小児のインフルエンザワクチン|時期・回数・点鼻との違い

保護者と子どもが診察室で注射と点鼻の接種方法を相談する場面
Pediatrics / Influenza vaccine

小児のインフルエンザワクチン
時期・回数・点鼻との違い

毎シーズン、流行前から準備を。注射と点鼻は、年齢と健康状態に合わせて選びます。

最終更新 2026.09.06
SEASON流行前から予定を立てる
AGE年齢で回数を確認
HEALTH喘息と薬を事前に申告
結論から

小児のインフルエンザワクチンは毎シーズン計画します。注射は生後6か月から、13歳未満は通常2回で、2~4週間あけます。点鼻のフルミストは2歳以上19歳未満が対象で1回です。喘息や免疫に関わる病気、薬によって選択が変わるため、流行前に接種医へ相談しましょう。[1][2][3]

接種後、急いで受診するのはどんなとき?

接種後に起きた症状でも、原因がワクチンとは限りません。呼吸・顔色・反応に急な変化があれば受診を優先します。[1][2]

今すぐ119番

息が苦しい、唇が青紫、呼びかけに反応しない、けいれんが続く。全身のじんましんに息苦しさなどを伴う場合も救急対応が必要です。

早めに医療機関へ

高熱が続く、繰り返し吐く、水分が取れない、ゼーゼーするなど。呼吸が苦しい、反応が乏しい場合は119番を優先します。

軽い症状は経過を確認

接種部位の軽い痛みなどだけで、呼吸・顔色・反応が普段どおり、水分が取れている場合。悪化する、長引く、判断に迷うときは相談します。

接種日時、ワクチン名、症状が始まった時刻、薬を伝えてください。夜間などに判断に迷う場合は子ども医療電話相談 #8000も利用できます。緊急時は記録や電話相談より119番を優先します。

01

発症や入院のリスクを減らすため、毎年備える

インフルエンザは子どもでも肺炎などを伴い、入院が必要になることがあります。ワクチンはすべての感染を防ぐものではありませんが、複数の研究をまとめた評価で、発症を減らす効果と入院を減らす効果がそれぞれ調べられています。[4][5]

保護者と子どもが診察室で注射と点鼻の接種方法を相談する場面
注射と点鼻の選択には、年齢だけでなく喘息や使用中の薬の確認も必要です。(イメージイラスト)

流行するウイルスや時間とともに変わる免疫に備え、毎シーズンの接種を検討します。接種済みでも発熱や強いだるさが出たら、水分・呼吸・反応を確認し、悪化時は受診してください。[1][7]

02

注射は13歳未満で2回、点鼻は対象年齢内で1回

国内での小児インフルエンザワクチンの年齢と回数
比較項目注射(不活化ワクチン)点鼻(フルミスト)
対象年齢生後6か月から2歳以上19歳未満
1シーズンの回数13歳未満は通常2回。13歳以上は通常1回(添付文書上は1回または2回)1回
次回までの間隔2回受ける場合は2~4週間。4週間が望ましいとされる通常、そのシーズンの追加はしない
投与方法注射左右の鼻へ噴霧する生ワクチン

この表は日本での接種の目安です。海外の「接種歴によって1回でよい」という案内とは基準が異なることがあります。予約先でお子さんの年齢と今年の接種歴を伝えて確認してください。[1][2]

一般には秋から流行前に予定を立てます。2回必要な場合は間隔があるため、1回目の予約時に2回目も相談しましょう。接種開始日や在庫、流行の時期は年や地域で異なります。[1]

03

注射か点鼻かは、喘息・薬・家族の健康状態も確認

フルミストは注射を使わない選択肢ですが、誰にでも向いているわけではありません。日本小児科学会は、喘息のある子ども、免疫不全のある人と同居する子どもなどには不活化ワクチンを推奨しています。過去のゼーゼーした症状も接種医に伝えてください。[3]

点鼻ワクチンを相談するときに伝えること免疫に関わる病気、免疫を抑える薬、喘息、妊娠の可能性、重いアレルギー歴を確認します。アスピリンなどの薬や、最近使った抗インフルエンザ薬も重要です。薬を自分で休んで接種することは避けてください。[2]

料金は製剤と医療機関で異なります。自治体の小児向け助成の有無、点鼻も助成対象か、2回分の総額を予約前に問い合わせてください。接種方法は費用だけでなく、お子さんの健康状態と一緒に選びます。

04

注射と点鼻では、起こりやすい反応が違う

注射では接種した場所の赤み・腫れ・痛みなどがみられます。点鼻では鼻水・鼻づまり、せき、発熱などが報告されています。どちらも重いアレルギー反応が起こる可能性があるため、接種後は医療機関の指示に従って観察してください。[1][2]

フルミストは、免疫機能に明らかな異常がある方、免疫を抑える治療中の方、妊娠中の方などには接種できません。接種後にはワクチン由来のウイルスが排出されることがあるため、重い免疫低下のある方と身近に接する場合も事前相談が必要です。[2][3]

接種後の発熱を、すべて副反応と思わないで別の感染症が重なることもあります。飲めない、呼吸が苦しい、いつもと反応が違うなどの症状があれば、接種との関連を自分で判断するより受診を優先してください。[7]
05

今年の回数と次回日を、予約の時点で決める

母子健康手帳、お薬手帳、喘息などの治療の記録を用意します。今年すでに別の医療機関で接種した場合は、製剤と日付を必ず伝えてください。注射と点鼻を追加で組み合わせれば効果が高まる、と自己判断しないようにしましょう。[1][2]

診察室から|相談のポイント

注射が苦手なら、そのことも予約時に伝えて大丈夫です。点鼻を希望する場合でも、まず年齢、喘息の症状、使っている薬、ご家族の免疫に関わる病気を確認します。接種後に体調が変わった際の連絡先も、帰宅前に聞いておきましょう。[2][3]

公的資料をもとに編集部が整理した相談のヒントです。医師本人の診療経験や発言の引用ではありません。

06

点鼻のほうが必ず効く、とは言い切れない

子どもで注射と点鼻を直接比べた試験をまとめた研究では、全体として一方が常に優れるとはいえず、試験条件によって結果が異なりました。海外の注射製剤や投与方法も含まれるため、日本のすべての製剤にそのまま当てはめることはできません。[6]

また、発症を調べる研究と入院を調べる研究では評価している結果が違います。流行株、年齢、持病、研究が行われたシーズンによって効果は変わるため、「何%効く」という一つの数字だけで判断しないことが大切です。[4][5]

FAQ

よくある質問

昨年2回受けました。今年も2回必要ですか?

日本では注射の不活化ワクチンは13歳未満で通常2回です。昨年の回数だけで今年は1回と判断せず、年齢と今年の接種歴を予約先で確認してください。

フルミストなら2歳未満でも受けられますか?

国内での対象は2歳以上19歳未満です。2歳未満は対象ではありません。生後6か月以降の注射ワクチンについて接種医へ相談してください。

喘息があります。点鼻を選べますか?

日本小児科学会は喘息のある子どもには不活化ワクチンを推奨しています。現在の症状と治療薬を伝え、接種医と方法を相談してください。

すでにインフルエンザにかかったら、そのシーズンの接種は不要ですか?

別の型にかかる可能性などもあるため、一度かかったことだけで不要とは決まりません。回復の状況、年齢、今年の接種歴を接種医に伝え、その後の接種を相談してください。

REF

参考文献