【その他の注入治療】|美容医療の選択肢を医師が解説

その他の注入治療
その他の注入治療|美容医療の選択肢を医師が解説
最終更新日: 2026-06-22
📋 この記事のポイント
  • ✓ PDRN注射はサーモン由来成分で肌の再生を促し、小ジワやハリの改善が期待できます。
  • ✓ リジュラン注射やスネコス注射は、それぞれ独自の成分配合で肌の根本的な若返りを目指す治療法です。
  • ✓ 脂肪溶解注射は、顔の部分的な脂肪を減らし、すっきりとしたフェイスラインを形成するのに役立ちます。
※ 本記事は医療に関する情報提供を目的としています。個別の症状については、かかりつけの医療機関にご相談ください。

美容医療の分野では、メスを使わずに肌の若返りや部分的なボディラインの改善を目指す「注入治療」が多岐にわたります。ヒアルロン酸やボトックス注射が広く知られていますが、近年ではPDRN、リジュラン、スネコス、脂肪溶解注射など、様々な目的と効果を持つ新しい注入治療が登場しています。これらの治療法は、それぞれ異なるメカニズムで肌の再生を促したり、脂肪を減少させたりすることで、患者さんの多様なニーズに応えています。本記事では、これらの「その他の注入治療」について、専門医の視点からその効果や特徴、適応について詳しく解説します。

PDRN(ポリデオキシリボヌクレオチド)注射:サーモン注射の効果とは?

PDRNサーモン注射による肌再生メカニズムと期待される美容効果
PDRNサーモン注射の効果

PDRN(ポリデオキシリボヌクレオチド)注射、通称「サーモン注射」は、サーモンのDNAから抽出された成分を主成分とする注入治療です。この治療は、肌の細胞再生を促進し、組織修復を助けることで、肌の若返りや健康的な状態への回復を目指します。

PDRNのメカニズムと期待できる効果

PDRNは、ヒトのDNAと非常に類似した構造を持つポリヌクレオチドの一種です。体内に注入されると、細胞の増殖や線維芽細胞の活性化を促し、コラーゲンやエラスチンの生成を促進すると考えられています。これにより、肌のハリや弾力の改善、小ジワの軽減、肌のトーンアップ、毛穴の引き締めといった効果が期待できます。また、抗炎症作用も報告されており、肌の赤みや炎症の鎮静にも寄与する可能性があります。

実臨床では、特に目の下の小ジワや肌全体のくすみ、ハリの低下を訴える患者さんにPDRN注射を提案することが多く、治療開始から数週間で肌のキメが整い、自然なツヤが出てきたと喜ばれるケースをよく経験します。繰り返し治療を受けることで、より長期的な肌質の改善が期待できるでしょう。

PDRN注射の適応と注意点

PDRN注射は、以下のような肌の悩みに適応があります。

  • 小ジワやちりめんジワが気になる方
  • 肌のハリや弾力の低下を感じる方
  • 肌のくすみや乾燥が気になる方
  • ニキビ跡や傷跡の改善を目指したい方

一般的にダウンタイムは比較的短いですが、注射部位に一時的な赤み、腫れ、内出血が生じることがあります。これらの症状は数日で自然に治まることがほとんどです。アレルギー反応は稀ですが、魚介類アレルギーのある方は事前に医師に申告する必要があります。

⚠️ 注意点

PDRN注射は、即効性よりも徐々に肌質を改善していく治療です。効果を実感するためには、複数回の治療が必要となる場合が多いです。また、効果の持続期間には個人差があります。

リジュラン注射:肌再生・小ジワ改善の効果とは?

リジュラン注射が肌の小ジワを改善し、肌質を再生する様子
リジュラン注射による肌再生

リジュラン注射は、PDRNと同様にサーモン由来のポリヌクレオチドを主成分とする注入治療ですが、その純度や分子量、製剤の特性に違いがあります。肌の自己再生能力を高め、根本的な肌質改善を目指す点が特徴です。

リジュランの作用機序と期待される効果

リジュランの主成分であるポリヌクレオチドは、皮膚の線維芽細胞を活性化させ、コラーゲンやエラスチンといった肌の構成成分の産生を促進します。これにより、肌の弾力性や水分保持能力が向上し、小ジワの改善、肌のハリ感アップ、毛穴の目立ちにくさ、肌のトーンアップといった効果が期待できます。また、皮膚のバリア機能の強化や皮脂バランスの調整にも寄与すると考えられています。

日常診療では、「肌が乾燥しやすくなった」「化粧ノリが悪くなった」と相談される方が少なくありません。リジュラン注射は、このような肌の根本的な悩みにアプローチし、内側から潤いとハリを取り戻す手助けをします。特に、目の周りのデリケートな小ジワや首の横ジワに対して、他の治療では難しい自然な改善効果を実感される患者さんもいらっしゃいます。

リジュランの種類と適応部位

リジュランには、目的や注入部位に応じていくつかの種類があります。

  • リジュラン(Rejuran Healer):顔全体の肌質改善、ハリ・弾力アップ、小ジワ改善に。
  • リジュランi(Rejuran i):目の周りのデリケートな皮膚の小ジワやクマの改善に特化。
  • リジュランs(Rejuran s):ニキビ跡の凹みや傷跡、ストレッチマークなどのボリュームアップに。

注入部位は顔全体、首、手の甲など多岐にわたります。治療後のダウンタイムとして、注射部位に一時的な膨らみ(ポコつき)、赤み、内出血が生じることがありますが、通常は数日から1週間程度で改善します。

ポリヌクレオチドとは
核酸を構成するヌクレオチドが多数結合した高分子化合物で、DNAやRNAの主要な構成要素です。生体内で細胞の成長や修復に関与し、美容医療では肌の再生能力を高める目的で用いられます。

スネコス注射:ヒアルロン酸+アミノ酸の肌質改善効果とは?

スネコス注射は、非架橋ヒアルロン酸と6種類のアミノ酸を組み合わせた製剤を注入することで、肌の真皮層に直接働きかけ、コラーゲンやエラスチンの生成を促進する新しいタイプの注入治療です。肌の自然な再生能力を引き出すことに重点を置いています。

スネコスの独自成分と作用

スネコスの最大の特徴は、独自の配合比率でブレンドされた非架橋ヒアルロン酸とアミノ酸(グリシン、L-プロリン、L-リジン塩酸塩、L-アラニン、L-バリン、L-ロイシン)です。これらのアミノ酸は、コラーゲンやエラスチンの主要な構成要素であり、ヒアルロン酸と組み合わせることで、線維芽細胞の活性化を強力にサポートします。これにより、肌の弾力性、水分量、ハリの改善が期待でき、特に目の下のクマや小ジワ、肌の薄さといったデリケートな悩みに効果を発揮しやすいとされています。

外来診療では、「目の下のクマがメイクで隠しきれない」「肌が薄くなって血管が透けて見える」と訴えて受診される患者さんが増えています。スネコス注射は、このような繊細な部位の肌質改善に有効な選択肢の一つです。筆者の臨床経験では、治療開始2〜3ヶ月ほどで目の下のハリ感が向上し、クマが目立たなくなったと実感される方が多いです。

スネコス注射の適応部位と治療の流れ

スネコス注射は、以下のような部位や症状に適応があります。

  • 目の下のクマや小ジワ
  • 顔全体のハリ・弾力低下
  • 首の横ジワ
  • 手の甲の若返り

治療は通常、1〜2週間おきに4回程度の施術が推奨され、その後は数ヶ月に一度のメンテナンスを行うことで効果の維持が期待できます。ダウンタイムは比較的短く、注射部位のわずかな赤みや腫れ、内出血程度で、通常は数日で治まります。

脂肪溶解注射(顔):BNLS・カベリンの効果と適応

脂肪溶解注射BNLSとカベリンによる顔の輪郭形成と小顔効果
顔の脂肪溶解注射BNLSカベリン

脂肪溶解注射は、薬剤を直接脂肪組織に注入することで、脂肪細胞を破壊し、体外への排出を促す治療法です。特に顔の部分的な脂肪を減らし、フェイスラインをすっきりさせる目的で広く用いられています。BNLSとカベリンは、現在主流となっている脂肪溶解注射の代表的な製剤です。

BNLSとカベリンの成分と作用の違い

脂肪溶解注射のメカニズムは、注入された薬剤が脂肪細胞の膜を破壊し、中の脂肪を乳化させて体外へ排出させるというものです。BNLSとカベリンは、それぞれ異なる成分を主としています。

  • BNLS:植物由来の成分(セイヨウトチノキ、オキナグサ、アデノシン三リン酸など)を主成分とし、脂肪分解作用に加えて、リンパ循環促進作用や肌の引き締め作用も期待できます。比較的ダウンタイムが短いのが特徴です。
  • カベリン:デオキシコール酸を主成分とし、脂肪細胞を直接破壊する作用が強力です。デオキシコール酸は、米国FDA(食品医薬品局)で脂肪溶解効果が認められている成分です。BNLSよりも効果が高いとされる一方で、腫れや痛みがやや強く出る傾向があります。

臨床現場では、患者さんの脂肪量やダウンタイムの許容度、期待する効果の度合いによって、BNLSとカベリンを使い分けたり、組み合わせて提案したりします。例えば、「フェイスラインを少しだけすっきりさせたいけれど、腫れるのは困る」という方にはBNLSを、「二重あごをしっかり減らしたい」という方にはカベリンを検討することが多いです。

顔の脂肪溶解注射の適応部位と注意点

顔の脂肪溶解注射は、以下のような部位に適応があります。

  • 二重あご(顎下)
  • 頬(ジョールファット)
  • フェイスライン
  • 鼻(小鼻の脂肪)

治療後は、注入部位に腫れ、赤み、内出血、痛みが生じることがあります。特にカベリンではこれらの症状が強く出やすい傾向があります。通常は数日から1週間程度で治まりますが、完全に落ち着くまでには個人差があります。また、効果を実感するためには複数回の治療が必要となることが多いです。

項目BNLSカベリン
主成分植物由来成分デオキシコール酸
脂肪溶解効果穏やか強力
ダウンタイム比較的短いやや長い(腫れ・痛み)
付加効果リンパ循環促進、引き締め特になし(脂肪溶解に特化)

まとめ

美容医療における注入治療は、その種類と目的が多様化しており、PDRN、リジュラン、スネコス、脂肪溶解注射など、様々な選択肢があります。PDRNやリジュラン、スネコスは、それぞれ異なるアプローチで肌の再生を促し、ハリや弾力、小ジワの改善を目指します。一方、脂肪溶解注射は、顔の部分的な脂肪を減らし、すっきりとしたフェイスラインを形成するのに有効です。これらの治療法は、メスを使わない手軽さから人気を集めていますが、それぞれに特徴や適応、ダウンタイムが異なります。

どの治療法がご自身の悩みに最も適しているかは、個々の肌の状態、脂肪の量、期待する効果、ダウンタイムの許容度によって異なります。専門医による適切な診断とカウンセリングを受け、ご自身の状況に合った治療法を選択することが重要です。安全かつ効果的な治療のために、信頼できる医療機関で相談することをお勧めします。

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よくある質問(FAQ)

Q1: 注入治療は痛みがありますか?
A1: 注射による痛みは個人差がありますが、一般的に麻酔クリームの使用や極細針の使用、または製剤に麻酔薬が配合されていることで、痛みを軽減することが可能です。治療前に医師と痛みの対策について相談することをお勧めします。
Q2: 注入治療の効果はどれくらい持続しますか?
A2: 効果の持続期間は、治療の種類、注入量、個人の体質や生活習慣によって大きく異なります。PDRNやリジュラン、スネコスなどの肌再生治療は、複数回の治療で効果を実感しやすくなり、数ヶ月から1年程度の持続が期待できることが多いです。脂肪溶解注射も複数回の治療で効果が定着しやすくなります。定期的なメンテナンスで効果を維持することが推奨されます。
Q3: 注入治療の副作用にはどのようなものがありますか?
A3: 一般的な副作用として、注入部位の赤み、腫れ、内出血、痛み、硬結などが挙げられます。これらは通常、数日から1週間程度で自然に治まります。稀にアレルギー反応や感染、神経損傷などの重篤な合併症が発生する可能性もゼロではありません[4]。特に、脊髄への誤った薬剤注入は重篤な神経学的合併症を引き起こすリスクがあるため、注入治療は解剖学的知識と経験豊富な医師が行うべきです[1][2]。また、眼内注射では、適切な抗生物質の選択が重要となります[3]。治療を受ける際は、リスクとベネフィットを十分に理解し、疑問点があれば遠慮なく医師に質問してください。
この記事の監修
👨‍⚕️
丸岩裕磨
美容皮膚科医
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