HPVワクチン|対象年齢・回数・副反応と期限

HPVワクチンの接種計画を示す図
Pediatrics / Human papillomavirus vaccine

HPVワクチン
対象年齢・回数・副反応と期限

何回受けるかは、1回目を受けた年齢で変わります。回数や費用だけでなく、注射の痛みや副反応への不安も、本人と一緒に相談しましょう。

最終更新 2026.09.05医学レビュー 2026.09.05
START AGE1回目の年齢を見る
INTERVAL必要な間隔も確認
CONSULT本人の不安も相談
結論から

HPVワクチンは、子宮頸がんなどを予防するためのワクチンです。定期接種は小学6年~高校1年相当の女子が対象です。2026年度は9価ワクチンを使い、1回目が15歳になる前なら通常2回、15歳以降なら3回受けます。過去に受けそびれた方向けの国の制度は、2026年3月末で終了しました。[1][2]

接種後、受診を急ぐのはどんなとき?

接種後の症状でも、ワクチンが原因とは限りません。急な変化は原因の判断より受診を優先します。

今すぐ119番

呼吸が苦しい、唇が青紫、意識が戻らない、呼びかけへの反応が弱い、けいれんが続く。倒れて反応がないときは、失神と決めつけず医療スタッフを呼び、必要なら119番へ。

早めに医療機関へ

長引く痛み、しびれ、だるさ、日常生活に支障のある症状。接種医へ相談し、必要に応じて地域の協力医療機関につなげてもらいます。

記録しながら観察

軽い症状だけで、呼吸・顔色・反応が普段どおり、水分がとれて、おしっこも出ている場合。悪化や長引く症状は相談してください。

相談時のメモ:ワクチン名、接種日時、症状の開始時刻、水分がとれているか・おしっこが出ているか、使った薬。迷う場合は子ども医療電話相談 #8000も利用できます。緊急時は記録を後回しにしてください。

01

将来の子宮頸がんを予防するために受けます

HPVは子宮頸がんなどの原因になるウイルスです。ワクチンはHPVへの感染や、感染に伴う病気を予防します。すでにある感染やがんを治すものではないため、感染する前に受けておくことが大切です。9価ワクチンは、9種類のHPVに対応しています。[1]

HPVワクチンの回数は初回接種時の年齢で確認。接種の間隔や対象年齢は、この後の本文・表で説明
図1|HPVワクチンの回数は初回接種時の年齢で確認 確認の順序を示す模式図です。対象年齢・製剤・これまでの接種記録による条件は本文で確認してください。

ワクチンですべての子宮頸がんを防げるわけではありません。接種した方も、成人後には年齢や自治体の制度に応じた子宮頸がん検診を受けます。ワクチンを受けた後も、検診を続けることが大切です。[1]

02

1回目を15歳になる前に受けたかで、回数が変わります

9価HPVワクチンの接種回数と標準間隔
区分標準の予定間隔の注意
初回が15歳未満通常2回:初回と6か月後2回の間隔が5か月未満の場合は3回目が必要
初回が15歳以降通常3回:初回、2か月後、6か月後予定どおりでない場合は個別に間隔を確認
定期接種の対象小学6年~高校1年相当の女子標準は中学1年。2026年度は9価が対象

3回受ける予定で、表の時期に受けられない場合は、2回目は初回から1か月以上、3回目は2回目から3か月以上あけます。必要な回数だけでなく、接種の間隔も大切です。予約の際は、1回目を受けた年齢と、これまでの接種日を医療機関に伝えましょう。[1][3]

03

途中で止まっている方へ:次の接種と費用の確認

「キャッチアップ接種」は、以前に受ける機会を逃した女性のための制度です。国が設けた経過措置では、対象の女性が2025年3月31日までに接種を開始している等の条件で、残りの接種を2026年3月31日まで原則無料で受けられました。現在(2026年9月)はその期限を過ぎています。今から受ける場合の費用は、お住まいの自治体や医療機関へ確認してください。[2]

接種が途中ならワクチンの名前と接種日を持って相談間が空いてしまっても、まずは接種記録を持って相談しましょう。これまでに受けた分を確認して、次の予定を決めます。2025年度までに2価・4価で始めた方の継続方法、自治体独自の助成、任意接種の費用を確認します。[1]

男性への接種や自治体独自助成は、この女子の定期接種とは別の扱いです。受けられる年齢やワクチンの種類、費用の助成について、医療機関や自治体へ確認してください。

04

接種後は座って休み、続く症状は相談しましょう

注射部位の痛みや腫れ、発熱などがみられます。注射への緊張や痛みで失神することもあるため、接種後は30分程度、背もたれのある椅子などで待機し、急に立ち上がらないようにします。気分が悪いときはスタッフに伝えてください。[1]

接種後に長引く痛み、しびれ、だるさなどがあれば、ワクチンが原因かどうか分からなくても、症状を診てもらえます。接種医やかかりつけ医に相談し、必要に応じて都道府県の協力医療機関を紹介してもらいます。「気のせい」として我慢する必要はありません。[1]

妊娠や重いアレルギー歴は事前相談妊娠している、熱がある、重い病気で体調が悪い、以前ワクチンで重いアレルギー反応が出た、といったことは接種前に必ず伝えてください。[1]
05

本人が気になっていることも、一緒に相談しましょう

母子健康手帳のワクチンの名前、初回の年齢、それぞれの接種日をそろえます。注射で気分が悪くなった経験や接種への不安も伝えてください。保護者が説明を聞くだけでなく、本人が疑問を話せる時間を設けると相談しやすくなります。

診察室から|相談のポイント

痛み、副反応、将来への影響など、本人が気になっている点を言葉にして持参しましょう。接種後の待機場所や体調が悪くなった際の連絡先も確認できます。次回の予定は、初回の年齢と接種日をもとに接種医と決めてください。[1]

公的資料をもとに編集部が整理した相談のヒントです。医師本人の診療経験や発言の引用ではありません。

06

研究では、子宮頸がんを減らす効果が報告されています

2025年のCochrane(コクラン)のレビューは、HPVワクチンを広く使い始めた後に、関連する病気や接種後の症状がどう変わったかをまとめています。スウェーデンや英国で多くの人を調べた研究でも、若い年齢での接種と子宮頸がんの減少との関連が報告されています。[4][5][6]

予防効果があっても、検診は必要です研究では、ワクチン以外の生活習慣や検診の受け方なども結果に影響する可能性があります。また、使ったワクチンや調べた期間も異なります。接種は予防に役立ちますが、がんや副反応を完全になくせるわけではありません。
FAQ

よくある質問

14歳で1回目、15歳で2回目でも2回ですか?

初回を15歳になる前に受けた場合は、通常2回法の対象です。ただし必要な接種間隔などの条件もあるため、接種日を医療機関で確認してください。

キャッチアップ接種は今も全国一律に無料ですか?

国の経過措置の期限は2026年3月31日でした。現在の通常の定期接種対象か、自治体独自助成があるかを分けて確認してください。

接種すると子宮頸がん検診は不要ですか?

不要にはなりません。すべての原因となるHPV型を防ぐわけではなく、すでにある感染を治すものでもありません。成人後は自治体等の案内に沿って検診を受けます。

接種後の痛みが続くときはどこへ相談しますか?

接種医やかかりつけ医へ、接種日時と症状の経過、生活への影響を伝えてください。必要に応じて都道府県の協力医療機関につなげてもらえます。

REF

参考文献