンです。その分泌が減少すると、粘膜の弾力性が失われ、薄く脆弱になります。これにより、細菌感染に対する抵抗力も低下し、軽い刺激でも炎症を起こしやすくなるため、排尿痛を感じやすくなります。
治療法: ホルモン補充療法(HRT)が有効な治療法の一つです。膣に直接エストロゲンを補充する膣坐薬や膣クリーム、あるいは全身投与のホルモン剤などが用いられます[3]。また、保湿剤の使用や、刺激の少ない下着の着用なども症状緩和に役立ちます。臨床現場では、更年期症状で受診された患者さんから「最近、排尿時にしみるような痛みがある」と相談されることが多く、萎縮性膣炎が原因であることがしばしばあります。
排尿痛の応急処置・市販薬・受診先とは?

排尿痛が生じた際、すぐに医療機関を受診できない場合や、症状が軽度である場合に、ご自身でできる応急処置や市販薬について知っておくことは大切です。しかし、根本的な解決には専門医の診断と治療が必要であることを理解しておく必要があります。
自宅でできる応急処置と、その効果は?
排尿痛の症状を一時的に和らげるために、自宅でできるいくつかの応急処置があります。これらはあくまで一時的な対処であり、根本的な治療ではないことを理解した上で実践してください。
- 水分を多めに摂る: 水分を多く摂ることで尿量が増え、膀胱内の細菌や刺激物質を洗い流す効果が期待できます。特に、水やお茶などカフェインを含まない飲み物が推奨されます。
- 体を温める: 下腹部や腰を温めることで、血行が促進され、痛みが和らぐことがあります。温かいお風呂に入る、カイロを使用するなどが考えられます。
- 刺激物を避ける: カフェイン、アルコール、香辛料などの刺激物は膀胱を刺激し、症状を悪化させる可能性があります。症状がある間は控えるようにしましょう。
- 安静にする: 体を休めることで免疫力が回復し、症状の改善につながることがあります。
これらの応急処置は、あくまで一時的な症状緩和を目的としたものであり、症状が改善しない場合や悪化する場合は、速やかに医療機関を受診してください。特に発熱や腰痛を伴う場合は、重症化する可能性があるため、自己判断で様子を見ずに受診が必須です。
排尿痛に効果が期待できる市販薬には何がありますか?
市販薬の中には、排尿痛やそれに伴う不快感を一時的に和らげる効果が期待できるものがあります。主に、漢方薬や鎮痛成分を含む内服薬、尿路消毒作用を謳う製品などです。
- 漢方薬: 五淋散(ごりんさん)などは、排尿痛、頻尿、残尿感などの尿路症状に用いられることがあります。炎症を抑えたり、利尿作用を促したりする効果が期待されます。
- 鎮痛剤: ロキソプロフェンやイブプロフェンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は、痛みを和らげる効果があります。ただし、炎症そのものを治すわけではありません。
- 尿路消毒作用を謳う製品: クランベリーエキスなどを含むサプリメントや、特定の成分が尿路の健康維持をサポートするとされる製品もあります。これらは予防的な意味合いが強く、治療効果は限定的です。
市販薬使用の注意点: 市販薬は症状を一時的に抑えるものであり、感染症が原因の場合、根本的な治療にはなりません。症状が改善しない場合や悪化する場合は、速やかに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが重要です。特に、発熱や血尿、腰痛を伴う場合は、市販薬で様子を見ずに受診してください。実臨床では、市販薬で数日様子を見てから受診され、症状が進行していたというケースも経験します。早期受診が重症化を防ぐ鍵となります。
排尿痛で受診すべき医療機関と、その診療フローは?
排尿痛を感じた場合、適切な診断と治療を受けるために、早めに医療機関を受診することが推奨されます。特に、症状が強い場合や、発熱などの全身症状を伴う場合は、速やかな受診が必要です。
受診すべき医療機関:
- 泌尿器科: 尿路系の専門医がいるため、最も適切な診療が受けられます。男性、女性問わず受診可能です。
- 婦人科(女性の場合): 女性の場合、膀胱炎や性感染症、萎縮性膣炎など、婦人科疾患と関連する場合もあるため、婦人科でも相談できます。
- 内科: かかりつけの内科医でも、一般的な膀胱炎などの診断・治療は可能です。必要に応じて専門医への紹介も行われます。
一般的な診療フロー:
- 問診: いつから、どのような痛みか、頻尿や残尿感の有無、発熱や腰痛の有無、性交渉歴、既往歴、服用中の薬など、詳細な情報を確認します。
- 尿検査: 尿中の白血球、赤血球、細菌の有無などを調べます。感染症の有無や程度を判断する上で非常に重要です[2]。必要に応じて、尿培養検査を行い、原因菌と薬剤感受性を調べます。
- 血液検査: 炎症の程度や腎機能などを評価するために行われることがあります。
- 画像検査: 尿路結石や腫瘍が疑われる場合、超音波検査、X線検査、CT検査などが行われます。
- 診断と治療: 検査結果に基づき診断を行い、抗菌薬の内服、鎮痛剤の処方、生活指導など、適切な治療を開始します。
- フォローアップ: 治療効果の確認や再発予防のため、必要に応じて再診を指示します。
日々の診療では、問診で患者さんの症状を詳細に聞き取り、尿検査で感染の有無を迅速に確認することが、適切な診断と治療に繋がる重要なステップです。特に、発熱や腰痛を伴う場合は、腎盂腎炎の可能性を考慮し、より迅速な対応を心がけています。
症状の掛け合わせ(排尿痛+〇〇)でわかることは?
排尿痛は単独で現れることもありますが、他の症状と組み合わさることで、より具体的な原因疾患を推測する手がかりとなります。複数の症状を総合的に評価することが、正確な診断への第一歩です。
排尿痛と発熱・腰痛が同時に起こる場合、何が疑われますか?
排尿痛に加えて発熱や腰痛が同時に現れる場合、これは尿路感染症が膀胱だけでなく、腎臓にまで及んでいる可能性が高いことを示唆します。特に、腎盂腎炎(じんうじんえん)が強く疑われます[1]。臨床現場では、発熱と腰痛を伴う排尿痛で受診された患者さんには、腎盂腎炎を念頭に置いて迅速な検査と治療を開始します。
腎盂腎炎の主な特徴:
- 高熱: 38℃以上の発熱が一般的で、悪寒や震えを伴うこともあります。
- 腰背部痛: 片側または両側の腰から背中にかけての痛みで、叩くと響くような痛み(叩打痛)が特徴的です。
- 全身倦怠感: 体のだるさや吐き気、嘔吐を伴うこともあります。
- 排尿症状: 膀胱炎と同様に、頻尿、排尿痛、残尿感が見られることがあります。
腎盂腎炎は重症化すると敗血症に移行するリスクがあるため、これらの症状が同時に現れた場合は、速やかに医療機関を受診し、適切な抗菌薬治療を受けることが非常に重要です。入院して点滴治療が必要となるケースもあります。
排尿痛と血尿が同時に起こる場合、何が考えられますか?
排尿痛と血尿(けつにょう)が同時に現れる場合、いくつかの原因が考えられます。血尿は肉眼で確認できるもの(肉眼的血尿)と、尿検査で初めてわかるもの(顕微鏡的血尿)があります。
主な原因:
- 急性膀胱炎: 最も一般的な原因です。膀胱の炎症が強い場合、粘膜から出血し、排尿痛と同時に血尿が見られることがあります[4]。
- 尿路結石: 結石が尿路の粘膜を傷つけることで、激しい痛みとともに血尿が生じることがあります。特に、結石が動く際に強い痛みと血尿を伴うことが多いです。
- 膀胱腫瘍: 膀胱がんなどの腫瘍が出血し、血尿を呈することがあります。排尿痛を伴うこともありますが、無痛性の血尿で発見されることも少なくありません。
- 腎盂腎炎: 重度の腎盂腎炎でも、血尿を伴うことがあります。
血尿は、尿路系の疾患を示す重要なサインです。特に肉眼的血尿が見られた場合は、感染症だけでなく、結石や腫瘍などの可能性も考慮し、早急に泌尿器科を受診することが強く推奨されます。診察では、「血尿が出たので心配になった」と受診される患者さんも多く、血尿の有無は診断を進める上で非常に重要な情報となります。
男性の排尿痛と、その原因にはどのような特徴がありますか?
男性の排尿痛は、女性とは異なる原因や特徴を持つことがあります。男性の尿道は女性よりも長く、膀胱炎の頻度は女性より低いですが、前立腺に関連する疾患が原因となることがあります。
男性特有の排尿痛の原因:
- 急性前立腺炎: 前立腺に細菌感染が起こることで、排尿痛、頻尿、残尿感、会陰部痛、発熱などを伴います。特に若い男性にも見られます。
- 慢性前立腺炎/慢性骨盤痛症候群: 細菌感染が証明されない場合でも、慢性的な会陰部痛、排尿痛、頻尿などの症状が続くことがあります。原因は複雑で、治療も長期にわたることがあります。
- 精巣上体炎(副睾丸炎): 精巣上体に炎症が起こることで、陰嚢の腫れや痛み、発熱、そして排尿痛を伴うことがあります。
- 性感染症(STD): クラミジアや淋菌による尿道炎は、男性の排尿痛の一般的な原因です。尿道からの分泌物を伴うことが多いです。
男性の場合、前立腺の疾患が排尿痛の重要な原因となるため、これらの症状が見られた場合は泌尿器科を受診し、適切な診断を受けることが重要です。実際の診療では、「排尿時に尿道がヒリヒリする」「下腹部や股の付け根が痛い」といった男性の患者さんの訴えから、前立腺炎や性感染症を疑い、検査を進めることが多いです。
まとめ

排尿痛は、日常的によく見られる症状ですが、その原因は単純な膀胱炎から、性感染症、尿路結石、腫瘍、さらには全身疾患まで多岐にわたります。最も一般的な原因は細菌感染による膀胱炎であり、適切な抗菌薬治療で比較的短期間に改善が期待できます。しかし、発熱や腰痛、血尿を伴う場合は、腎盂腎炎や尿路結石、膀胱腫瘍など、より重篤な疾患の可能性も考慮し、速やかな医療機関の受診が不可欠です。市販薬や応急処置は一時的な症状緩和に留め、自己判断で治療を遅らせることなく、専門医の診断と治療を受けることが大切です。特に、症状が改善しない、悪化する、あるいは再発を繰り返す場合は、必ず医療機関で相談し、適切な検査と治療を受けるようにしてください。
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- Karyn B Kolman. Cystitis and Pyelonephritis: Diagnosis, Treatment, and Prevention.. Primary care. 2019. PMID: 31030820. DOI: 10.1016/j.pop.2019.01.001
- Ariel Hoffman, Katelyn A Dolezal, Rob Powell. Dysuria: Evaluation and Differential Diagnosis in Adults.. American family physician. 2025. PMID: 39823614
- Monica M Christmas, Shilpa Iyer, Cassandra Daisy et al.. Menopause hormone therapy and urinary symptoms: a systematic review.. Menopause (New York, N.Y.). 2023. PMID: 37192832. DOI: 10.1097/GME.0000000000002187
- Richard Colgan, Mozella Williams. Diagnosis and treatment of acute uncomplicated cystitis.. American family physician. 2011. PMID: 22010614
- ロキソニン(ロキソプロフェン)添付文書(JAPIC)
- イブプロフェン(イブプロフェン)添付文書(JAPIC)

