HPVワクチン
対象年齢・回数・副反応と期限
何回受けるかは、1回目を受けた年齢で変わります。回数や費用だけでなく、注射の痛みや副反応への不安も、本人と一緒に相談しましょう。
HPVワクチンは、子宮頸がんなどを予防するためのワクチンです。定期接種は小学6年~高校1年相当の女子が対象です。2026年度は9価ワクチンを使い、1回目が15歳になる前なら通常2回、15歳以降なら3回受けます。過去に受けそびれた方向けの国の制度は、2026年3月末で終了しました。[1][2]
接種後、受診を急ぐのはどんなとき?
接種後の症状でも、ワクチンが原因とは限りません。急な変化は原因の判断より受診を優先します。
呼吸が苦しい、唇が青紫、意識が戻らない、呼びかけへの反応が弱い、けいれんが続く。倒れて反応がないときは、失神と決めつけず医療スタッフを呼び、必要なら119番へ。
長引く痛み、しびれ、だるさ、日常生活に支障のある症状。接種医へ相談し、必要に応じて地域の協力医療機関につなげてもらいます。
軽い症状だけで、呼吸・顔色・反応が普段どおり、水分がとれて、おしっこも出ている場合。悪化や長引く症状は相談してください。
相談時のメモ:ワクチン名、接種日時、症状の開始時刻、水分がとれているか・おしっこが出ているか、使った薬。迷う場合は子ども医療電話相談 #8000も利用できます。緊急時は記録を後回しにしてください。
将来の子宮頸がんを予防するために受けます
HPVは子宮頸がんなどの原因になるウイルスです。ワクチンはHPVへの感染や、感染に伴う病気を予防します。すでにある感染やがんを治すものではないため、感染する前に受けておくことが大切です。9価ワクチンは、9種類のHPVに対応しています。[1]

ワクチンですべての子宮頸がんを防げるわけではありません。接種した方も、成人後には年齢や自治体の制度に応じた子宮頸がん検診を受けます。ワクチンを受けた後も、検診を続けることが大切です。[1]
1回目を15歳になる前に受けたかで、回数が変わります
| 区分 | 標準の予定 | 間隔の注意 |
|---|---|---|
| 初回が15歳未満 | 通常2回:初回と6か月後 | 2回の間隔が5か月未満の場合は3回目が必要 |
| 初回が15歳以降 | 通常3回:初回、2か月後、6か月後 | 予定どおりでない場合は個別に間隔を確認 |
| 定期接種の対象 | 小学6年~高校1年相当の女子 | 標準は中学1年。2026年度は9価が対象 |
3回受ける予定で、表の時期に受けられない場合は、2回目は初回から1か月以上、3回目は2回目から3か月以上あけます。必要な回数だけでなく、接種の間隔も大切です。予約の際は、1回目を受けた年齢と、これまでの接種日を医療機関に伝えましょう。[1][3]
途中で止まっている方へ:次の接種と費用の確認
「キャッチアップ接種」は、以前に受ける機会を逃した女性のための制度です。国が設けた経過措置では、対象の女性が2025年3月31日までに接種を開始している等の条件で、残りの接種を2026年3月31日まで原則無料で受けられました。現在(2026年9月)はその期限を過ぎています。今から受ける場合の費用は、お住まいの自治体や医療機関へ確認してください。[2]
男性への接種や自治体独自助成は、この女子の定期接種とは別の扱いです。受けられる年齢やワクチンの種類、費用の助成について、医療機関や自治体へ確認してください。
接種後は座って休み、続く症状は相談しましょう
注射部位の痛みや腫れ、発熱などがみられます。注射への緊張や痛みで失神することもあるため、接種後は30分程度、背もたれのある椅子などで待機し、急に立ち上がらないようにします。気分が悪いときはスタッフに伝えてください。[1]
接種後に長引く痛み、しびれ、だるさなどがあれば、ワクチンが原因かどうか分からなくても、症状を診てもらえます。接種医やかかりつけ医に相談し、必要に応じて都道府県の協力医療機関を紹介してもらいます。「気のせい」として我慢する必要はありません。[1]
本人が気になっていることも、一緒に相談しましょう
母子健康手帳のワクチンの名前、初回の年齢、それぞれの接種日をそろえます。注射で気分が悪くなった経験や接種への不安も伝えてください。保護者が説明を聞くだけでなく、本人が疑問を話せる時間を設けると相談しやすくなります。
痛み、副反応、将来への影響など、本人が気になっている点を言葉にして持参しましょう。接種後の待機場所や体調が悪くなった際の連絡先も確認できます。次回の予定は、初回の年齢と接種日をもとに接種医と決めてください。[1]
公的資料をもとに編集部が整理した相談のヒントです。医師本人の診療経験や発言の引用ではありません。
研究では、子宮頸がんを減らす効果が報告されています
2025年のCochrane(コクラン)のレビューは、HPVワクチンを広く使い始めた後に、関連する病気や接種後の症状がどう変わったかをまとめています。スウェーデンや英国で多くの人を調べた研究でも、若い年齢での接種と子宮頸がんの減少との関連が報告されています。[4][5][6]
よくある質問
14歳で1回目、15歳で2回目でも2回ですか?
初回を15歳になる前に受けた場合は、通常2回法の対象です。ただし必要な接種間隔などの条件もあるため、接種日を医療機関で確認してください。
キャッチアップ接種は今も全国一律に無料ですか?
国の経過措置の期限は2026年3月31日でした。現在の通常の定期接種対象か、自治体独自助成があるかを分けて確認してください。
接種すると子宮頸がん検診は不要ですか?
不要にはなりません。すべての原因となるHPV型を防ぐわけではなく、すでにある感染を治すものでもありません。成人後は自治体等の案内に沿って検診を受けます。
接種後の痛みが続くときはどこへ相談しますか?
接種医やかかりつけ医へ、接種日時と症状の経過、生活への影響を伝えてください。必要に応じて都道府県の協力医療機関につなげてもらえます。
参考文献
- 厚生労働省:HPVワクチンに関するQ&A(2026年3月25日更新)
- 厚生労働省:HPVワクチンのキャッチアップ接種(経過措置の期限)
- 厚生労働省:HPVワクチン(対象・接種スケジュール・相談体制)
- Henschke N, et al. Effects of human papillomavirus (HPV) vaccination programmes on community rates of HPV-related disease and harms from vaccination. Cochrane Database Syst Rev. 2025. 系統的レビュー. PMID: 41276264
- Lei J, et al. HPV Vaccination and the Risk of Invasive Cervical Cancer. N Engl J Med. 2020. 全国コホート研究. PMID: 32997908
- Falcaro M, et al. The effects of the national HPV vaccination programme in England, UK, on cervical cancer and grade 3 cervical intraepithelial neoplasia incidence: a register-based observational study. Lancet. 2021. PMID: 34741816
TOCグループ
医療法人御照会を中心に、対面診療・オンライン診療・医療情報・医療機関支援を行うグループです。

