【埋没法の費用相場と保証制度の比較ポイント】|医師が徹底解説

埋没法の費用相場と保証制度の比較ポイント|医師が徹底解説
最終更新日: 2026-08-17

埋没法は、メスを入れずに極細の糸を用いてまぶたの内側を固定し、理想的な二重ラインを形成する非常に人気のある美容整形手術です。手軽に受けられる一方で、自由診療であるため、クリニックによって費用に大きな幅があり、用意されている保証制度の中身も実に多様です。そのため、「どのような基準でクリニックやプランを選べばよいのか分からない」と悩まれる方が少なくありません。埋没法を検討する際は、単に費用の安さだけで決めるのではなく、費用相場と保証制度の比較ポイントを正確に理解し、万が一の合併症リスクやアフターケアまで見据えて判断することが、満足度の高い結果へとつながります。

📋 この記事のポイント
  • ✓ 埋没法の費用は、糸を留める点数や術式の工夫によって数万円から数十万円まで大きく変動する
  • ✓ 保証制度の有無だけでなく、保証期間、再手術の適用基準、追加費用(麻酔代等)を比較することが重要である
  • ✓ 術後の糸関連合併症のリスクを防ぐため、丁寧な診察と適切な初期対応ができる体制を選びたい
※ 本記事は医療に関する情報提供を目的としています。個別の症状については、かかりつけの医療機関にご相談ください。

埋没法とは?二重を作る基本的な仕組みと術式

埋没法は、医療用の非常に細い特殊な糸を使用し、まぶたの皮膚の内側から筋肉や組織を引っ張って固定することで、二重まぶたの溝(折れ返り)を形成する手術です。まぶたを切開しないため傷跡がほとんど目立たず、ダウンタイム(腫れや内出血が落ち着くまでの期間)が短いというメリットがあります。

埋没法の術式には、大きく分けて「瞼板法(けんばんほう)」と「挙筋法(きょきんほう)」の2種類があり、さらに固定をより強固にするために眼輪筋や上眼瞼挙筋、瞼板を複合的に縫い合わせる術式など、細かな工夫が凝らされた方法も存在します[1]。これらはまぶたの厚みや筋肉の発達度合い、希望する二重のデザインに合わせて選択されます。

瞼板法(けんばんほう)
まぶたの縁にある硬い軟骨組織(瞼板)に糸をかけて皮膚を固定する術式。手技が比較的容易でズレにくく、腫れを抑えやすいという特徴があります。
挙筋法(きょきんほう)
まぶたを引き上げる筋肉である上眼瞼挙筋に糸をかけて皮膚を固定する術式。瞼板に糸をかけないため、眼球への物理的な刺激や負担を和らげやすいとされています。
糸の点数(留め数)
二重ラインを固定するために、まぶたを何箇所留めるかを示す数値。一般的に「2点留め」「3点留め」などと表現され、点数が多いほどラインが崩れにくくなりますが、その分腫れや違和感が生じる可能性も考慮する必要があります。

埋没法の費用相場はいくら?糸の点数や術式による違い

埋没法の費用は一律ではなく、基本的には「糸を何箇所で固定するか(点数)」や、「糸の通し方の工夫(術式)」、そして「使用する医療用資材(超極細の針や特殊な糸)」のグレードによって決定されます。

日常診療では、患者さまから『他院で非常に安いプランを見てカウンセリングに行ったが、実際は高額なプランしか選べないと言われた』『本当にこの金額が妥当なのか分からない』というご相談を非常によくお聞きします。価格だけで判断するのではなく、どのような内容にいくら支払うのか、その構成をしっかりと見極めることが大切です。

術式・点数一般的な費用相場(両目)主な特徴
両目1点留め約15,000円 〜 40,000円費用は最も安価だが、固定力が弱く、一重に戻りやすい傾向がある。
両目2点留め約30,000円 〜 100,000円最もスタンダードな術式。費用と強度のバランスが良い。
両目3〜4点留め約80,000円 〜 180,000円まぶたが厚い方や、しっかりとした幅広二重を望む方に選ばれやすい。
特殊連結法・裏留め約150,000円 〜 300,000円糸の結び目を皮膚の裏側に隠し、表面に全く傷跡を残さない特殊な手技。

なぜ留める点数によって費用が変わるのか?

点数(留め数)が増えるということは、医師が手術にかける時間や集中力が増し、使用する針や糸の資材量も増えることを意味します。また、点数が多いほど二重のラインを点ではなく「線」で支えやすくなるため、長持ちする確率が高まります。ただし、点数を増やしすぎるとそれだけ体内に残る異物(糸)が増え、術後の腫れが長引く原因にもなり得ます。当科での診察においては、患者さまの皮膚の余り具合や脂肪の量、挙筋筋力などを総合的に評価した上で、必要最小限の点数をご提案するよう心掛けています。

埋没法の保証制度における4つの比較ポイントとは?

どれほど丁寧に手術を行っても、埋没法は永久的に二重を維持できる方法ではありません。時間経過とともに糸が緩んだり、強い摩擦などの刺激によって糸が切れてしまったりすることで、元の状態に戻ることがあります。そのため、万が一に備えた「保証制度」の中身を詳細に比較しておくことが欠かせません。

外来診療では、『せっかく保証付きのプランで契約したのに、二重が少し緩んだだけでは再手術はできないと断られてしまった』と悲しまれる方をときどきお見かけします。このような悲劇を防ぐためには、カウンセリング時に以下の4つのポイントを徹底的に確認・比較することをお勧めします。

1. 保証の「期間」と「回数」

保証期間は「1年間」「3年間」「5年間」「永久保証」など、クリニックやプランによって大きく異なります。長ければ長いほど安心に思えますが、実は「同一部位への再手術は保証期間内であっても2回まで」といった回数制限が設けられていることがほとんどです。まぶたへの繰り返しの再手術は組織に瘢痕(はんこん)を作り、次の手術の難易度を上げてしまうため、回数制限があるのは医学的にも合理的な判断ですが、事前の把握が必要です。

2. 再手術の対象となる「状態」の定義

何をもって「保証対象」と判定するのかは、クリニックの規定によって異なります。以下のどの状態が保証されるのか、事前に明文化された書類や規約を確認しておきましょう。

  • 完全に一重に戻ってしまった場合のみ保証されるのか
  • ラインが薄くなり、食い込みが浅くなった段階でも保証されるのか
  • 左右の非対称が明らかに生じた場合に無償で微調整してもらえるのか

3. デザイン変更(幅の変更)の可否

「手術を受けてみたものの、やっぱりもう少し幅を広く(あるいは狭く)したい」と希望されるケースは珍しくありません。このデザイン変更が「術後初期(例えば1ヶ月以内)であれば可能」なのか、あるいは「いかなるデザイン変更も保証の対象外(元の幅でのみかけ直し可能)」なのかによって、術後の柔軟性が大きく変わります。

4. 再手術にかかる実質的な追加費用の有無

「保証による再手術代は0円」と謳っていても、実際には「再手術のたびに麻酔代(5,000円〜15,000円程度)や処方薬代、診察料が別途請求される」システムになっているクリニックがあります。こうした隠れたコストがないかどうかを、あらかじめ契約書ベースでチェックしておく必要があります。

保証期間や再手術の条件で注意すべきリスクと合併症

埋没法をめぐるトラブルで最も注意しなければならないのが、糸に関連する眼科的・美容的な合併症です。特に、留めた糸が露出することや、それによる眼球組織への刺激は、医学的にも速やかな対処が必要です。

実際の診療現場においては、術後数ヶ月から数年が経過した後に、「目をごろごろすると痛い」「結膜が赤く腫れている」といった症状を訴えて来院される患者さまに遭遇することがあります。診察すると、まぶたの裏側(結膜側)から糸の結び目やループが露出しており、これが角膜(黒目)を絶えず擦ることで角膜炎や角膜潰瘍を引き起こしているケースがあります[2]。こうした合併症リスクに対して、保証制度の枠組みの中で迅速な抜糸や再手術が提供されるかどうかは非常に重要なポイントです。

⚠️ 注意点

術後に目の強い痛み、異常なゴロゴロ感、充血、目やにの急増などの症状が現れた場合は、糸がまぶたの裏側に露出している疑いがあります[3]。放置すると視力障害につながる角膜損傷を招く恐れがあるため、すぐに手術を受けたクリニック、またはお近くの眼科や形成外科を受診してください[4]

埋没法の糸に由来する主なトラブルとその原因について、多くの臨床データを調査した文献においても、以下のような合併症が報告されています。

  1. 糸の結膜側露出:不適切な深さへの糸の留置や、組織の菲薄化(薄くなること)により、糸が結膜に飛び出してしまう現象[3]
  2. 感染・肉芽(にくげ)形成:糸に雑菌が付着したり、異物反応が強く出たりすることで、まぶたに赤いしこりができて膿を持つことがあります[4]
  3. 持続的な異物感:糸の結び目が皮膚の浅い部分にあり、瞬きをするたびにまぶたの裏側や表側にチクチクとした違和感が残る状態です。

このようなトラブルが発生した際、「保証制度」を利用してすぐに無償で抜糸をしてもらえるクリニックであれば、精神的にも金銭的にも大きな支えとなります。逆に、トラブル発生時の抜糸に追加料金がかかる契約になっていると、受診をためらってしまい症状を悪化させる結果になりかねません。

低価格なプランと高額なプランの違いは何?

美容クリニックの広告で「両目数千円〜1万円台」という極めて低価格なプランを見かける一方で、実際には「20万円以上のプレミアムプラン」を提案され、戸惑う方は多いものです。この価格差が生じる主な要因を、誇大広告に惑わされずに冷静に比較しましょう。

実臨床では、『低価格プランは研修医が担当するから腫れやすいと言われ、不安になって非常に高いプランにその場で契約してしまった』という患者さまのご相談をしばしば耳にします。不必要な不安を煽るようなカウンセリング手法をとるクリニックは避け、何が理由でその差額が生じているのか、理論的な説明をしてくれる医師を選ぶことが健康的な美容医療を受けるための基本です。

一般的に、低価格な基本プランと高額なプランにおける主な違いは、以下の要素に集約されます。

使用する針と糸の品質

低価格プランでは一般的な医療用丸針や通常のナイロン糸が使用されるのに対し、高額プランでは「アスフレックス」などの心臓外科でも使われるような極めて柔軟で耐久性が高く、体内で劣化しにくい特殊な極細糸が使用されます。また、組織へのダメージを最小限にするため、極めて鋭利な丸針や角針が選ばれるため、内出血や術後の腫れを最小限に抑えることが可能となります。

糸の留め方(ノット)の複雑さと組織への負担

糸を点で固定するだけのシンプルな術式は短時間で終わりますが、その分ラインが外れやすく、糸が皮膚の表面でぽつりと目立ちやすい欠点があります。これに対し、高額な術式(特殊連結法や裏留め法など)では、複数のループを組み合わせて組織の広い面で支えるため、強度が格段に上がり、目を閉じたときにも傷跡が全く分からない自然な仕上がりに導くことができます[1]

麻酔の工夫とドクターの技術料

高額プランでは、痛みを極限まで減らすために、非常に細い注射針(34Gなどの極細マイクロニードル)による局所麻酔に加え、点眼麻酔や笑気麻酔(リラックスして受けるためのガス麻酔)があらかじめ基本料金に含まれている傾向があります。また、何千例もの執刀経験を持つ熟練した専門医が担当することで、左右差を最小限にし、術後の腫れを長引かせない技術料としての側面も大きいです。

後悔しないためのカウンセリング時のチェックリスト

納得のいく埋没法の手術を受けるためには、術前の医師によるカウンセリングがすべての鍵を握ります。流れ作業のように数分で終わらせるようなカウンセリングではなく、細部まで確認できる信頼できるクリニックを選びましょう。

臨床経験上、術後に「こんなはずではなかった」と不満を持たれる最大の要因は、デザインにおける医師と患者さまの間のイメージのズレにあります。診察の場では、必ずシミュレーション用の器具を用いて、何度も目の開きを確認しながら希望のラインをすり合わせることが不可欠です。少しでも違和感や不安を感じた場合は、決してその場で契約を急がず、一度自宅に持ち帰って検討する勇気を持ってください。

後悔しないために、以下のチェックリストをカウンセリング時に活用してください。

  • 担当医師による直接の診察:カウンセラーだけでなく、実際に執刀する医師があなたのまぶたの厚みや開き具合を詳しく診てくれたか?
  • 丁寧なシミュレーション:鏡を見ながら、控えめなラインから広めのラインまで、何度も繰り返し幅のシミュレーションを行ってくれたか?
  • リスクや副作用の説明:術後の腫れ、内出血の見込み期間だけでなく、稀に起こりうる「糸の露出」や「角膜への刺激」といったリスクまで明快に説明してくれたか[2]
  • 見積書の透明性:提示された金額に、麻酔代、術後の痛み止め・抗生剤などの点眼薬・内服薬代、再診料、万が一の抜糸代がすべて含まれているか?
  • 保証内容の書面化:保証期間、再手術を適用できる条件、回数制限について明記された契約書や同意書を提示してくれるか?

まとめ

埋没法を成功させ、長く美しい二重ラインを維持するためには、「費用相場」と「保証制度」の双方について十分な予備知識を持ち、カウンセリング時に細部まで確認を怠らないことが極めて大切です。あまりに安価すぎるプランに惑わされず、使用する資材、執刀医の技術、万が一の合併症や元に戻った際のアフターフォローが含まれた「適正価格」を見極めてください。ご自身の健康と大切な目元を守るためにも、信頼できる医師のもとで、納得のいく選択をなさることを心より推奨いたします。

よくある質問(FAQ)

埋没法の保証制度を使って再手術を受ける場合、二重のデザインを自由に変更できますか?
クリニックや選択したプランの規約によって大きく異なります。最も一般的な「二重が取れた場合の保証」は、あくまで「術前と同じ二重幅での再かけ直し」を指すことが多く、全く異なる広さへの変更やデザインの大幅な修正は、追加費用が発生するか、あるいは術後1か月などの極めて短い期間限定となっているケースが主流です。契約前に「幅の変更も保証に含まれるか」を必ずご確認ください。
埋没法の費用が非常に安いクリニックは危険なのでしょうか?
必ずしも危険とは言えませんが、注意が必要です。広告に記載されている極端に安い価格は、「1点留めのシンプルプラン(外れやすい)」「麻酔代や薬代が別」「保証制度が一切ない」といった条件付きであるケースが多々あります。また、カウンセリングの場で不安を過剰に煽り、より高額なプランへの変更を強要する営業姿勢がないか、冷静に見定める必要があります。
埋没法の術後に目にゴロゴロする違和感があります。これは普通のことですか?
術後数日〜1週間程度はまぶたの腫れに伴う軽度の異物感が出ることがありますが、徐々に落ち着くのが一般的です。しかし、痛みが徐々に強くなる場合や、ゴロゴロ感がずっと続く場合は、糸がまぶたの裏(結膜)に露出してしまい、眼球の表面を傷つけている可能性があります。この状態を放置すると角膜炎などの合併症につながるため、速やかに医師の診察を受けてください。
埋没法の永久保証と、数年間の有期保証はどちらがおすすめですか?
一見、永久保証が最も優れているように感じられますが、医学的な観点から言えば、まぶたへの繰り返しの手術は組織への侵襲(ダメージ)が大きく、何度も何度もかけ直せるものではありません。また、「一生のうち何回でも受けられる」としても、クリニック自体が閉院してしまえば保証は消滅します。一般的には3〜5年程度の保証があれば十分に実用的であり、期間の長さよりも「どのような状態で再手術が適用になるか」という実質的な条件面を重視して比較することをお勧めします。
この記事の監修
👨‍⚕️
新井智博
美容外科医
👨‍⚕️
林一樹
美容外科医