- ✓ 目の痛みは、目の表面から眼球内部、周辺組織まで多岐にわたる原因で発生します。
- ✓ 視力低下や視野異常を伴う目の痛みは、重篤な疾患の可能性があり、速やかな眼科受診が重要です。
- ✓ 市販薬(目薬)は一時的な対処法であり、症状が改善しない場合や悪化する場合は専門医の診察が必要です。
目の表面・周辺の痛みとは?その原因と対処法

目の表面や周辺に感じる痛みは、結膜や角膜といった眼球の最も外側の部分や、まぶた、眼窩(がんか)といった目の周囲の組織に原因があることが多く、比較的軽度なものから注意が必要なものまで様々です。医療現場では「目がゴロゴロする」「まぶたが腫れて痛い」といった目の表面や周辺の痛みを訴える患者さんが多くいらっしゃいます。
目の表面の痛みの主な原因とは?
目の表面の痛みは、主に以下の原因が考えられます。
- ドライアイ: 涙の量が減少したり、質が悪くなったりすることで目の表面が乾燥し、異物感や痛み、充血などを引き起こします。特にコンタクトレンズを使用している方は、ドライアイのリスクが高まることが報告されています[3]。免疫学的な要因も関連していると考えられています[4]。
- 結膜炎: 目の白目の部分を覆う結膜の炎症で、細菌やウイルス、アレルギーなどが原因となります。充血、目やに、かゆみ、異物感、そして痛みを伴うことがあります[2]。
- 角膜炎・角膜潰瘍: 黒目の部分である角膜の炎症や傷で、強い痛み、異物感、充血、視力低下などを引き起こします。コンタクトレンズの不適切な使用や外傷が原因となることが多いです。
- 異物混入: まつげ、砂、ほこりなどが目に入ると、強い痛みや違和感が生じます。
目の周辺の痛みの原因は?
目の周辺の痛みは、眼球そのものよりも、まぶたや目の周りの骨、筋肉などに起因することが多いです。
- ものもらい(麦粒腫・霰粒腫): まぶたの縁にある腺が細菌感染を起こして炎症を起こすのが麦粒腫、脂が詰まって炎症を起こすのが霰粒腫です。まぶたの腫れ、痛み、圧痛を伴います。
- 眼精疲労: 長時間のVDT(Visual Display Terminals)作業などにより、目の筋肉が疲労し、目の奥やこめかみ、額にかけて痛みが生じることがあります。
- 副鼻腔炎: 目の周囲にある副鼻腔の炎症が、目の奥や周辺に痛みを引き起こすことがあります。
- 三叉神経痛: 顔の感覚を司る三叉神経に異常が生じ、目の周りを含め顔面に激しい痛みが走ることがあります。
臨床の現場では、コンタクトレンズの不適切な使用による角膜の傷や感染症で来院される方が多く、正しいケアの重要性を日々実感しています。特に、長時間の装用や洗浄不足は、目の表面の健康を著しく損なう可能性があります。
目の表面や周辺の痛みであっても、視力低下や急激な悪化、発熱などの全身症状を伴う場合は、速やかに眼科を受診してください。
視力低下・視野の異常を伴う目の痛みとは?重篤な疾患の可能性
目の痛みに加えて視力低下や視野の異常を伴う場合、それは眼球の内部や視神経、脳に原因がある可能性があり、より重篤な疾患が隠れていることがあります。このような症状は、緊急性が高い場合が少なくありません。「急に目が見えにくくなった上に痛みがある」と初診時に相談される患者さんも少なくありません。
視力低下・視野の異常を伴う目の痛みの主な原因
視力低下や視野の異常を伴う目の痛みは、以下のような疾患が考えられます。
- 急性緑内障発作: 眼球内の圧力(眼圧)が急激に上昇することで、目の激しい痛み、頭痛、吐き気、視力低下、視野の狭窄などを引き起こします。緊急性が高く、放置すると失明に至る可能性があります。
- ぶどう膜炎: ぶどう膜(虹彩、毛様体、脈絡膜)の炎症で、目の痛み、充血、視力低下、飛蚊症(ひぶんしょう)、羞明(しゅうめい)などを伴います。自己免疫疾患や感染症が原因となることがあり、全身疾患の一部として現れることもあります[1]。
- 視神経炎: 視神経の炎症により、目の奥の痛み、視力低下、色覚異常などが生じます。多発性硬化症などの神経疾患と関連していることもあります。
- 網膜剥離: 網膜が眼底から剥がれてしまう病気で、初期には飛蚊症や光視症(こうししょう)が見られ、進行すると視野欠損や視力低下、稀に目の痛みを伴うことがあります。
- 眼窩蜂窩織炎(がんかほうかしきえん): 眼球の周囲の組織に細菌感染が広がり、まぶたの腫れ、目の痛み、眼球突出、視力低下、眼球運動障害などを引き起こします。発熱などの全身症状を伴うことも多く、重篤な感染症です。
これらの症状が出た場合の対応は?
視力低下や視野の異常を伴う目の痛みは、一刻を争う事態である可能性があります。放置すると不可逆的な視力障害につながることも少なくありません。臨床の現場では、このような症状の患者さんには、詳細な問診と迅速な検査(眼圧測定、眼底検査、視野検査など)を行い、早期診断・早期治療に努めています。特に急性緑内障発作は、発症から数時間で永続的な視機能障害を引き起こす可能性があるため、直ちに眼科を受診することが重要です。
これらの疾患は自己判断が非常に難しく、専門的な診断と治療が不可欠です。少しでも異常を感じたら、ためらわずに眼科を受診してください。
- ぶどう膜炎
- 眼球の中央部分にある、虹彩、毛様体、脈絡膜の総称であるぶどう膜に炎症が起きる病気です。感染症や自己免疫疾患など様々な原因で発症し、視力低下や眼痛を引き起こします[1]。
目の痛みの応急処置・市販薬(目薬)の選び方とは?

目の痛みが軽度で、緊急性の低いと考えられる場合には、応急処置や市販の目薬で一時的に症状を和らげることが可能です。しかし、これはあくまで一時的な対処であり、症状が改善しない場合や悪化する場合には、速やかに眼科を受診することが重要です。実際の診療では、市販薬で様子を見て症状が悪化してから来院されるケースも少なくないため、適切な判断が求められます。
目の痛みの応急処置
- 目を休ませる: 長時間のVDT作業などで目が疲れている場合は、目を閉じて休ませたり、遠くを見たりして目の筋肉をリラックスさせましょう。
- 目を温める・冷やす: 眼精疲労による目の奥の痛みには、温かいタオルなどで目を温めると血行が促進され、症状が和らぐことがあります。一方、炎症や充血を伴う場合は、冷たいタオルで冷やすと痛みが軽減されることがあります。
- 異物を取り除く: 目に異物が入った場合は、清潔な水で洗い流すか、瞬きを繰り返して涙で自然に排出されるのを促します。無理にこすったり、指で触ったりすると目を傷つける可能性があります。
- コンタクトレンズを外す: コンタクトレンズの装用による痛みや不快感がある場合は、すぐにレンズを外し、眼鏡に切り替えましょう。
市販の目薬の選び方と注意点
市販の目薬は、症状に合わせて様々な種類があります。しかし、自己判断で誤った目薬を使用すると、症状が悪化したり、適切な治療が遅れたりする可能性があります。実際の診療では、市販の目薬を試して改善しないと受診される方が多いですが、症状によっては最初から眼科受診が望ましいケースもあります。
| 症状 | 推奨される目薬の成分 | 注意点 |
|---|---|---|
| ドライアイ、目の乾燥 | 人工涙液、ヒアルロン酸ナトリウム配合 | 防腐剤フリーのものが望ましい |
| 目の疲れ、かすみ目 | ビタミンB群、ネオスチグミンメチル硫酸塩 | 充血除去成分(血管収縮剤)は常用を避ける |
| アレルギーによるかゆみ、充血 | 抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤 | ステロイド点眼は医師の処方なしには使用しない |
| 軽い結膜炎、ものもらい | 抗菌成分(サルファ剤など) | 症状が改善しない場合は眼科へ |
市販薬で一時的に症状が和らいでも、根本的な原因が解決されていない場合があります。特に、2~3日使用しても改善が見られない場合や、症状が悪化する場合は、必ず眼科を受診し、適切な診断と治療を受けるようにしてください。
症状の掛け合わせ(目の異常+〇〇)が示す疾患とは?
目の痛みや異常は、単独で現れるだけでなく、発熱、頭痛、吐き気、体のしびれなど、全身の他の症状と組み合わさって現れることがあります。このような「症状の掛け合わせ」は、目の疾患だけでなく、全身疾患の一部として目の症状が現れている可能性を示唆しており、より慎重な診察と検査が必要です。診察の中で、目の症状だけでなく全身の症状を詳しく伺うことが、正確な診断に繋がる重要なポイントになります。
目の異常と全身症状の組み合わせ
- 目の痛み+発熱+頭痛: 急性緑内障発作、眼窩蜂窩織炎、髄膜炎、インフルエンザなどの感染症が考えられます。特に急性緑内障発作は、目の激しい痛みに加え、頭痛や吐き気を伴うことが多く、緊急の治療が必要です。
- 目の痛み+関節痛+皮膚症状: ぶどう膜炎は、ベーチェット病やサルコイドーシス、関節リウマチなどの自己免疫疾患に伴って発症することがあります[1]。これらの全身疾患では、目の症状以外にも関節の痛みや皮膚の発疹などが現れることがあります。
- 目の痛み+手足のしびれ+脱力感: 視神経炎は、多発性硬化症という中枢神経系の疾患の初期症状として現れることがあります。多発性硬化症では、視神経炎の他に手足のしびれや脱力感、歩行障害などの神経症状を伴います。
- 目の充血+目やに+耳の下の腫れ: 流行性角結膜炎(はやり目)などのウイルス性結膜炎では、目の症状に加えて耳の前のリンパ節が腫れることがあります[2]。
- 目の乾燥感+口の乾燥+関節痛: シェーグレン症候群という自己免疫疾患では、涙腺や唾液腺が障害され、ドライアイやドライマウス(口腔乾燥)の症状が現れます。関節痛を伴うこともあります[4]。
全身疾患と目の症状の関係性
目は「体の窓」とも言われ、全身の健康状態を反映する臓器です。糖尿病網膜症のように、全身疾患が目の合併症を引き起こすこともあれば、ぶどう膜炎のように、目の症状が全身疾患のサインとなることもあります。臨床の現場では、目の症状だけでなく、患者さんの既往歴や全身の状態を総合的に評価することが、適切な診断と治療に繋がると考えています。例えば、目の炎症がなかなか治らない患者さんの場合、全身の免疫系の異常を疑い、内科や膠原病科と連携して診療を進めることもあります。
目の痛みや異常に加えて、上記のような全身症状を伴う場合は、自己判断せずに速やかに眼科を受診し、必要に応じて他の診療科との連携も検討することが大切です。
まとめ

目の痛みや異常は、ドライアイや結膜炎といった比較的軽度なものから、急性緑内障発作やぶどう膜炎、視神経炎といった重篤な疾患まで、多岐にわたる原因で発生します。特に、視力低下や視野の異常、発熱や頭痛などの全身症状を伴う場合は、緊急性が高く、速やかな眼科受診が必要です。市販の目薬や応急処置は一時的な対処法として有効な場合もありますが、症状が改善しない、または悪化する場合には、専門医の診察を受けることが重要です。目の健康を守るためには、早期の正確な診断と適切な治療が不可欠であり、気になる症状があれば迷わず眼科にご相談ください。
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- Panayiotis Maghsoudlou, Simon J Epps, Catherine M Guly et al.. Uveitis in Adults: A Review.. JAMA. 2025. PMID: 40434762. DOI: 10.1001/jama.2025.4358
- Amir A Azari, Amir Arabi. Conjunctivitis: A Systematic Review.. Journal of ophthalmic & vision research. 2020. PMID: 32864068. DOI: 10.18502/jovr.v15i3.7456
- Simmy Chaudhary, Deepak Ghimire, Sayan Basu et al.. Contact lenses in dry eye disease and associated ocular surface disorders.. Indian journal of ophthalmology. 2023. PMID: 37026246. DOI: 10.4103/IJO.IJO_2778_22
- Laura M Periman, Victor L Perez, Daniel R Saban et al.. The Immunological Basis of Dry Eye Disease and Current Topical Treatment Options.. Journal of ocular pharmacology and therapeutics : the official journal of the Association for Ocular Pharmacology and Therapeutics. 2021. PMID: 32175799. DOI: 10.1089/jop.2019.0060

