狭心症・心筋梗塞の症状|胸痛と119番を呼ぶ目安を詳しく解説

坂道を歩いている途中に胸の圧迫感を覚えて立ち止まる高齢者のイメージ
循環器内科|症状と救急判断

狭心症・心筋梗塞の症状と救急受診の目安

痛みの強さだけに頼らず、続く時間、運動との関係、冷汗・息苦しさ、いつもとの違いで判断します。

最終更新 2026.09.06医学レビュー 2026.09.06
今すぐ持続する症状は救急
繰り返す休んで治っても受診
胸痛なし胸痛がない例にも注意
結論から

胸の中央が締めつけられる・押される感じが安静でも続き、冷汗、息苦しさ、吐き気、失神を伴う場合は119番を考えてください。腕・肩・背中・顎・みぞおちへ広がることもあります。休むと治る場合でも、歩行や坂道で繰り返すなら狭心症の可能性があるため、早めに循環器内科へ相談します。

このページで分かること
  • 119番を呼ぶ症状は?
  • 休むと治る胸痛は放置してよい?
  • 胸痛がない心筋梗塞はある?
最初に知っておきたい言葉
放散痛(ほうさんつう)
胸から腕・肩・背中・顎などへ広がって感じる痛みです。
不安定狭心症
新しく始まった、回数が増えた、安静時にも出るなど悪化した狭心症です。
非典型症状
典型的な胸の圧迫感以外の、息苦しさ、吐き気、だるさなどの症状です。
急性冠症候群(ACS)
心筋梗塞や不安定狭心症など、緊急評価が必要な状態です。
01

安静でも続く胸部圧迫感と冷汗・息苦しさでは119番を考える

救急車を呼ぶ目安

胸の圧迫感・締めつけが数分以上続く、いったん治っても繰り返す、腕・肩・背中・顎へ広がる、冷汗、息苦しさ、吐き気、失神・意識変化を伴う場合です。

本人に運転させず、救急隊へ発症時刻、症状、服用薬、既往歴を伝えます。いつもの狭心症発作より長い・強い・安静時にも出る場合も緊急評価が必要です。[1][2]

02

歩行や坂道で繰り返し、休むと軽くなる症状も受診する

安定狭心症では、歩行、階段、坂道、寒い朝、重い物を持つなど、心臓へ負担がかかる場面で胸の圧迫感が起こり、休むと軽くなることがあります。胃もたれ、歯や顎の違和感、肩や腕の重さとして感じる場合もあります。[3][4]

坂道を歩いている途中に胸の圧迫感を覚えて立ち止まる高齢者のイメージ
図|歩行や坂道で繰り返す胸の圧迫感は相談する 休むと治まっても、同じ程度の運動で繰り返す場合は早めに循環器内科へ相談します。

「休めば治るから安全」ではありません。新しく始まった場合、頻度が増えた場合、軽い動作で出るようになった場合は早めに相談します。

03

高齢者・女性・糖尿病では胸痛が目立たないことがある

息苦しさ、吐き気、冷汗、急な疲労、ふらつき、意識変化だけが前面に出ることがあります。属性だけで症状を決めつけず、本人にとって急な変化か、動作との関係があるかを見ます。症状の組み合わせだけで心筋梗塞を確定・除外できないことは診断メタ解析でも示されています。[2][5]

04

発症時刻、続いた時間、誘因、広がり、伴う症状を伝える

いつ

始まった時刻、何分続いたか、繰り返した回数。

何をしていた

歩行、坂道、食事、安静、睡眠中など。

どんな感じ

圧迫、締めつけ、焼ける、刺す、触ると痛いなど。

一緒に出た症状

冷汗、息苦しさ、吐き気、動悸、失神、発熱。

診察室から

日々の循環器内科診療では、痛みを0〜10で聞くだけでなく、「いつもの坂道をどこまで歩くと出るか」「立ち止まると何分で治るか」を確認します。症状が軽くても再現性が高い場合や、以前より少ない運動で出る場合は検査の優先度が上がります。

05

薬の追加や移動を自己判断せず、安全な救急対応を優先する

自分で運転しない
途中で症状や不整脈が悪化する可能性があります。
処方された発作時薬
個別の指示どおりに使用し、改善しない場合は救急要請します。血圧低下などの注意があります。
市販薬で様子を見ない
胃薬や鎮痛薬への反応だけで心臓由来を除外できません。
無理に飲食しない
呼吸が苦しい、意識が悪い場合は飲食させず救急隊を待ちます。
06

押すと痛い、若い、症状が軽いだけでは安全と言い切れない

胸壁を押して同じ痛みが出る場合は筋骨格由来を考える手掛かりですが、急性冠症候群を完全には除外できません。診断は症状、診察、心電図、高感度トロポニン、必要な画像検査を組み合わせます。[5][6]

強い症状があるときは、この記事で自己診断せず救急相談を優先してください。

07

よくある質問

チクチクする短い痛みなら心臓ではありませんか?

心臓以外の原因が多いものの、症状だけで完全には除外できません。冷汗や息苦しさ、運動との関係、持病を含めて判断します。

休むと胸痛が治ったので様子を見てよいですか?

運動で繰り返すなら早めに循環器内科へ相談してください。いつもより長い・強い・安静時にも出る場合は救急評価を考えます。

血圧が正常なら心筋梗塞ではありませんか?

正常な血圧でも心筋梗塞は否定できません。症状が持続する場合は数値だけで判断しません。

救急車を待つ間に何を準備しますか?

お薬手帳、保険証、アレルギー、発症時刻、既往歴を準備し、玄関を開け、本人を一人にしないでください。

08

参考文献