進行した肺がんの症状とは|息切れ・痛みと救急・主治医への連絡

患者と家族が呼吸器内科医と胸部画像や検査結果について相談する場面
Respiratory medicine / Symptoms during care

進行した肺がんの症状と連絡の目安

治療中の変化を我慢せず、いつ、どこへ連絡するかを確認します。

更新日 2026.09.21監修日 2026.09.21
優先呼吸・意識を確認
連絡治療施設の基準に従う
支援痛みや不安も共有する
結論から

進行した肺がんでは咳、息切れ、胸痛、だるさ、食欲や体重の低下などがみられますが、新しい症状が必ず進行を示すわけではありません。感染症、血栓、薬や放射線の影響なども考えて評価します。強い呼吸困難や意識の異常は119番、治療中の発熱や新しい息切れは治療施設へ速やかに連絡してください。[1][2]

01

咳・息切れ・痛みは、生活への影響も合わせて伝える

肺がんが周囲の組織や気道に影響すると、咳、血痰、呼吸のしにくさ、胸や肩の痛み、声のかすれなどが起こることがあります。食欲低下、体重減少、だるさなど、全身の症状が現れる方もいます。ただし、がんの位置、広がり、治療内容によって症状は異なり、すべての方に同じ順番で出るわけではありません。[1]

受診時は症状の名前に加え、「横になると眠れない」「トイレへ歩くと休む」「食事が半分になった」など生活への影響を伝えます。痛みの程度を数字で説明する方法もありますが、うまく点数を付けられなければ言葉で構いません。普段と比べて何ができなくなったかを共有すると、診察や支援の優先順位を相談できます。

02

新しい息切れや発熱を、がんの進行と決めつけない

症状の原因には、がんそのものに加え、感染症、胸水、貧血、血栓などがあり、治療による副作用や別の病気が重なる場合もあります。原因によって対応が異なるため、前回と同じ症状でも評価が必要なことがあります。「進行しているから仕方ない」「治療中だから我慢するもの」と考えて相談を遅らせないでください。[2]

薬物療法や放射線治療のあとに、発熱、新しい空咳、息切れなどが現れた場合は、治療施設に伝えます。連絡すべき体温などの基準は、薬や治療時期、血液検査の結果によって違います。一般的な記事の数字より、自分に渡された指示を優先してください。休薬や再開、解熱薬の使用についても、事前の指示がない場合は施設へ確認します。

診察室から

呼吸器内科では、息切れを聞く際に、安静時にも苦しいか、昨日までの歩行と比べてどうか、発熱や新しい咳があるか、直近の治療日を並べて確認します。同じ「息苦しい」でも原因や対応は異なります。症状の変化は重要な手掛かりですが、進行か副作用かの判断には診察・検査が必要です。

03

119番、当日連絡、次回相談を分けて準備する

会話が難しい息苦しさ、意識の変化、多量の喀血は119番

病名やステージを確かめるより救急対応を優先してください。突然の強い胸痛、失神、急な手足の麻痺も緊急の評価が必要です。苦しいときは自分で運転せず、救急隊の指示に従います。

緊急時は119番へ[6]
救急要請
会話困難な呼吸、意識の異常、多量の喀血、突然の麻痺や失神
当日連絡
治療中の発熱、新しい息切れ、繰り返す血痰、食事・水分が取れない
定期相談
安定していても続く軽い痛み、睡眠、食欲、薬や生活の困りごと

症状が急に悪くなる場合や判断に迷う場合は、次回予約を待たずに電話してください。背中の痛みに手足の力が入りにくい、排尿の異常などが加わる場合も、速やかな評価が必要です。[5]受付には、肺がんの治療中であること、治療した日、症状が始まった時刻を先に伝えます。電話がつながらない間にも呼吸や意識が悪化しているなら119番へ連絡します。

04

緩和ケアは、がんの治療と同時に相談できる

緩和ケアは、痛みや息切れだけでなく、不眠、不安、家族の負担などを和らげる支援です。がん治療を終えることと同じではなく、診断後から治療と並行して利用できます。痛み止め、呼吸の苦しさへの対策、栄養や活動の調整などは、原因と体の状態に合わせて相談します。使っている薬が効きにくい、眠気や便秘がつらい場合も伝えてください。[2]

転移のある非小細胞肺がんを対象にした無作為化比較試験では、早期から緩和ケアを組み合わせることで生活の質や気分に改善がみられました。研究の条件や時代背景があり、誰にでも同じ結果が得られる保証ではありませんが、つらさを早い段階で相談する意義を支える根拠です。[3]

患者と家族が呼吸器内科医と胸部画像や検査結果について相談する場面
図|検査結果と今の困りごとを分けて相談 生成した診察場面のイメージです。実在する患者・医師や診断用の画像ではありません。
05

症状の記録は、短くても変化が分かる形にする

症状を記録するなら、「いつ」「どの場面で」「何が」「どれくらい続いたか」の4点を中心にします。食事や水分、体温、睡眠、服薬した時刻、薬でどう変わったかを無理のない範囲で添えます。記録が負担になったら全部をそろえる必要はありません。電話や受診の際は、今最も困っている症状を一つ目に伝えましょう。

家族が気づく変化も手掛かりになります。本人が話しづらい場合は、会話の量、歩く距離、食事の量、眠り方など、実際に見たことを伝えてください。「進行したと思う」という推測と、観察した変化は分けると伝わりやすくなります。検査結果がまだ出ていないときも、つらい症状への相談を待つ必要はありません。[2]

06

夜間の連絡先、移動方法、薬の指示を確認しておく

治療施設の昼間・夜間・休日の連絡先を、本人と家族がすぐ見られる場所に置きます。電話で必要になる診察券番号、治療の名前と日付、お薬手帳もまとめておくと安心です。ひとりで過ごす時間が長い場合は、具合が悪い時に誰へ連絡するか、受診の移動をどうするかを事前に相談してください。

酸素や薬の量を自分で大きく変更せず、処方時の指示に従います。食事が取れない、通院が難しい、費用や仕事の心配がある場合は、看護師やがん相談支援センターなどへ相談できます。治療選択には医学的条件だけでなく、本人の希望と生活の状況も関係します。聞きたいことが多ければ、まず優先したい課題を伝えてください。[4]

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よくある質問

痛みが増えたら、必ずがんが進行していますか?

痛みの原因にはがん以外や治療の影響もあります。場所、始まり方、強さ、動作との関係、薬の効き方を伝え、診察で原因を確認します。

治療の副作用かもしれない症状は、次回まで待ってもよいですか?

新しい症状や悪化は、治療施設の連絡基準に従って相談してください。とくに発熱や息切れ、意識の変化などを自己判断で待ち続けないようにします。

家族だけでも緩和ケアの相談はできますか?

家族の不安や介護負担も相談できます。治療施設の看護師や相談窓口へ連絡し、利用方法を確認してください。

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参考文献