日本脳炎ワクチン|接種時期・回数・特例と副反応

日本脳炎ワクチンの接種計画を示す図
Pediatrics / Japanese encephalitis vaccine

日本脳炎ワクチン
接種時期・回数・特例と副反応

3歳ごろに2回、その約1年後に1回、9歳ごろに1回が目安です。途中で間が空いたときも、接種記録をもとに次の予定を相談できます。

最終更新 2026.09.05医学レビュー 2026.09.05
FIRST初回は2回
BOOSTER1期追加を忘れずに
SCHOOL9歳で2期を確認
結論から

日本脳炎ワクチンは、幼児期に3回、9歳ごろに1回の計4回が基本です。目安は3歳ごろに2回、その約1年後に1回、9歳ごろに1回です。この目安の時期を過ぎても、すぐに受けられなくなるわけではありません。母子健康手帳を持って医療機関へ相談し、残りの回数と期限を確認しましょう。[1][2]

接種後、受診を急ぐのはどんなとき?

接種後の症状でも、ワクチンが原因とは限りません。急な変化は原因の判断より受診を優先します。

今すぐ119番

呼吸が苦しい、唇が青紫、意識が戻らない、呼びかけへの反応が弱い、けいれんが続く。全身のじんましんに息苦しさを伴う場合も救急対応が必要です。

早めに医療機関へ

高熱が続く、激しい頭痛、繰り返す嘔吐、歩き方の変化、普段と違う強い眠気など。意識や呼吸の異常は119番を優先します。

記録しながら観察

軽い症状だけで、呼吸・顔色・反応が普段どおり、水分がとれて、おしっこも出ている場合。悪化や長引く症状は相談してください。

相談時のメモ:ワクチン名、接種日時、症状の開始時刻、水分がとれているか・おしっこが出ているか、使った薬。迷う場合は子ども医療電話相談 #8000も利用できます。緊急時は記録を後回しにしてください。

01

蚊を通じてうつる日本脳炎を予防します

日本脳炎は蚊を介して感染し、発症すると脳の障害や後遺症を残すことがある病気です。人から人へ直接うつる感染症ではありません。患者の報告が少ない地域でもリスクがゼロとはいえず、蚊を避ける工夫とワクチンで備えます。[1]

日本脳炎ワクチンは幼児期3回と学童期1回。接種の間隔や対象年齢は、この後の本文・表で説明
図1|日本脳炎ワクチンは幼児期3回と学童期1回 確認の順序を示す模式図です。対象年齢・製剤・これまでの接種記録による条件は本文で確認してください。

現在、日本で使われているのは、感染する力をなくしたウイルスを使う「不活化ワクチン」です。以前使われていたワクチンとは作り方が異なります。過去の報道を見て不安がある方も、今使うワクチンについて医師に質問してください。[1]

02

3歳・4歳・9歳ごろを目安に、計4回受けます

日本脳炎ワクチンの標準時期と通常、原則無料で受けられる対象
区分標準の予定定期の対象
1期初回:2回3歳頃に開始。6~28日の間隔で2回1期は生後6か月~7歳6か月未満
1期追加:1回初回2回目からおおむね1年後。少なくとも6か月以上1期全体を7歳6か月未満で確認
2期:1回9歳頃9歳~13歳未満

表の「定期の対象」は、原則無料で受けられる年齢の範囲です。通常、受ける時期の目安は3歳からですが、事情によってはそれより早く受けることがあります。流行地域への滞在などで早期接種を検討する場合は、月齢・居住地・渡航計画を接種医に伝えてください。[1][2]

03

打ち忘れた方は、年齢と接種記録を確認しましょう

以前、国が接種の積極的な案内を控えていた時期に、受ける機会を逃した方のための特例があります。この特例は、1995年4月2日~2007年4月1日生まれで20歳未満の方の不足分が対象となる制度です。ただし2026年度には、この多くの方はすでに年齢上限を超えています。対象の生まれ年でも、20歳以上になるとこの特例は使えません。[3]

2026年度に期限を迎える方は早めに確認横浜市の2026年度案内では2006年4月2日~2007年4月1日生まれが20歳未満までの対象とされています。接種日までに年齢上限を超えないか、残り回数・必要間隔を自治体と確認してください。[3]

2007年4月2日~2009年10月1日生まれを対象にした「9歳~13歳未満で1期の不足分を受ける」別の救済措置は、全対象者が年齢上限を超え終了しています。以前の案内が手元にある方も、現在の年齢で利用できる制度を自治体へ確認しましょう。[3]

04

発熱や腫れのほか、普段と違う様子にも注意

注射部位の赤み・腫れ、発熱、発疹などがみられます。熱が長引く、歩き方がおかしい、いつもより強い眠気があるなど、普段と違う様子があれば医療機関へ相談してください。ADEM(急性散在性脳脊髄炎)は、脳や脊髄に炎症が起こる病気です。感染症の後などにも起こり、接種後の報告だけで原因がワクチンと確定するわけではありません。[1]

以前ワクチンで重いアレルギー反応(アナフィラキシー)が出た方や、熱がある方、重い病気で体調が悪い方は、接種を受けられない場合があります。これまでにけいれんを起こしたことや治療中の病気、以前の予防接種後の症状を事前に伝えてください。[1]

05

母子健康手帳で4回分の日付を確認しましょう

自治体から届いた予診票だけで残り回数を判断せず、母子健康手帳の1期初回2回、追加1回、2期1回の記録を確認します。途中で転居した、以前のワクチンの名前が違う、記録がない場合も、接種した医療機関や自治体に記録を問い合わせてから計画を立てます。[2]

診察室から|相談のポイント

4回分の欄を見て、接種日がある欄と空欄を分けてメモしましょう。「初回の2回だけで終わっていないか」「追加と2期は済んでいるか」を相談できます。特例が関係する場合は、生年月日と接種記録を伝え、残り回数と期限を具体的な日付で確認してください。[1][2]

公的資料をもとに編集部が整理した相談のヒントです。医師本人の診療経験や発言の引用ではありません。

06

「抗体ができること」と「病気を防ぐこと」の違い

23件の試験をまとめた研究では、ワクチンを受けた後にどのくらい抗体ができるか、副反応がどのくらいあるかを比べています。ただし、抗体の結果だけで「日本で使う2種類のうち、どちらが病気を防ぐのに優れているか」までは決められません。[4]

別の研究のまとめでも、使ったワクチンや受けた年齢、回数などに違いがあります。抗体ができても、感染を完全に防げるという意味ではありません。日本で勧められている予定に沿って、必要な4回を確認していきましょう。[5]

FAQ

よくある質問

2期を忘れたらどうしますか?

母子健康手帳を持ち、年齢と接種記録を確認してください。通常は9歳~13歳未満が2期の対象です。それ以外は特例や任意接種・助成の対象を自治体と相談します。

3歳になる前に受けられますか?

通常の1期対象は生後6か月からですが、標準は3歳からです。居住地や流行地への滞在などで早期接種を検討する場合は、小児科に相談してください。

以前の接種から何年も空いたら最初からですか?

間が空いても、最初から全部やり直すとは限りません。これまでに受けた日付を医師に見せ、あと何回必要か、次はいつ受けるかを相談しましょう。

20歳を過ぎても特例で無料になりますか?

この特例の年齢上限は20歳未満です。生まれ年が対象範囲でも上限を過ぎた方に一律に適用されません。接種の必要性と費用は医療機関・自治体へ確認してください。

REF

参考文献