肺塞栓症の症状と検査|突然の息切れ・胸痛、Dダイマーと造影CT

医師が胸部CT画像を患者と確認している診察場面
Respiratory medicine / Symptoms and tests

肺塞栓症の症状と診断の流れ

急に始まった症状では、検査の名前より先に安全と受診の緊急度を確認します。

最終更新 2026.09.18最終医学レビュー 2026.09.18
先に救急の要否を判断
次に可能性を見積もる
最後に適切な画像で確認
結論から

肺塞栓症では突然の息切れや胸痛、動悸、失神などが起こります。ただし症状の組み合わせだけで確定も除外もできません。医療機関では発症の仕方と危険因子から可能性を見積もり、条件が合う場合のDダイマー検査と造影CTなどを組み合わせます。強い息切れ、失神、意識の変化があれば119番を優先してください。

01

失神・強い呼吸困難・意識の変化は119番を考える

突然の強い息切れ・胸痛、失神は救急を優先

急に息苦しくなった、強い胸痛が続く、倒れた・意識がはっきりしない、唇が青紫色、会話が難しい場合は、記事を読み続けず119番を考えてください。自分で運転しないでください。

緊急時は119番へ

急な胸痛や息苦しさは心筋梗塞、気胸などでも起こります。自分で病名を選ぶ必要はありません。症状が始まった時刻、胸痛、失神、脚の変化、最近の手術や入院を救急隊・医療者へ伝えてください。[1][2]

02

突然の息切れ、胸痛、頻脈などがあるが典型例だけではない

肺塞栓症でみられる症状には、急な息切れ、呼吸で増える胸痛、動悸、咳、血痰、失神があります。片脚の腫れや痛みを伴うこともあります。発熱や明らかな低酸素がない例もあり、症状の強さは血栓の広がりだけでなく心肺の余力にも左右されます。症状の有無を自己診断表として使わないでください。[1][2][3][4]

医師が胸部CT画像を患者と確認している診察場面
図|診断は臨床的な可能性と画像を組み合わせる 画像はイメージで、実際の診断には適切な検査と専門家の評価が必要です。
診察室から

診察では「息切れがあるか」だけでなく、数分で始まったか、深呼吸で胸が痛むか、失神・動悸・片脚の腫れがあったかを確認します。最近の手術や安静、がん治療、薬も合わせると検査の優先順位を考えやすくなりますが、問診だけで病名を決めません。

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診察での可能性に応じ、検査の順番を変える

脈拍、血圧、酸素化、脚の所見、最近の手術・入院、がん、過去の血栓症を確認し、臨床的な可能性を評価します。可能性が高い場合はDダイマーだけで除外しようとせず、画像検査を優先します。血圧が不安定な人では治療と並行して心エコーなどを行うことがあります。[1][2][5]

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Dダイマーは「低くない可能性」を見分ける補助で、陽性は確定ではない

Dダイマーは血栓ができたり分解されたりすると上がる血液検査です。臨床的な可能性が低い、または高くない人では、適切な基準と組み合わせて除外に使える場合があります。一方、手術後、妊娠、感染、がん、高齢などでも上がるため、陽性だけで肺塞栓症とは決められません。検査法や年齢に応じた基準を医師が判断します。臨床的な所見とDダイマーを組み合わせて画像検査を減らす方法も研究されていますが、患者さんが自分で数値のしきい値を選ぶものではありません。[1][5][6][7]

家庭用の酸素計もDダイマー単独も「診断器」ではない

酸素飽和度が正常でも肺塞栓症はあり得ます。Dダイマーは発症可能性を評価してから解釈し、必要な場合に画像へ進みます。[1][5]

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造影CTで肺動脈を確認し、状況に応じて別の検査を選ぶ

CT肺動脈造影は肺動脈内の血栓を確認する主要な検査です。造影剤への懸念、腎機能、妊娠などを踏まえ、換気血流シンチグラフィ、下肢静脈エコー、心エコーなどを組み合わせることがあります。心エコーは右心への負担や循環状態の把握に役立ちますが、安定した患者で正常だからといって単独で除外できません。[1][2][5]

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検査結果と全身状態を合わせ、治療場所と再評価を決める

肺塞栓症が確認されたら、血圧、酸素化、右心への影響、出血リスク、家庭での支援を合わせて治療場所を判断します。陰性の検査結果でも、医師の見積もりと合わない場合は別の原因や追加評価が必要です。検査を受けた後に症状が悪化したら、予定を待たず医療機関へ連絡してください。[1][2][5]

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よくある質問

息切れがなく胸痛だけでも肺塞栓症ですか?

胸痛だけで確定できませんが、急に始まった胸痛は肺塞栓症以外の緊急疾患も含めて評価が必要です。

Dダイマーが正常なら必ず否定できますか?

いいえ。臨床的な可能性と検査条件を合わせて判断します。強く疑う場合は画像検査を優先します。

心エコーだけで診断できますか?

心臓の右側への負担をみるのに役立ちますが、安定した人で正常でも肺塞栓症を単独で除外できません。

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参考文献