家庭の洗面台で、保護者と子どもがせっけんを使って手を洗うイラスト
PEDIATRICS / HEALTH GUIDE

子どもの感染症

症状・家庭でのケア・受診の目安

病名を当てることより、まずはお子さんの呼吸と元気、水分のとれ方を確認しましょう。気になる症状ごとに、ケアと受診の目安をまとめます。

最終更新 2026.09.29監修日 2026.09.29
POINT 1病名より先に、呼吸と水分を確認
POINT 2かぜに抗菌薬が必要とは限らない
POINT 3登園の目安は病気ごとに確認
まず知っておきたいこと

子どもの感染症は、せきや鼻水、嘔吐・下痢、発疹など、似た症状で始まることがあります。症状だけで原因のウイルスや細菌を見分けるのは難しいため、まず呼吸・反応・水分のとれ方を確認します。家庭でのケアを続けてよいか迷うときは、年齢と経過を伝えて医療機関に相談してください。

受診を急ぐサイン

すぐに119番へ

呼びかけても反応が乏しい、呼吸が止まりそう、唇が青紫、けいれんが続く場合は、記事を読むより救急対応を優先してください。 [1]

今日中に医療機関へ相談

生後3か月未満の38℃以上、飲めずに尿が減っている、息が苦しそう、強い痛みや繰り返す嘔吐があるときは、様子を見続けず相談してください。緑色の嘔吐や血便、意識の変化も急ぐサインです。 [1] [2]

熱が5日以上続く場合や、いったん良くなった後に再び悪化した場合も再評価が必要です。予防接種後でも、強い不調を「副反応だろう」と決めつけないでください。 [2]

症状から気になる説明を選ぶ

主な症状家庭で確かめること注意したい変化
せき・鼻水・のどの痛み眠れるか、飲めるか、呼吸がいつもより速くないか胸や首がへこむ呼吸、苦しくて話せない・飲めない
嘔吐・下痢飲めた量、尿、便や嘔吐の回数・色飲んでも繰り返し吐く、ぐったりする、血便
発熱と発疹発疹が出た時期、かゆみ、痛み、薬を使った時期急速に広がる紫色の斑点、反応低下、呼吸の異常

この表は病気を確定するものではありません。感染症以外でも似た症状は出ます。写真だけで判断せず、経過と全身の状態を医師に伝えてください。 [1]

家庭では水分と休息を優先する

  1. 少量ずつ飲ませる

    嘔吐や下痢があるときは、経口補水液を少量ずつ、こまめに試します。一度に大量に飲ませないようにします。

  2. 飲めたかだけでなく尿も見る

    最後に尿が出た時刻、普段より明らかに減っていないかを確かめます。飲めない、反応が鈍い場合は受診を優先します。

  3. 食事は無理をせず戻していく

    吐き気が落ち着いたら、食べられるものを少しずつ。授乳や食事の進め方は、年齢と脱水の程度に合わせて相談します。

経口補水は軽〜中等度の脱水で有用ですが、重い脱水、意識の低下、飲めない状態まで家庭で対応する方法ではありません。点滴が必要かどうかは診察で判断します。 [3]

検査と抗菌薬は「必要なとき」に

迅速検査や血液検査は、結果で治療や感染対策が変わるかを考えて選びます。発症直後の検査が陰性でも、感染を完全には否定できない場合があります。必要な検査は病気と経過によって異なります。

通常のかぜはウイルスが原因のことが多く、抗菌薬で治りを早める利益は示されていません。鼻水が黄色や緑色になったことだけで、抗菌薬が必要とは決まりません。細菌感染が疑われるときは、診察や必要な検査に基づいて治療します。 [4] [5]

処方された薬を使うとき

薬の名前、使う目的、回数、期間を確認しましょう。以前の残りや家族の薬を分けて使わず、副作用が気になるときは処方元や薬剤師へ相談してください。 [4]

発疹や発熱の経過を、どう伝える?

  • 発熱・せき・下痢・発疹のうち、何が最初に始まったか。
  • 発疹が出た場所と広がり方。痛み、かゆみ、使った薬があるか。
  • 園・学校や家族で、似た症状の人がいるか。
  • 海外への移動や、普段と違う食事・動物との接触があったか。

発疹は感染症だけでなく、薬やアレルギーなどでも起こります。「写真が似ている」だけで病名を決めると、必要な対応を見落とすことがあります。診断が分からない段階でも、医療機関には相談できます。

皮膚や白目が黄色い、尿が濃くなった、便が白っぽいときは、肝臓や胆道などを調べる必要がある場合があります。特に赤ちゃんの白っぽい便は、健診まで待たず相談してください。 [7]

電話相談の後も、変化があれば再相談

相談した時点では家庭で見られる状態でも、その後に悪化することがあります。飲めなくなった、反応が鈍くなったなどの変化があれば、前の説明だけで判断を固定せず再び相談してください。 [1]

登園・登校と家庭の感染対策

登園・登校できる時期は病気によって異なります。「解熱したら全て登園できる」「検査が陰性なら必ず登園できる」という一律の判断はできません。診断がついたら、医師と園・学校に条件を確認してください。

手洗い、換気、せきやくしゃみへの配慮、必要な予防接種を組み合わせます。家族全員が完璧に対策できなくても責め合わず、続けられる方法を選びましょう。ワクチンで防げる病気は接種記録を見直します。 [6]

受診前に電話をしたほうがよい場合

周囲で麻しん・水痘などが流行している、発熱と発疹があるなどの場合は、待合室での感染対策のため、予約時に症状を伝えてください。

家庭の洗面台で、保護者と子どもがせっけんを使って手を洗うイラスト
食事前やトイレの後などに手洗いを。イラストは説明用で、特定の病気や治療を示すものではありません。

よくある質問

鼻水が緑色なら抗菌薬が必要ですか?

色だけでは決まりません。かぜの経過でも鼻水の色は変わります。症状の長さや悪化の仕方、診察所見などから、細菌感染を疑うか判断します。

下痢のときは食事を止めますか?

水分補給を優先し、吐き気が落ち着けば年齢に合う食事を少しずつ戻します。無理に食べさせる必要はありませんが、自己判断で長時間の絶食を続けないでください。飲めないときは受診します。

熱が下がったら、すぐ登園できますか?

病気ごとの条件と、普段の活動ができるかを確認します。解熱だけでは判断できない病気もあるため、医師と園・学校に確認してください。

参考文献

本文の番号から、根拠となる資料を確認できます。制度や接種時期は最新の国内資料を優先し、海外研究の対象や限界も区別しています。

  1. 日本小児科学会「こどもの救急」小冊子国内学会・保護者向け資料
  2. NICE. Fever in under 5s: assessment and initial management. NG143.診療ガイドライン
  3. Hartling L, et al. Oral versus intravenous rehydration for treating dehydration due to gastroenteritis in children. Cochrane Database Syst Rev. 2006.系統的レビュー
  4. 厚生労働省「抗微生物薬適正使用の手引き 第四版 医科・外来編」2026年国内診療手引き
  5. Kenealy T, Arroll B. Antibiotics for the common cold and acute purulent rhinitis. Cochrane Database Syst Rev. 2025.系統的レビュー
  6. 国立健康危機管理研究機構「日本の予防接種スケジュール」2026年8月1日版・9月24日注釈更新国内公的スケジュール
  7. 国立成育医療研究センター「胆道閉鎖症早期発見のために」国立医療機関・患者向け資料

資料確認:2026年9月28日。個々の症状への診断・処方を示すものではありません。