【フェイスリフトとは:SMAS法・リガメント法・ミニリフトの違い】

フェイスリフトとは:SMAS法・リガメント法・ミニリフトの違い
最終更新日: 2026-09-25
📋 この記事のポイント
  • ✓ フェイスリフトは「SMAS」や「リガメント(保持靭帯)」といった深層組織を操作することで、根本的かつ長期的なたるみ改善を実現する外科手術です。
  • ✓ 主要術式である「SMAS法」「リガメント法」「ミニリフト」は、剥離の深さやアプローチの範囲、ダウンタイムの長さ、効果の持続期間において大きく異なります。
  • ✓ 個々の骨格、脂肪の付き方、たるみの進行度合い、そしてダウンタイムの許容度に応じて、最適な術式を専門医と慎重に選択することが成功の鍵です。
※ 本記事は医療に関する情報提供を目的としてしています。個別の症状については、かかりつけの医療機関にご相談ください。

フェイスリフトとは?切開を伴う本格的なエイジングケアの基本

フェイスリフトは、加齢による顔や首のたるみを根本から治療するための外科的アプローチです。皮膚だけでなく深層の組織を引き上げることで、持続的で自然な若返りを目指します。

加齢に伴い、私たちの顔は皮膚の薄化、皮下脂肪の下垂、そして支持組織(靭帯など)の緩みによって徐々にたるみが生じます。この変化に対して、切開手術を伴うフェイスリフトは、糸リフトやハイフ(HIFU)といった非侵襲的・低侵襲的な治療に比べて、はるかに高い組織の移動能力と長期間の持続効果を提供することができます[1]。これまでは「単に引き上げる手術」と誤解されがちでしたが、現代の美容外科におけるフェイスリフトは、顔全体の三次元的な立体構造を再構築する非常に精密な解剖学的アプローチとなっています。

加齢による顔の変化とたるみのメカニズム

顔のたるみは、単に皮膚が伸びることだけで起こるわけではありません。加齢現象は顔の全ての階層、すなわち「皮膚(表皮・真皮)」「皮下脂肪」「SMAS(表在性筋膜)」「リガメント(保持靭帯)」「骨」の各層で同時に進行します。真皮内のコラーゲンやエラスチンが減少すると、皮膚全体のハリが失われます。さらに、脂肪のコンパートメント(区画)が萎縮・下垂し、これらを支えるリガメントが緩むことで、重力に従って軟部組織が下方向へ移動します。最終的に、これらの緩みが重なり合うことで、ほうれい線が深くなり、口元に「マリオネットライン」が形成され、フェイスラインにたるみが覆いかぶさる(ジョウルと呼ばれる状態)ようになります。

フェイスリフトが対象とする主な部位

フェイスリフト手術が最も高い効果を発揮するのは、中顔面(頬の位置)、下顔面(口角、アゴ先、フェイスライン)、およびネック(首)の領域です。中顔面のリフトでは頬の丸みを高い位置へと戻し、下顔面のリフトでは乱れたフェイスラインをシャープに整えます。さらに、首のたるみに対しては、広頸筋(こうけいきん)を調整するネックリフトを併用することで、顎下から首元にかけての美しいアングルを再現することが可能です。

切らないたるみ治療(糸リフト・ハイフ)との違い

切らないたるみ治療として人気の高いHIFU(高密度焦点式超音波)や糸リフト(スレッドリフト)は、マイルドなたるみの予防や軽微な引き締めには適しています。しかし、これらは「余った皮膚を切除できない」という本質的な限界を抱えています。たるみが進行し、余剰皮膚が多くなった状態で糸リフトのみを行うと、引き上げた組織が特定の部位に集まってヨレや不自然な凹凸を作り出す原因になります。また、糸や照射治療による効果の持続期間は数ヶ月から1.5年程度と限定的です。一方、外科的なフェイスリフトは、深層の組織を確実に引き上げた上で、不要となった余分な皮膚を物理的に切り取って縫合するため、根本的で後戻りの少ない劇的な若返り効果(約5〜15年)を可能にします。

SMAS法とは?フェイスリフトの世界的スタンダード

SMAS法は、皮膚の下にある「表在性筋膜(SMAS)」を剥離し、引き上げて固定する標準的なフェイスリフト手術です。皮膚の引き上げだけでは得られない自然な仕上がりと高い持続性が特徴です。

過去の美容外科の歴史において、皮膚だけを強力に引っ張るフェイスリフトは、顔が平坦になり、口元が不自然に横に広がる「プレップ・フェイス(引きつれた顔)」を作る原因となっていました。この問題を劇的に解決し、フェイスリフトを安全かつ自然なものへと進化させたのが「SMAS法」です。日常診療では、患者さんから『皮膚を引っ張るだけでは不自然になりませんか?』という質問をよく受けますが、このSMAS法のように深層から引き上げることで、不自然なひずみが皮膚に生じる懸念は大幅に軽減されることを解説しています。

SMAS(表在性筋膜)の解剖学的役割

SMAS(Superficial Musculoaponeurotic System:表在性筋膜)は、皮膚の下、脂肪層のさらに深部に存在する、非常に頑丈な線維性のシート状組織です。この膜は顔の表情筋や首の広頸筋とひと続きになっており、顔の表情を作るための力を各部位へと伝達する役割を持っています。SMASは物理的に非常に強いため、この層をしっかりと引き上げて固定することで、その上にある脂肪や皮膚をまとめて元の位置へと安全に戻すことができます[1]。

SMAS法の術式とメリット・デメリット

SMAS法の手術では、耳の前(耳珠沿い)から耳の裏、生え際にかけて切開を行い、皮膚をSMAS層の上で剥離します。その後、SMASを必要に応じて剥離・挙上し、側頭部などの強固な深筋膜に吊り上げるようにしてしっかりと縫合固定(Plication、あるいはImbricationと呼ばれる手技)を施します[1]。最後に、引っ張られて余った皮膚をテンションをかけずに優しく切除し、緻密に縫合します。

SMAS法のメリットは、術式が非常に確立されており、安全性が高い点です。皮膚ではなく頑丈なSMAS層に引っ張る力を逃がすため、傷跡が引っ張られて幅広くなる(肥厚性瘢痕など)のを防ぐことができます。デメリットとしては、SMASを剥離する範囲が広いため、ミニリフトに比べると手術時間が長く(約3〜4時間)、術後の腫れや内出血といったダウンタイム(約2週間)が必要になる点が挙げられます。

リガメント法(ディーププレーン法)とは?深層からたるみを根本改善

リガメント法は、骨と皮膚・筋肉を繋ぎ止めている靭帯(リガメント)を適切に切離・再固定することで、顔の構造を深部から移動させる発展的な手法です。重度のたるみやマリオネットラインの改善に極めて有効です。

フェイスリフトの技術革新において、SMAS法のさらに上を行く画期的な手法として確立されたのが「リガメント法(およびこれを含むディーププレーンフェイスリフト)」です[3]。外来診療では、特にマリオネットラインや頬の大きなたるみ、口元の脂肪の下垂を主訴とされる中高年の患者さんに対して、このリガメント法を検討することが増えています。組織を強く引っ張るのではなく、下垂を固定している「原因(靭帯の引っかかり)」を外科的に解除するため、きわめて自然な仕上がりと圧倒的な若返り効果を引き出すことができます。

リガメント(保持靭帯)を操作する医学的意義

顔には、骨から皮膚、あるいは深筋膜からSMASや皮膚へと垂直に伸びて、顔の各組織を正しい位置に繋ぎ止めている強靭な柱のような線維性組織が存在します。これが「リガメント(保持靭帯:Retaining Ligaments)」です[2]。加齢により脂肪や皮膚が重力で下垂しようとするとき、このリガメントが頑強にその場に踏みとどまろうとするため、その周囲に「溝(ほうれい線やマリオネットライン)」や「段差」が生まれます。リガメントを処理しないままSMASを引き上げようとしても、靭帯の引っかかりが抵抗となり、深部の組織を十分に引き上げることができません。リガメント法では、これらのがっちりと固定された結合組織を一度丁寧に切離(リリース)し、より若い位置に移動させてから再固定を試みます[4]。

リガメント法(Deep Plane Facelift含む)のメリットとデメリット

リガメント法を応用した「ディーププレーンフェイスリフト」では、皮膚とSMASを一塊の複合フラップ(Composite Flap)として扱い、SMASの下のさらに深い層(Deep Plane)で剥離を進めます[3]。これにより、中顔面の大きな脂肪塊(メーラーファット)や口元の下垂を、突っ張り感なく一気に元の位置まで持ち上げ直すことが可能になります。持続期間も非常に長く、10年から15年に及ぶことも珍しくありません[4]。

一方で、デメリットとしては「非常に高い解剖学的知識と熟練した技術」が外科医に要求される点です。リガメントの至近距離には、表情筋を司る「顔面神経」の運動枝が細かく網の目のように走行しています[3]。これを確実に避けながら靭帯のみを切離する必要があるため、手術難易度が極めて高く、手術時間も長くなります。また、深層を剥離するため、術後の腫れが一時的に強く出やすい傾向にあります。

リガメント法が適している症例の特徴

リガメント法は、以下のような特徴を持つ症例に特に適しています。

  • 頬の位置が下がり、顔が全体的に縦長に、かつ平坦に見える方
  • 口元の皮膚や脂肪のたるみ(ジョウル)が強く、マリオネットラインがくっきりと目立つ方
  • 過去に糸リフトやSMAS法を受けたものの、口元やアゴ下のたるみの改善が不十分だった方

ミニリフトとは?限定的な切開で手軽に受ける部分リフト

ミニリフトは、耳の前などの限られた範囲のみを切開し、頬や口元など部分的なたるみを改善する簡便な手術法です。ダウンタイムを短く抑えたい方や、マイルドなたるみ改善を希望する方に選ばれています。

切開リフトに興味はあるものの、「仕事への復帰を最優先したい」「家族にバレずに受けたい」「傷口を最小限に抑えたい」というご要望を持つ方は少なくありません。実際の臨床現場では、このようなご希望に対して「ミニリフト(または部分リフト、ショートスカーリフト)」をご案内することもあります。本格的なフルフェイスリフトへの心理的ハードルを下げるエントリー的な術式として広く認知されています。

ミニリフトの特徴とアプローチ範囲

ミニリフトでは、耳の前(もみ上げの生え際から耳珠の前方、耳垂の付け根あたりまで)を数センチだけ部分的に切開します。剥離する範囲も、耳の前の数センチ四方に限定されることが多く、SMASの広範な剥離やリガメントの切離は基本的に行いません。一部の術式(MACSリフトなど)では、切開窓からSMASにループ状の糸をかけ、その糸を上方の強固な筋膜に引き上げて固定することで、切開範囲を最小限に留めつつ引き上げ効果を高める工夫がなされています[1]。

ミニリフトのメリット・デメリットと限界

ミニリフトの最大のメリットは、その圧倒的な身体への負担の少なさとダウンタイムの短さです。剥離範囲が狭いため術後の強い腫れや内出血は数日〜1週間程度で目立たなくなることが多く、局所麻酔下での施術も比較的容易です。また、傷跡も耳の前に限局されるため、髪で隠しやすく、抜糸前の段階でも周囲に気づかれにくいという長所があります。

しかし、非常に重要なデメリットとして「効果の限界と持続期間の短さ」が挙げられます。剥離範囲が狭くリガメントも処理しないため、中顔面の大きな下垂を動かすことはできません。また、首のたるみ(広頸筋)へのアプローチも不可能なため、顎下やネックラインの改善効果はほぼ期待できません。持続期間も一般的に約2〜3年程度と、本格的なフェイスリフトに比べると短いことを十分に理解しておく必要があります。

【比較】SMAS法・リガメント法・ミニリフトの違いとは?

フェイスリフトの代表的な3手法であるSMAS法、リガメント法、ミニリフトは、剥離の深さ、アプローチ範囲、持続期間、ダウンタイムなどで大きく異なります。それぞれの特徴を整理し、自身に最適な術式を選ぶことが大切です。

これら3つの術式は、どれかが一方的に優れているというものではなく、患者さん各々の「たるみの進行度」「年齢」「ライフスタイル(仕事を何日休めるか等)」「予算」によって柔軟に使い分けられます。臨床経験上、ある特定の術式が『すべての人にとって最善』であることはなく、骨格、皮膚の厚み、皮下脂肪の量、そして患者さんが求めるダウンタイムの長さに合わせて術式を選択することが満足度の向上に不可欠です。

比較項目SMAS法リガメント法(Deep Plane)ミニリフト
アプローチ層 皮膚 + SMAS(表在性筋膜)層 SMAS下深層 + 保持靭帯(切離) 皮膚(+一部SMAS表層のみ)
剥離(アプローチ)範囲 広範囲(中顔面〜下顔面、アゴ下まで) 広範囲かつ深層(中顔面〜首元まで) 限定的(耳前部の周囲数センチのみ)
たるみ改善効果 高い(フェイスライン全体の引き締め) 極めて高い(マリオネットラインや頬も根本改善) マイルド(頬下部・部分的な改善)
効果持続期間 約 5〜10 年 約 10〜15 年 約 2〜3 年
ダウンタイム目安 約 2 週間(腫れ・内出血のピーク) 約 2〜3 週間(比較的腫れが強く出やすい) 約 3〜7 日(非常に軽い)
麻酔方法 静脈麻酔、全身麻酔、または局所麻酔併用 静脈麻酔 または 全身麻酔(推奨) 局所麻酔 または 静脈麻酔併用
SMAS(表在性筋膜)
皮下脂肪の下層にあり、顔面の表情筋群や首の広頸筋と連続した頑強な結合組織膜。フェイスリフトにおけるリフトアップ力を顔全体に均一に分散して伝えるためのキー組織。
リガメント(保持靭帯)
顔面骨や深層の強固な筋膜から、皮膚やSMASへ向かって垂直方向に伸びる頑強な線維柱。顔面の組織を特定の場所に留めておく役割を持つが、加齢により緩むことで大きなたるみを引き起こす要因となる。
ディーププレーン(深層挙上)
SMAS層のさらに深部に位置する解剖学的空間。ここに進入してリガメントをリリースすることで、皮膚とSMAS、メーラーファット等をひと繋がりのフラップとして安全かつ強力に引き上げることが可能になる[3]。

フェイスリフトの施術プロセスとダウンタイムの経過

フェイスリフト手術は事前の綿密なシミュレーションから始まり、麻酔、切開、縫合へと進みます。術後の経過やダウンタイム中の注意点を正しく把握することが、美しい仕上がりと合併症予防に繋がります。

フェイスリフトは美容外科のなかでも特に大きな手術(メジャー・サージェリー)に分類されます。筆者の臨床経験では、術後1週間から10日程度で大きな腫れや内出血は落ち着き、メイクでカバーできるようになる方がほとんどですが、皮膚の知覚の回復や、最終的な傷跡の成熟といった「完全な仕上がり(完成)」までには3〜6ヶ月程度の経過観察を要することを術前に詳しくお伝えしています。

手術当日の具体的な診療フロー

標準的な手術当日の流れは以下の通りです。

  1. デザインとマーキング:患者さんが立位(起立した状態)の状態で、たるみのベクトルや切開線、引き上げる目標位置をペンでマーキングします。
  2. 麻酔:手術範囲が広く精密な操作を要するため、通常は「静脈麻酔(眠った状態になる麻酔)」または「全身麻酔」のもとで行われ、手術中の痛みは一切感じません。
  3. 剥離・引き上げ・縫合:あらかじめ引かれたデザイン線に沿って切開し、緻密に剥離を行い、SMASの処理(またはリガメントの切離)を実施。余分な皮膚を切除して縫合します。
  4. 圧迫固定:術後の腫れや血腫を予防するため、顔全体を伸縮性の包帯やフェイスバンドで圧迫固定します。
  5. リカバリーと帰宅:麻酔から完全に覚醒し、全身状態が安定したことを確認したあと、当日のうちに帰宅が可能です(手術内容や麻酔によっては1泊入院となる場合もあります)。

術後のダウンタイムと日常生活の注意点

手術の直後から3日間は腫れと内出血のピークとなります。この期間は、処方された痛み止めを適切に服用し、頭を少し高くして休むことが、腫れを早く引かせるコツです。術後1週間程度で耳の前の抜糸を行い、このタイミングからメイクやシャワー(洗顔・洗髪)が可能になるのが一般的です。激しい運動や飲酒、サウナなどは血流を良くして腫れを長引かせるため、術後少なくとも2〜3週間は控えるようにしてください。傷跡は最初の1〜3ヶ月間は赤みや硬さ(拘縮)が生じますが、半年ほどかけて白い細い線へと変化し、徐々に目立たなくなっていきます。

フェイスリフトに伴う主なリスクと合併症とは?

フェイスリフト手術は高い効果を持つ一方で、いくつかのリスクや合併症の可能性がゼロではありません。医師の解剖学的知識や適切な手術環境が、これらの発生率を大きく下げる要因となります。

⚠️ 注意点

血腫(けっしゅ)について:術後24時間以内に最も注意を払うべき合併症の一つが「血腫(傷の内側に血が溜まること)」です。血腫を予防するためには、術後の適切な圧迫固定、当日の絶対安静、過度な血圧上昇の回避が不可欠です。万が一、急激な腫れや激しい痛み、呼吸の苦しさを感じた場合は、早急に執刀医に連絡する必要があります。

そのほかのリスクとして、耳の周辺の一時的な知覚麻痺やしびれがあります。これは剥離に伴って極めて細い皮神経が一時的に引き伸ばされることで生じますが、通常は数ヶ月をかけて徐々に自然回復します。また、極めてまれですが「顔面神経麻痺」のリスクもあります。これは目尻や口元を動かす神経の損傷によって生じるもので、解剖学に精通した熟練医の執刀を受けることで、この重大なリスクは極限まで低く抑えることができます[1][3]。

まとめ

フェイスリフト手術は、加齢による顔や首のたるみを根本からリセットするための最も強力で持続的な治療法です。標準的なアプローチである「SMAS法」は安全性と効果のバランスに優れ、靭帯を切り離す「リガメント法」は重度のたるみやマリオネットラインに対して圧倒的な自然さと劇的な変化をもたらします。一方で、限定的なアプローチである「ミニリフト」は、部分的な改善を短いダウンタイムで叶えたい方に適しています。それぞれにメリット・デメリット、および解剖学的な限界があるため、美容外科専門医のもとで綿密な診察(カウンセリング)を行い、自身の顔の状態に最も合致した術式を選択することが、美しく安全な仕上がりを手に入れるための近道です。

よくある質問(FAQ)

フェイスリフトの傷跡は他人から見て目立ちますか?
フェイスリフトの傷跡は、耳の軟骨の輪郭(耳珠の内側など)や生え際、耳の裏側といった「もともとの影や境界線」に沿って巧妙に配置されるため、治癒後はほとんど目立たなくなります。一般的に術後1〜3ヶ月は赤みがありますが、メイクや髪型でカバーできます。半年から1年が経過すると、白く細い線のようになり、よほど近づいて注視しない限り他人に見つかる心配は低いです。
何歳くらいでフェイスリフトを受けるのが最適ですか?
フェイスリフトを検討される方の多くは40代から60代ですが、特定の「最適な年齢」はありません。皮膚のたるみの程度や皮下脂肪の下垂の状況によって、40代前半でSMAS法やリガメント法を選択して長期的な若々しさを維持する方もいれば、70代で本格的なフルフェイスリフトを受けられて素晴らしい結果を得る方もいます。たるみが非常に重度になる前(40代後半〜50代)に一度行うと、組織の弾力性が残っているため、より自然に引き上がりやすいという利点もあります。
施術を受けると顔の表情が不自然(引きつった感じ)になりませんか?
「引きつれ感」や「不自然な平坦さ」は、かつて行われていた「皮膚だけを強く引っ張るフェイスリフト」に特有の失敗例です。現代のSMAS法やリガメント法のように、皮膚ではなく深部のしっかりとした膜(SMAS)や、靭帯を解除した後の軟部組織そのものを適切な方向に移動させて固定する術式であれば、皮膚への過度なテンションがかからないため、驚くほど自然で、表情豊かな若返りを得ることができます。
術後、元の状態(手術前)に後戻りすることはありますか?
フェイスリフトによって引き上げ、余剰を切除した皮膚や深部組織が、手術前の「元の位置」に完全に後戻りすることはありません。ただし、手術によって老化そのものが止まるわけではないため、手術直後の引き上がった時点を基準(新しいスタートライン)として、そこから再び緩やかな加齢現象(たるみの進行)は始まります。それでも、手術を受けなかった場合と比較すると、10年後、20年後であっても、年齢相応より大幅に若い状態が維持されることになります。
📖 参考文献
  1. Kerem Sami Kaya, Ozcan Cakmak. Facelift Techniques: An Overview. Facial plastic surgery : FPS. 2022. PMID: 35709719. DOI: 10.1055/a-1877-9371 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35709719/
  2. Ozan Bitik. Sub-SMAS Reconstruction of Retaining Ligaments. Aesthetic surgery journal. 2022. PMID: 35512707. DOI: 10.1093/asj/sjac117 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35512707/
  3. Christopher C Surek, Amanda Moorefield. Deep Plane Anatomy for the Facelift Surgeon: A Comprehensive Three-Dimensional Journey. Facial plastic surgery clinics of North America. 2022. PMID: 35501058. DOI: 10.1016/j.fsc.2022.01.015 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35501058/
  4. Andrew Jacono, Lucas M Bryant. Extended Deep Plane Facelift: Incorporating Facial Retaining Ligament Release and Composite Flap Shifts to Maximize Midface, Jawline and Neck Rejuvenation. Clinics in plastic surgery. 2018. PMID: 30268241. DOI: 10.1016/j.cps.2018.06.007 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30268241/
この記事の監修
👨‍⚕️
新井智博
美容外科医
👨‍⚕️
林一樹
美容外科医