【排尿痛 原因 治し方】排尿痛の原因と治し方|専門医が解説

排尿痛 原因 治し方
最終更新日: 2026-04-10
📋 この記事のポイント
  • ✓ 排尿痛の多くは尿路感染症が原因ですが、感染症以外の原因も考慮が必要です。
  • ✓ 症状が続く場合は、自己判断せずに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが重要です。
  • ✓ 症状に応じた応急処置や市販薬もありますが、根本的な解決には専門医の診察が不可欠です。
※ 本記事は医療に関する情報提供を目的としています。個別の症状については、かかりつけの医療機関にご相談ください。

排尿痛とは、排尿時に感じる痛みや不快感の総称です。この痛みは、尿道の入り口から膀胱、時には腎臓に至るまでの尿路のどこかに炎症や刺激があることを示唆しています。特に女性に多く見られますが、男性や小児にも起こり得る一般的な症状です。排尿痛は、その原因によって痛みの種類や程度、伴う症状が異なります。

細菌・ウイルス感染による排尿痛とは?

尿路感染症による排尿時の痛み、膀胱炎や性感染症の主な原因と症状
細菌・ウイルス感染と排尿痛

細菌・ウイルス感染による排尿痛は、主に尿路感染症が原因で起こる痛みです。尿路感染症は、尿道から細菌が侵入し、膀胱や腎臓などの尿路に炎症を引き起こす病態を指します。臨床の現場では、初診時に「おしっこをする時にしみるような痛みがある」と相談される患者さんも少なくありません。

膀胱炎が排尿痛の主な原因となるのはなぜですか?

膀胱炎は、細菌が膀胱に侵入し、炎症を起こすことで排尿痛を引き起こす最も一般的な原因の一つです。特に女性は尿道が短く、肛門や膣からの細菌が膀胱に到達しやすいため、男性よりも膀胱炎になりやすい傾向があります[1]。大腸菌(Escherichia coli)が原因菌となることが最も多く、全体の75〜95%を占めると報告されています[4]。症状としては、排尿時の痛みだけでなく、頻尿(排尿回数が増える)、残尿感(排尿後も尿が残っている感じ)、下腹部痛、血尿などが挙げられます。実臨床では、これらの典型的な症状で受診される患者さんが多くいらっしゃいます。

尿路感染症
尿の通り道である尿路(腎臓、尿管、膀胱、尿道)に細菌やウイルスが感染して炎症を起こす疾患の総称です。女性に多く見られますが、男性にも発症することがあります。

尿道炎も排尿痛の原因になりますか?

尿道炎は、尿道に炎症が起こることで排尿痛を引き起こします。男性では、性感染症(STI)が原因となることが多く、淋菌性尿道炎や非淋菌性尿道炎(クラミジアなどが原因)が代表的です。これらの感染症は、排尿痛に加えて、尿道からの分泌物(膿や粘液)や尿道のかゆみなどを伴うことがあります。女性の場合も、クラミジアや淋菌感染症が尿道炎を引き起こすことがあり、子宮頸管炎を合併していることも少なくありません。実際の診療では、性交渉の経験やパートナーの症状について詳しく問診することが、適切な診断につながる重要なポイントになります。

腎盂腎炎による排尿痛の特徴とは?

腎盂腎炎は、膀胱炎が悪化し、細菌が尿管をさかのぼって腎臓にまで達して炎症を起こす病気です。排尿痛に加えて、高熱(38℃以上)、悪寒、腰や背中の痛み、吐き気、嘔吐などの全身症状を伴うことが特徴です。腎盂腎炎は重症化すると敗血症などの命に関わる状態になることもあるため、これらの症状が見られる場合は速やかに医療機関を受診する必要があります。日常診療では、これらの症状を訴える患者さんには、緊急性を考慮して迅速な検査と治療を心がけています。診断には尿検査、血液検査、場合によっては画像検査が行われます[1]

ウイルス感染による排尿痛のケースはありますか?

細菌感染が排尿痛の主な原因ですが、ウイルス感染も排尿痛を引き起こすことがあります。例えば、単純ヘルペスウイルス感染症(性器ヘルペス)は、性器周辺に水疱や潰瘍を形成し、排尿時に尿が病変部に触れることで強い痛みを引き起こすことがあります。また、水痘・帯状疱疹ウイルスが原因で尿路症状が出現するケースも稀に報告されています。これらのウイルス感染による排尿痛は、皮膚症状を伴うことが多く、視診が診断の重要な手がかりとなります。

感染症以外の原因による排尿痛とは?

排尿痛は必ずしも感染症が原因とは限りません。感染症以外の要因によっても排尿時の不快感や痛みが引き起こされることがあります。臨床の現場では、「検査で菌が見つからないのに排尿痛が続く」という患者さんもいらっしゃり、感染症以外の原因を探ることが重要です。

間質性膀胱炎が排尿痛を引き起こすメカニズムは何ですか?

間質性膀胱炎は、膀胱の粘膜下に慢性的な炎症が起こる疾患で、排尿痛、頻尿、尿意切迫感などの症状を特徴とします。特に、膀胱に尿が溜まると痛みが増し、排尿すると一時的に痛みが和らぐという特徴的な症状が見られます。この疾患は、膀胱の保護層が損傷し、尿中の刺激物質が膀胱壁に直接触れることで炎症が起こると考えられています。診断が難しく、他の疾患を除外した上で診断されることが多いです。治療を始めて数ヶ月ほどで「以前より痛みが軽減された」とおっしゃる方が多いですが、根気強い治療が必要です。

閉経後の女性に排尿痛が多いのはなぜですか?

閉経後の女性に排尿痛が多く見られるのは、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌量低下が大きく関与しています。エストロゲンは、尿道や膀胱の粘膜の健康を保つ役割を担っています。閉経によりエストロゲンが減少すると、これらの組織が薄く、乾燥しやすくなり、炎症や刺激を受けやすくなります。これを萎縮性腟炎(またはGSM: Genitourinary Syndrome of Menopause)と呼びます[3]。萎縮性腟炎では、排尿痛の他に、性交痛、膣の乾燥感、かゆみなどの症状が伴うことがあります。診察の中で、閉経後の女性にこれらの症状が複合的に現れているのを実感しています。

原因主な症状特徴
膀胱炎排尿痛、頻尿、残尿感、下腹部痛、血尿最も一般的、女性に多い、細菌感染
尿道炎排尿痛、尿道分泌物、かゆみ性感染症が原因となることが多い
間質性膀胱炎膀胱充満時の痛み、頻尿、尿意切迫感慢性的な炎症、診断が難しい
萎縮性腟炎排尿痛、性交痛、膣の乾燥感閉経後の女性に多い、エストロゲン低下

薬剤や刺激物による排尿痛の可能性はありますか?

特定の薬剤の副作用として排尿痛が生じることがあります。例えば、一部の抗がん剤や免疫抑制剤は、膀胱の粘膜に刺激を与え、炎症を引き起こすことがあります。また、カフェインやアルコール、香辛料などの刺激物の過剰摂取も、尿を介して膀胱や尿道を刺激し、排尿痛や頻尿を悪化させることが知られています。さらに、陰部を洗う石鹸やボディソープ、生理用品、避妊具などに含まれる化学物質が刺激となり、尿道口周辺の炎症を引き起こすケースも臨床で経験します。これらの場合は、原因となる物質の使用を中止することで症状が改善することが期待できます。

その他、結石や腫瘍が排尿痛の原因となることもありますか?

尿路結石や膀胱腫瘍も排尿痛の原因となることがあります。尿路結石は、尿の通り道に石が詰まることで、激しい痛みや血尿、排尿痛を引き起こします。特に、結石が尿道を通過する際に強い痛みを伴うことがあります。膀胱腫瘍の場合、初期には無症状であることが多いですが、進行すると排尿痛、血尿、頻尿などの症状が現れることがあります。これらの疾患は、感染症とは異なるアプローチでの診断と治療が必要となります。排尿痛が持続し、特に血尿を伴う場合は、これらの重篤な疾患の可能性も考慮し、早急な精密検査が推奨されます[2]

排尿痛の応急処置・市販薬・受診先とは?

排尿痛を和らげるための応急処置、市販薬の選び方と医療機関受診の目安
排尿痛の対処法と受診判断

排尿痛は不快な症状であり、日常生活に大きな影響を与えることがあります。症状が出た際にどのように対処すべきか、またどのような場合に医療機関を受診すべきかを知っておくことは重要です。実際の診療では、症状が軽いうちに受診していれば、もっと早く改善できたのに、というケースをよく経験します。

排尿痛の症状が出た場合の応急処置には何がありますか?

排尿痛の症状が出た場合、まずは以下の応急処置を試すことで、一時的に症状が和らぐ可能性があります。

  • 水分を十分に摂取する: 尿量を増やすことで、膀胱内の細菌を洗い流す効果が期待できます。ただし、腎機能に問題がある場合は医師に相談してください。
  • 体を温める: 下腹部や腰を温めることで、痛みが和らぐことがあります。温かいお風呂に入る、カイロを使用するなどが有効です。
  • カフェインやアルコール、刺激物を避ける: これらは膀胱を刺激し、症状を悪化させる可能性があるため、摂取を控えることが推奨されます。
  • 安静にする: 体を休めることで、免疫力の回復を促し、症状の改善につながることがあります。
⚠️ 注意点

これらの応急処置は一時的な症状緩和を目的としたものであり、根本的な治療ではありません。症状が改善しない場合や悪化する場合は、速やかに医療機関を受診してください。

排尿痛に効果が期待できる市販薬はありますか?

市販薬の中には、排尿痛や頻尿などの尿路症状を緩和する効果が期待できるものもあります。例えば、漢方薬の猪苓湯(ちょれいとう)や五淋散(ごりんさん)は、炎症を抑えたり、排尿をスムーズにしたりする作用があるとされています。また、痛みに対しては、市販の解熱鎮痛剤(アセトアミノフェンやイブプロフェンなど)が一時的な症状緩和に役立つことがあります。ただし、これらの市販薬は対症療法であり、感染症が原因の場合は根本的な治療にはなりません。特に、細菌感染が原因の膀胱炎では、抗生物質による治療が不可欠です[4]。市販薬を使用しても症状が改善しない、または悪化する場合は、必ず医療機関を受診してください。

排尿痛で受診すべき医療機関はどこですか?

排尿痛の症状がある場合、まずは泌尿器科を受診するのが適切です。女性の場合は、婦人科でも相談できる場合がありますが、尿路感染症の専門は泌尿器科です。小児の場合は小児科、妊娠中の場合は産婦人科でも相談が可能です。医療機関では、尿検査(尿中の細菌や白血球の有無、潜血などを確認)、問診、必要に応じて血液検査や超音波検査などが行われ、原因を特定します。特に、発熱や腰痛を伴う場合、血尿が見られる場合、症状が改善しない場合は、重症化する前に早めに受診することが重要です。日々の診療では、患者さんの症状を丁寧に聞き取り、適切な検査と治療方針を提案することを心がけています。

症状の掛け合わせ(排尿痛+〇〇)とは?

排尿痛は単独で現れることもありますが、他の症状と組み合わさることで、原因疾患を特定する重要な手がかりとなることがあります。これらの複合的な症状は、診断の精度を高め、適切な治療へと導くために不可欠です。実際の診療では、排尿痛以外の症状について詳しくお聞きすることが、診断の鍵となることが多々あります。

排尿痛と発熱・悪寒を伴う場合の注意点は何ですか?

排尿痛に加えて、発熱(特に38℃以上の高熱)や悪寒、全身倦怠感を伴う場合は、腎盂腎炎の可能性が高いです。腎盂腎炎は、膀胱炎が進行し、細菌が腎臓にまで到達して炎症を起こす重篤な状態です。腰や背中の痛み、吐き気、嘔吐などを伴うこともあります。このような症状が見られる場合は、速やかに医療機関を受診し、抗生物質による治療を開始する必要があります。放置すると、腎機能障害や敗血症(全身に炎症が広がる危険な状態)を引き起こす可能性があり、命に関わることもあります。外来診療では、これらの症状を訴える患者さんには、緊急性を考慮して迅速な対応を最優先としています。

排尿痛と血尿が同時に現れるのはどのようなケースですか?

排尿痛と血尿が同時に現れる場合、最も一般的なのは膀胱炎です。膀胱の炎症が強いと、尿中に血液が混じることがあります。しかし、血尿は膀胱炎以外の深刻な病気のサインである可能性もあります。例えば、尿路結石(腎臓、尿管、膀胱に石ができる病気)は、排尿痛だけでなく、結石が尿路を傷つけることで血尿や激しい痛みを引き起こします。また、膀胱がんや腎臓がんなどの悪性腫瘍が原因で血尿が生じることもあります。特に、痛みを伴わない血尿(無症候性血尿)は、悪性腫瘍の可能性も考慮し、精密検査が必要です。初診時に「血尿が出た」と相談される患者さんには、その性状や他の症状の有無を詳しく確認し、適切な検査計画を立てるようにしています[2]

排尿痛と性器の違和感(かゆみ・おりもの)がある場合は?

排尿痛に加えて、性器のかゆみ、異常なおりもの、性交時の痛みなどの症状がある場合は、性感染症(STI)や膣炎の可能性が考えられます。女性の場合、膣カンジダ症や細菌性膣症、トリコモナス膣炎などが膣の炎症を引き起こし、排尿痛を伴うことがあります。また、クラミジア感染症や淋菌感染症は、尿道炎や子宮頸管炎を引き起こし、排尿痛、尿道からの分泌物、下腹部痛などを伴うことがあります。男性の場合は、尿道炎が原因で排尿痛や尿道からの分泌物、かゆみが生じることがあります。これらの症状が見られる場合は、パートナーへの感染拡大を防ぐためにも、早期に医療機関を受診し、適切な検査と治療を受けることが重要です。実際の診療では、性交渉の状況やパートナーの症状についても確認し、総合的に判断します。

排尿痛と頻尿・残尿感を伴う場合の鑑別点は?

排尿痛に頻尿(排尿回数が多い)や残尿感(排尿後も尿が残っている感じ)を伴う場合、最も疑われるのは膀胱炎です。膀胱の炎症によって膀胱が過敏になり、少量でも尿が溜まると尿意を感じやすくなるため、頻尿や残尿感が生じます。しかし、感染症以外の原因でもこれらの症状は現れます。例えば、過活動膀胱は、膀胱の収縮が過敏になることで、急な尿意(尿意切迫感)、頻尿、夜間頻尿などを引き起こしますが、排尿痛は伴わないことが多いです。一方、間質性膀胱炎は、膀胱充満時に痛みが強くなり、排尿後に一時的に痛みが和らぐという特徴的な排尿痛、頻尿、尿意切迫感を伴います。これらの症状の組み合わせから、原因疾患を鑑別し、適切な治療法を選択することが重要です。

まとめ

排尿痛の主な原因と適切な治療法、日常生活での予防策の要点
排尿痛の症状と対策のまとめ

排尿痛は、尿路感染症をはじめとする様々な原因によって引き起こされる症状です。細菌やウイルス感染による膀胱炎や尿道炎が最も一般的ですが、間質性膀胱炎、萎縮性腟炎、薬剤の副作用、尿路結石、腫瘍など、感染症以外の原因も考慮する必要があります。排尿痛に加えて、発熱、血尿、性器の違和感、頻尿、残尿感などの他の症状を伴う場合は、その組み合わせが診断の重要な手がかりとなります。応急処置や市販薬で一時的に症状が和らぐこともありますが、根本的な治療には医療機関での正確な診断と適切な治療が不可欠です。症状が続く場合や悪化する場合は、重篤な疾患の可能性も考慮し、速やかに泌尿器科などの専門医を受診することが推奨されます。

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よくある質問(FAQ)

排尿痛は自然に治りますか?
軽度の膀胱炎など、原因によっては自然に軽快することもありますが、多くの場合は医療的な介入が必要です。特に細菌感染が原因の場合、放置すると腎盂腎炎など重篤な合併症を引き起こす可能性があるため、自己判断せずに医療機関を受診することをお勧めします。
排尿痛がある場合、どのような検査が行われますか?
一般的には尿検査が行われ、尿中の細菌、白血球、赤血球(潜血)の有無を確認します。必要に応じて、尿培養検査で原因菌を特定し、適切な抗生物質を選択します。また、問診、腹部超音波検査、血液検査などが追加で行われることもあります。
排尿痛を予防するためにできることはありますか?
排尿痛の予防には、十分な水分摂取、排尿を我慢しない、排便後に前から後ろに拭く(女性の場合)、性行為後の排尿、デリケートゾーンを清潔に保つなどが有効です。また、閉経後の女性は、萎縮性腟炎の治療を検討することも予防につながります。
この記事の監修
👨‍⚕️
高他大暉
泌尿器科医
👨‍⚕️
吉田春生
泌尿器科医