ひどい生理痛と子宮内膜症・筋腫・腺筋症
生理痛が年々強くなる、経血が多い、排便時にも痛む場合に。子宮内膜症・子宮筋腫・子宮腺筋症の違い、診察で伝えたい症状、超音波検査の限界、妊娠希望を含めた治療の相談方法を解説します。
強い生理痛の背景には、子宮内膜症・子宮筋腫・子宮腺筋症などがある場合があります。痛みだけでは病名を区別できず、出血の変化、月経以外の痛み、診察・画像検査を合わせて評価します。検査で異常がなくても症状が続く場合は再相談し、妊娠希望があれば検査や治療を選ぶ前に伝えてください。[1]
いつから、どこが、どの時期に痛むか
痛みが強いから必ず病気があるとは限りませんが、以前より悪化する、月経の前から終わった後まで長く続く、月経以外も痛む場合は、原因を調べる手がかりになります。まず婦人科・産婦人科に相談し、以前の症状との違いを伝えてください。[1]
確認したいのは、出血量の増加、排便や性交に伴う痛み、頻尿やお腹の圧迫感などです。症状には重なりがあり、一つの特徴から病名を当てることはできません。これらがなくても、生活への支障が続くなら評価の対象です。
初診では「最も困っている症状」を最初に伝えると相談の焦点が定まります。経血が多く外出しにくいのか、痛みで眠れないのか、妊娠への影響が心配なのかによって、優先して確認したいことが変わります。
子宮内膜症:子宮の外の病変が痛みに関係する
子宮内膜症は、子宮内膜に似た組織が本来とは異なる場所にできる病気です。卵巣にできた病変はチョコレート嚢胞と呼ばれることがあります。月経痛に加え、月経以外の下腹部痛、排便痛、性交痛などを伴う場合があります。[2]
不妊に関係することもありますが、生理痛が強い人が全員不妊になるわけではありません。妊娠を希望する場合は、その時期も含めて早めに相談すると、痛みへの対応と妊娠に向けた評価を調整できます。[2]
超音波は卵巣の病変などの確認に役立ちますが、正常な結果でも子宮内膜症をすべて否定できるわけではありません。疑いが残るときは、症状と治療の反応を見ながら、追加検査や専門診療を検討します。[3]
子宮筋腫:できる場所や出血量も判断材料
子宮筋腫は子宮の筋肉からできる良性の腫瘍です。症状がない場合もありますが、月経の出血が多い、長引く、痛む、膀胱や腸を圧迫するなどの問題が起こることがあります。大きさだけで症状の程度や治療の必要性は決まりません。[4]
ナプキンを頻繁に替える、夜も交換が必要、塊が繰り返し出るなど、出血の変化を診察で伝えます。動悸、息切れ、疲れやすさがあれば貧血の評価も必要です。出血量を正確なミリリットルで測る必要はありません。[4]
筋腫が見つかっただけで、すぐに手術が決まるわけではありません。症状、筋腫の場所、妊娠希望などにより、経過観察、薬、手術などを選びます。検査結果の説明では、筋腫の有無だけでなく、今の症状との関係を尋ねてください。[4]
子宮腺筋症:子宮の筋肉の中に病変がある
子宮腺筋症は、子宮内膜に似た組織が子宮の筋肉の中に存在する病気です。強い月経痛や出血の増加、骨盤内の痛みなどを伴うことがあります。子宮内膜症や筋腫とは別の病気ですが、同時にみられることもあります。[5]
症状や超音波などで疑い、必要に応じてMRIで状態を調べます。治療は痛みや出血の程度、妊娠希望などに合わせて考えます。「似た名前だから同じ治療」と考えず、自分の診断と治療の目的を確認することが大切です。[5]
ホルモン治療や鎮痛薬が使われることがあり、十分に症状が改善しない場合は手術の相談も行われます。子宮を残す希望、妊娠希望、これまでの治療歴を先に伝え、選択肢ごとの負担を確認しましょう。[5]
診察・超音波の結果を、その後の症状と合わせる
問診に加えて、必要な診察と超音波を行い、出血が多ければ貧血などを確認します。経腟超音波に不安がある、受けることが難しい場合は、事前に申し出て代わりの方法や検査の進め方を相談してください。[3]

痛みの相談で画像上の病変が見つかったときは、その所見だけで話を終えず、いつ痛むか、出血や排便で困るかも確認します。画像の変化と本人の困りごとが必ず同じ方向に動くとは限らないため、治療の目標を分けて共有します。
子宮内膜症が疑われ、最初の治療が十分に効かない場合や、生活への支障が続く場合は専門的な評価につなげます。再診時には、前回からの痛み、薬の効果、副作用を伝えましょう。検査結果が正常だったことを理由に受診を諦める必要はありません。転院や専門施設への紹介が必要な場合は、これまでの画像や検査結果、使用した薬の情報を引き継げるよう相談してください。同じ検査を何のために行うかも確認できます。[3]
病名とともに、妊娠希望・痛み・出血の目標を相談
治療では、痛みを減らすこと、出血を抑えること、病変を観察すること、妊娠を目指すことを整理します。すべてを一つの薬で同時に実現できるとは限らず、今の優先順位と今後の希望を共有して方針を決めます。[2]
薬の選び方は生理痛に使うホルモン治療と漢方、全体の流れは生理痛の治療と受診目安で確認できます。手術を検討するときも、目的、期待できる効果、合併症、再発や追加治療の可能性を尋ねてください。
既に筋腫や内膜症と診断されていても、急な激痛、失神、大量出血などは早急な受診が必要です。妊娠の可能性がある腹痛・出血では、異所性妊娠などの確認も必要になります。[6]
よくある質問
子宮頸がん検診が正常なら、原因となる病気はありませんか?
子宮頸がん検診は、ここで扱うすべての病気を調べる検査ではありません。結果が正常でも、生理痛や出血の悩みは別に相談してください。
筋腫の大きさだけで手術を決めるのですか?
大きさに加え、場所、出血や圧迫症状、妊娠希望、経過などで判断します。自分の場合に手術を勧める理由と、手術以外の選択肢を確認しましょう。
妊娠を希望する時期が未定でも伝えた方がよいですか?
はい。「今すぐではないが将来希望する」「まだ決めていない」と伝えることも役立ちます。治療中の避妊や、治療を見直す時期を含めて相談できます。
参考文献
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