呼吸器はどこからどこまで?鼻から肺胞までを医師が解説

鼻腔から喉頭、気管、左右の気管支と肺までを前面から示す呼吸器の医学イラスト
Respiratory medicine / Airway

鼻から肺胞までの空気の通り道

吸った空気がどこを通り、どのように整えられるかを順番に追います。

更新日 2026.10.18監修日 2026.10.18
入り口鼻で加温・加湿
分岐気管支が樹状に細く
到着肺胞でガス交換
結論から

空気は鼻または口から入り、咽頭、喉頭、気管、主気管支、葉気管支、細気管支と分かれながら肺胞へ進みます。気管から終末細気管支までは主に空気を運び、肺胞に近い呼吸領域でガス交換が始まります。鼻から肺胞までは、空気を整え、異物を排出する防御経路でもあります。[1][2]

01

空気は太い一本の管から、左右の肺で細い枝に分かれる

気管は胸の中で左右の主気管支に分かれ、さらに肺葉と肺区に向かって枝分かれします。末梢の細気管支は軟骨を持たず、周囲の平滑筋の収縮で狭くなりやすい部位です。[2][3]

鼻腔から喉頭、気管、左右の気管支と肺までを前面から示す呼吸器の医学イラスト
図|空気は鼻・口から気管支を経て肺へ届く 正常な構造を説明する生成イラストで、診断用画像ではありません。
診察室から

問診では、鼻づまりや嗅声なのか、胸のゼーゼーなのか、痰を伴う咳なのかを分けます。同じ「呼吸がしづらい」でも、症状の出る場所と時間帯で検査の優先順位が変わります。

02

鼻腔・咽頭・喉頭は、空気の入り口と交差点

鼻腔では空気が粘膜に触れ、温められ、湿らされ、大きな粒子が捕まえられます。咽頭は空気と食べ物が通る交差点で、喉頭は声門の開閉によって呼吸、発声、誤嚥防止に関わります。[1][2]

03

気管と気管支は空気を分配し、細気管支は抵抗を調整する

気管と太い気管支は軟骨によって形が保たれます。細い気道ほど平滑筋の影響が大きく、喘息では収縮と炎症により空気が通りにくくなります。末端の呼吸細気管支、肺胞管、肺胞嚢へ進むとガス交換の領域に入ります。[2][3]

04

粘液が異物を捕まえ、線毛が咽頭側へ運ぶ

気道上皮の粘液は吸入粒子や病原体を捕まえ、線毛の協調した動きで咽頭側へ運ばれます。この粘液線毛クリアランスと咳反射は防御の重要な層です。[2][4]

痰はすべて「肺の奥」からではない

鼻からの後鼻漏、上気道の分泌物、気管支の粘液などが混じるため、色や量だけで原因部位は決めません。

05

喉頭は、呼吸・発声・飲み込みを切り替える

声門は呼吸時に開き、発声時に声帯を振動させます。飲み込みでは食べ物が気管に入らないよう閉鎖が起こります。声が急に出ない、息を吸う時に首で高い音がする、唆液が飲み込めない場合は早めの対面評価が必要です。

06

呼吸音と症状が出る場所を診断の手がかりにする

急な強い息苦しさは、仕組みを調べるより受診を優先

会話が難しい、唇が青紫色、意識がぼんやりする、突然の胸痛を伴う場合は119番を考えてください。

緊急時は119番へ

吸気時に首で聞こえる高い音は上気道狭窄、呼気時の胸のゼーゼーは下気道狭窄の手がかりになります。ただし、音の表現だけで自己診断はできません。急な呼吸困難は緊急度を優先します。

07

よくある質問

上気道と下気道の境目はどこですか?

区分法により表現は多少異なりますが、一般に鼻腔・咽頭・喉頭を上気道、気管から末梢側を下気道として解説します。

右の気管支に誤嚥しやすいのはなぜですか?

右主気管支は左より太く短く、より垂直に近い角度で分かれるためです。実際の誤嚥部位は姿勢などでも変わります。

痰は必ず飲み込んでも大丈夫ですか?

通常は問題ありませんが、血痰、量が多い、息苦しさや発熱を伴う場合は診察を受けてください。

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参考文献