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小児用肺炎球菌ワクチン|PCV20・接種時期・副反応と注意点

Pediatrics / Pneumococcal vaccine

小児用肺炎球菌ワクチン
PCV20・時期・副反応

現在のPCV20を基本に、PCV15で始めた記録、開始年齢で変わる回数、接種後の見方を整理します。

最終更新 2026.09.05医学レビュー 2026.09.05
20 ≠ 回数血清型の数
SERIES原則同じ製品で継続
LIMIT万能ではない
結論から

小児用肺炎球菌ワクチンは、肺炎球菌による髄膜炎や菌血症などの侵襲性感染症を防ぐ定期接種です。日本では2024年10月からPCV20が原則となり、PCV15も使用できます。標準的には生後2か月から初回3回と追加1回を行いますが、開始年齢で回数が変わります。PCV15で始めた場合は原則として同じ製品で続け、記録を接種医に確認します。[1]

まず30秒で接種後の緊急度を確認

ワクチン名が分からなくても、呼吸・顔色・反応・水分と症状が出た時刻で優先度を判断します。

今すぐ救急受診・119番

息が苦しい、唇や舌が腫れる、全身のじんましんに呼吸症状や繰り返す嘔吐を伴う、顔色が悪い、意識や反応が乏しい、けいれんが続く。

今日中に接種医・小児科へ相談

高熱が続いてぐったりする、飲めず尿が減る、接種部位の腫れや痛みが急速に広がる、繰り返し吐く、普段と明らかに反応が違う。

記録しながら観察しやすい

接種部位に限られた軽い痛み・赤み・腫れ、短時間の機嫌不良、全身状態がよく水分と尿が保たれている発熱。症状と時刻を記録します。

肺炎球菌
肺炎、髄膜炎、菌血症、中耳炎などを起こす細菌。
PCV
乳児でも免疫を作りやすくした肺炎球菌結合型ワクチン。
血清型
肺炎球菌の表面構造による型。PCVの数字は対応する型の数を示す。

相談時に伝えるメモ:接種日と時刻、ワクチン名、症状が始まった時刻、体温、接種部位の写真、呼吸・水分・尿・反応。緊急時は記録より受診を優先します。

01

肺炎球菌は髄膜炎・菌血症などを起こし得る

肺炎球菌は鼻やのどに存在することがある細菌で、中耳炎や肺炎のほか、血液や髄液へ入り込むと菌血症や細菌性髄膜炎を起こします。乳幼児は重い侵襲性感染症の影響を受けやすいため、低月齢からの接種が組まれています。

肺炎球菌結合型ワクチンのランダム化試験をまとめた系統的レビュー・メタ解析では、ワクチンに含まれる血清型による侵襲性感染症などへの効果が評価されています。子どもの接種が周囲の年齢層へ与える間接効果も報告されています。[2][3]

乳児を肺炎球菌から守る盾と、肺・血液・脳への感染を示す模式図を小児科医が確認する医療イラスト
図1|肺炎球菌ワクチンは重い侵襲性感染症を防ぐ 図は確認の順序を示す模式図で、個別の接種可否を決めるものではありません。
診察室から

診察室では「肺炎球菌を3回」のような回数だけでなく、母子健康手帳の製品欄でPCV13・PCV15・PCV20のどれかを確認します。製品名の20を20回接種と誤解しないよう、数字は対象となる血清型の数だと説明し、前回日から追加接種の時期を計算します。

02

PCV20とPCV15は対応する血清型の数が異なる

小児用肺炎球菌ワクチンの製品を確認する視点
製品現在の位置づけ接種歴の確認
PCV202024年10月以降の定期接種で原則使用製品名と回数を記録
PCV15定期接種で使用可能始めた場合は原則同じ製品で継続

PCV20は20種類、PCV15は15種類の血清型に対応します。数字は優劣を単純に示すものではなく、対応する血清型の範囲です。国内乳児を対象としたPCV20の第3相無作為化試験では、既存ワクチンとの免疫原性と安全性が評価されています。[1][4]

03

標準は生後2か月開始の初回3回と追加1回

標準的には生後2か月から初回3回を行い、追加接種は1歳以降、初回3回目から一定期間をあけて行います。開始が遅れた場合は、開始月齢に応じて必要回数と間隔が変わります。[1]

「3回受けたから完了」とは限らず、乳児期の初回3回と1歳以降の追加1回を分けて確認します。予定より間隔が空いた場合も、通常は済んだ有効な回数を生かし、現在の年齢から残りを組み直します。

04

対象血清型の重症感染を減らすが万能ではない

PCVはワクチンに含まれる血清型による侵襲性肺炎球菌感染症を減らします。しかし、すべての肺炎球菌血清型、すべての肺炎や中耳炎、別の細菌・ウイルスによる感染症を防ぐわけではありません。より広い小児データをまとめた近年の系統的レビューでも、有効性、免疫原性、安全性はアウトカムと製品を分けて評価されています。[5]

接種済みでも、高熱、呼吸苦、顔色不良、反応低下、けいれん、首を動かしにくいなどがあれば、ワクチン歴だけで重症感染を除外せず受診します。

05

副反応は局所の広がりと全身状態で判断する

接種部位の痛み、赤み、腫れ、発熱、機嫌不良などがみられます。乳児期は5種混合、B型肝炎、ロタなどと同時接種することが多く、発熱だけで原因となる製品を家庭で断定することはできません。

呼吸困難、唇や舌の腫れ、全身じんましんと嘔吐、顔色不良、反応低下は救急症状です。高熱が続く、飲めない、尿が減る、腫れが急速に広がる場合は当日中に相談します。

06

遅れや製品変更は自己判断で埋め合わせない

PCV15で始めた子どもは原則としてPCV15で完了します。PCV20へ変更できるか、過去にPCV13を受けている場合にどう続けるかは、開始年齢、接種回数、接種日、基礎疾患、国の最新案内をもとに判断します。[1]

製品の供給や転居で接種先が変わる時は、予約時に母子健康手帳の製品名を伝えてください。予定が遅れても一回目からやり直すとは限らず、記録から次の有効な一回を決めます。

07

接種日・製品・部位・次回日を一緒に残す

製品

PCV20・PCV15・過去のPCV13。

日付

何回目か、前回からの間隔。

接種後

発熱時刻、局所反応、全身状態。

次回

追加接種を含む具体的な年月日。

日々の小児科診療で確認していること

発熱や腫れの相談では、同日に受けた全製品と左右の接種部位を確認します。写真は接種部位だけでなく、撮影時刻とおおよその大きさが分かるように残してもらいます。元気、哺乳、水分、尿、呼吸も聞き、局所反応だけでなく感染症の合併がないか診察します。

FAQ

よくある質問

PCV20の20は20回接種する意味ですか?

いいえ。対応する肺炎球菌の血清型の数です。標準的な接種回数は開始年齢と接種歴で決まります。

PCV15で始めました。PCV20へ変えますか?

原則は同じ製品で完了します。供給など事情がある場合は、接種日と回数を見て医師が判断します。

肺炎球菌ワクチンで中耳炎を全部防げますか?

すべては防げません。対象血清型による一部の感染を減らしますが、別の血清型や他の病原体による中耳炎があります。

接種後に熱が出たら次回は中止ですか?

発熱の時刻、重症度、別の感染症、他の接種を評価します。前回の発熱だけで一律に中止せず接種医へ相談してください。

REF

参考文献