- ✓ リジュラン注射はポリヌクレオチドを主成分とし、肌の自己再生能力を高める治療法です。
- ✓ 小ジワや肌のハリ改善、毛穴の目立ちにくさ、ニキビ跡の改善などが期待できます。
- ✓ 複数回の施術が推奨され、効果の持続には定期的なメンテナンスが必要となる場合があります。
リジュラン注射は、肌の根本的な若返りを目指す治療として注目されています。加齢による小ジワや肌のハリ低下、乾燥などの悩みに対応し、肌本来の再生力を引き出すことで、自然な美しさを取り戻すことを目的としています。
リジュラン注射とは?そのメカニズムを解説

リジュラン注射は、サーモン由来のポリヌクレオチド(PN)を主成分とする薬剤を皮膚に直接注入する治療法です。このポリヌクレオチドが、肌の細胞レベルに働きかけ、自己再生能力を高めることで、肌質の改善を促します。
- ポリヌクレオチド(PN)
- DNAの構成要素であるヌクレオチドが多数結合した高分子物質です。リジュランに使用されるPNは、ヒトのDNAと類似した構造を持つサーモン由来の成分で、生体適合性が高く、アレルギー反応のリスクが低いとされています。皮膚に注入されると、線維芽細胞を活性化させ、コラーゲンやエラスチンの産生を促進し、肌の弾力性や水分保持能力を高める効果が期待されます。
この治療のメカニズムは、皮膚の真皮層にポリヌクレオチドを届けることで、線維芽細胞の増殖を促し、コラーゲンやエラスチンといった肌のハリや弾力を保つ成分の生成を活性化させる点にあります。これにより、肌の内部から構造が再構築され、肌の厚みが増し、弾力性が向上すると考えられています[2]。また、抗炎症作用や抗酸化作用も報告されており、肌のダメージ回復にも寄与するとされています[1]。
リジュラン注射で期待できる効果とは?
リジュラン注射は、肌の再生を促すことで、多岐にわたる肌の悩みにアプローチします。主な効果としては、小ジワの改善、肌のハリ・弾力向上、毛穴の引き締め、ニキビ跡の改善、肌のトーンアップなどが挙げられます。
小ジワ・肌のハリ改善
ポリヌクレオチドがコラーゲンやエラスチンの生成を促進することで、加齢によって失われた肌の弾力性が回復し、目元や口元の小ジワが目立ちにくくなります。特に、乾燥による小ジワや、表情ジワの初期段階に効果を実感しやすい傾向があります。日常診療では、『目元の小ジワが気になって、ファンデーションが溝に入り込んでしまう』と相談される方が少なくありませんが、リジュランによって肌の土台が整うことで、これらの悩みが軽減されるケースを多く経験します。
毛穴の目立ちにくさ・肌質の改善
肌の真皮層が厚くなり、弾力性が向上することで、開いた毛穴が引き締まり、目立ちにくくなる効果も期待できます。肌全体のキメが整い、なめらかな肌触りになることで、化粧ノリの改善にもつながります。筆者の臨床経験では、治療開始2〜3ヶ月ほどで肌のキメが整い、毛穴が目立ちにくくなったと改善を実感される方が多いです。
ニキビ跡・傷跡の改善
リジュラン注射は、肌の再生能力を高めるため、ニキビ跡の凹凸や、その他の軽度な傷跡の改善にも応用されることがあります。組織の修復を促すことで、肌表面の平滑化が期待できます[1]。ただし、全てのニキビ跡や傷跡に効果があるわけではなく、その種類や深さによって効果には個人差があります。重度のクレーター状のニキビ跡には、他の治療法との組み合わせが推奨されることもあります。
肌のトーンアップ・乾燥肌の改善
肌のターンオーバーが正常化され、水分保持能力が高まることで、肌全体のくすみが改善され、トーンアップ効果が期待できます。また、乾燥肌の改善にもつながり、肌が潤いやすくなります。診察の場では、『肌が乾燥しにくくなった』『化粧水が浸透しやすくなった』と質問される患者さんも多いです。
リジュラン注射の種類と選び方
リジュランには、注入部位や目的によっていくつかの種類があります。主なものとしては、リジュランi(目元用)、リジュランs(ニキビ跡・傷跡用)、リジュランHB(ヒアルロン酸配合)などがあります。
| 種類 | 主な特徴 | 適応部位・目的 |
|---|---|---|
| リジュラン(オリジナル) | 中程度の粘度。汎用性が高い。 | 顔全体、首、手の甲の肌再生、ハリ改善、小ジワ。 |
| リジュランi(アイ) | 低粘度。デリケートな部位向け。 | 目元の小ジワ、クマ、肌の薄さの改善。 |
| リジュランs(エス) | 高粘度。ボリュームアップ効果。 | 深いニキビ跡、傷跡、凹凸のある部位の改善。 |
| リジュランHB | ポリヌクレオチドとヒアルロン酸を配合。 | 肌の再生と即時的な保湿・ボリュームアップ。痛みの軽減。 |
どの種類が最適かは、患者さんの肌の状態、悩みの種類、注入を希望する部位によって異なります。例えば、目元の非常にデリケートな小ジワにはリジュランiが適している一方、深いニキビ跡にはリジュランsが選択されることがあります。実際の診療では、患者さんの肌を詳しく診察し、具体的な悩みをヒアリングした上で、最適なリジュランの種類と注入プランを提案しています。
リジュラン注射の施術の流れと注意点

リジュラン注射は、一般的に以下のような流れで施術が進められます。安全かつ効果的な治療のために、いくつかの注意点があります。
施術の流れ
- カウンセリング・診察: 医師が患者さんの肌の状態、悩み、既往歴などを詳しく確認し、リジュラン注射が適応であるかを判断します。期待できる効果やリスク、費用についても説明します。
- 洗顔・麻酔: 施術部位を清潔にし、痛みを軽減するために麻酔クリームを塗布します。麻酔が効くまで20〜30分程度待ちます。
- 注入: 医師が極細の針やマイクロカニューレを用いて、リジュランを皮膚の真皮層に少量ずつ注入していきます。注入時間は部位や範囲にもよりますが、10〜20分程度です。
- クーリング・アフターケア: 注入後は、腫れや内出血を抑えるために冷却することがあります。施術後の注意事項やホームケアについて説明を受け、帰宅となります。
臨床現場では、注入時の痛みを心配される患者さんが多いですが、麻酔クリームの使用や、場合によっては笑気麻酔を併用することで、痛みを最小限に抑える工夫をしています。
施術後の注意点
- ダウンタイム: 注入部位に赤み、腫れ、内出血、小さな膨らみ(ポコつき)が生じることがありますが、通常数日〜1週間程度で落ち着きます。
- メイク・洗顔: 施術当日はメイクを避け、翌日から可能となることが多いです。洗顔は優しく行い、強く擦らないように注意しましょう。
- 飲酒・運動・入浴: 施術後24時間程度は、血行を促進する飲酒、激しい運動、長時間の入浴は避けることが推奨されます。
- 紫外線対策: 施術後は肌がデリケートになっているため、紫外線対策をしっかり行うことが重要です。
注入直後の小さな膨らみは、薬剤が真皮層に留まっている証拠であり、通常は数時間から数日で自然に吸収されて目立たなくなります。しかし、非常に稀に持続するしこりやアレルギー反応が生じる可能性もゼロではありません。異常を感じた場合は速やかに医療機関に相談してください。
リジュラン注射の持続期間と推奨される治療間隔は?
リジュラン注射の効果は、個人差がありますが、一般的に数週間から数ヶ月かけて徐々に現れ、その持続期間も患者さんの肌状態や生活習慣によって異なります。
効果の持続期間
リジュラン注射の効果は、注入されたポリヌクレオチドが肌の細胞を活性化し、コラーゲンやエラスチンの生成を促すことで発揮されます。この肌の自己再生プロセスには時間がかかるため、効果を実感するまでに数週間を要することがあります。一度効果が現れると、その持続期間は3ヶ月から6ヶ月程度が目安とされています。しかし、これはあくまで目安であり、加齢の進行度合いや紫外線への曝露、喫煙などの生活習慣によって短くなることもあります。
推奨される治療間隔
リジュラン注射は、1回の施術で劇的な変化を期待するよりも、複数回の施術を重ねることで、より高い効果と持続性を目指す治療です。一般的には、最初の数回は2〜3週間おきに3〜4回程度の施術が推奨されます。この集中治療期間を経て、その後は効果の維持のために3〜6ヶ月に1回程度のメンテナンス施術を行うことが望ましいとされています。実臨床では、初回施術から1ヶ月後のフォローアップで、肌の潤いやハリの変化を実感される方が多く見られます。継続的な治療計画を立てることで、長期的な肌質改善を目指すことが可能です。
リジュラン注射の副作用とリスク
リジュラン注射は比較的安全性の高い治療ですが、医療行為である以上、いくつかの副作用やリスクが存在します。これらを理解した上で治療を受けることが重要です。
一般的な副作用
- 痛み: 注入時にチクッとした痛みを感じることがあります。麻酔クリームの使用で軽減されます。
- 赤み・腫れ: 注入部位に一時的な赤みや腫れが生じることがありますが、通常数日で引きます。
- 内出血: 針が血管に触れると内出血が生じることがあります。通常1〜2週間で消失します。
- ポコつき: 薬剤が皮膚内に一時的に留まることで、小さな膨らみ(ポコつき)が生じることがありますが、通常数時間〜数日で自然に吸収されます。
日々の診療では、特に目元への注入後に『小さなポコつきができた』と心配される方が少なくありませんが、ほとんどの場合、数日で自然に馴染んでいくことを説明し、経過観察をお願いしています。
稀なリスク
- アレルギー反応: サーモン由来の成分を使用しているため、魚アレルギーのある方は注意が必要です。稀にアレルギー反応が生じることがあります。
- 感染: 非常に稀ですが、注入部位から細菌感染を起こす可能性があります。清潔な環境での施術と適切なアフターケアが重要です。
- しこり・肉芽腫: ごく稀に、注入部位にしこりや肉芽腫が形成されることがあります。
これらのリスクを最小限に抑えるためには、経験豊富な医師による正確な診断と適切な手技が不可欠です。施術前に医師と十分に相談し、疑問点や不安な点は解消しておくようにしましょう。
リジュラン注射と他の治療法との比較

肌の若返りや小ジワ改善には、リジュラン注射以外にも様々な治療法があります。それぞれの特徴を理解し、ご自身の肌の状態や目的に合った治療法を選択することが重要です。
ヒアルロン酸注入との違い
ヒアルロン酸注入は、主にボリュームアップや深いシワの改善を目的として、直接的にシワの溝を埋めたり、顔の凹みを補ったりする治療です。即効性があり、注入直後から変化を実感しやすいのが特徴です。一方、リジュラン注射は、肌そのものの再生能力を高めることで、肌質の改善や小ジワの軽減を目指す治療であり、自然な若返り効果が期待されます。ヒアルロン酸が「埋める」治療であるのに対し、リジュランは「育てる」治療と例えることができます[2]。実際の診療では、深いシワにはヒアルロン酸、肌全体のハリや小ジワにはリジュラン、といったように、それぞれの特性を活かして併用することもあります。
PRP療法との違い
PRP(多血小板血漿)療法は、患者さん自身の血液から採取した血小板を濃縮し、成長因子を豊富に含む血漿を肌に注入する治療です。自己の血液を使用するため、アレルギー反応のリスクが低いという利点があります。リジュラン注射と同様に、肌の再生を促すことを目的としていますが、PRPは成長因子を直接供給するのに対し、リジュランはポリヌクレオチドが細胞を活性化させることで間接的に成長因子を誘導するというメカニズムの違いがあります。どちらの治療も肌の再生を促しますが、それぞれ異なるアプローチを取るため、医師と相談して最適な選択をすることが重要です。
レーザー治療との違い
フラクショナルレーザーなどのレーザー治療は、肌に微細な熱損傷を与えることで、肌の再生を促し、小ジワ、毛穴、ニキビ跡などの改善を目指します。リジュラン注射が薬剤を注入するのに対し、レーザーは光エネルギーを利用します。レーザー治療は、より広範囲の肌質改善や、色素沈着の改善にも効果が期待できますが、ダウンタイムが比較的長く、施術後のケアが重要となる場合があります。リジュラン注射とレーザー治療は、互いに補完し合う関係にあり、肌の状態によっては併用することで相乗効果が期待できることもあります。
まとめ
リジュラン注射は、サーモン由来のポリヌクレオチドを主成分とし、肌の自己再生能力を高めることで、小ジワ、肌のハリ・弾力、毛穴、ニキビ跡など、様々な肌の悩みにアプローチする治療法です。肌の土台から改善を促すため、自然で持続的な若返り効果が期待できます。効果を最大限に引き出すためには、複数回の施術と定期的なメンテナンスが推奨されます。施術には赤み、腫れ、内出血などの一般的な副作用や、稀なリスクも存在するため、経験豊富な医師との十分なカウンセリングを通じて、ご自身の肌の状態や目的に合った治療計画を立てることが重要です。
よくある質問(FAQ)
- Michael James Kim, Jovian Wan, Lopatkina Oksana et al.. Polynucleotide-based treatments for various facial scars including combat injuries.. The Journal of dermatological treatment. 2024. PMID: 39561983. DOI: 10.1080/09546634.2024.2426626
- Chang Sik Pak, Jongho Lee, Hobin Lee et al.. A phase III, randomized, double-blind, matched-pairs, active-controlled clinical trial and preclinical animal study to compare the durability, efficacy and safety between polynucleotide filler and hyaluronic acid filler in the correction of crow’s feet: a new concept of regenerative filler.. Journal of Korean medical science. 2015. PMID: 25473210. DOI: 10.3346/jkms.2014.29.S3.S201
- Sun Young Choi, Young Gue Koh, Kwang Ho Yoo et al.. A Randomized, Participant- and Evaluator-Blinded, Matched-Pair, Prospective Study Comparing the Safety and Efficacy Between Polycaprolactone and Polynucleotide Fillers in the Correction of Crow’s Feet.. Journal of cosmetic dermatology. 2025. PMID: 39313949. DOI: 10.1111/jocd.16576
- Seunghwa Lee, Hyoung-Wook Moon, Seong-Jin Lee et al.. Development and Characterization of PEGylated Poly D,L-Lactic Acid Nanoparticles for Skin Rejuvenation.. Nanomaterials (Basel, Switzerland). 2025. PMID: 40137643. DOI: 10.3390/nano15060470
- ディフェリン(アダパレン)添付文書(JAPIC)
- ベピオ(過酸化ベンゾイル)添付文書(JAPIC)
- ダラシン(クリンダマイシン)添付文書(JAPIC)

